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10話 協力

 体育の授業が終わり、私はみんなと教室に向かうのではなく、一人でさっきのトイレの個室へと向かう。

着替えようと思った瞬間、私は顔が真っ青になるのを感じた。

「どうしよ…… 朝からおむつ履いてきてたからパンツ忘れた……」

私は持てるだけの力を使い、頭をフル回転させる。

保健室に行ってパンツを借りてくれば……

でも、先生には知られるだろうし、ママにも報告されちゃう……


 かといって、このまま授業を受けるのは危険だ。もしかしたら鼻のいいひとがおしっこの臭いにすぐ気づいたりだとか、椅子とおしりに挟まれているせいで、おむつからおしっこが漏れ出してきたりだとかしてしまうかもしれない。

でも、このままでは次の授業に遅れてしまう。

とりあえず、体操服から着替えないと……


 私はズボンと体操服を脱ぎ、キュロットスカートとTシャツを手に取った。

すると、突然一枚の紙がひらりとトイレのタイル調の床に落ちる。

私はおむつとブラジャーだけの状態でかがみながらその紙を拾った。

”この紙を見た人は保健室まで届けてください。保健室だより”

そんな文字が書かれていたため、私は急いで服を着て、置いておいた使用済みの生暖かいおむつを服とおなかの間に隠して、保健室に向かう。


 保健室につきガラガラと音を立てながらスライド式のドアを開ける。

「せ、先生この紙を拾ったので届けに着ました」

私はさっき拾った謎の紙を先生に見せながら先生に話しかけた。

「あら、風香ちゃんだったの。じゃあちょっとそこに座ってお話ししようか」

頭痛もちでよく保健室に来るせいで私と保健室の先生である里奈先生は仲良しだ。


 私は先生に言われたとおり、すこし硬めのプラスチックでできたような椅子に座る。

その時ぐじゅっとおむつに一度吸収されていたおしっこがあふれ出し、私のおしりを生暖かいおしっこの感触が包む。

私は少し変な感覚になり、思わず顔をしかめてしまった。


 「おむつからおしっこが漏れ出しそうならそこで立っててもいいよ」

さらりと先生の口から放たれたその言葉は私の心臓をより激しく拍動させる。

「ど、どうしてそれ……」

し、しまった! こんなこと言ってしまっては私が学校におむつを履いてきているのを認めているようなものじゃない。

私はどうやって嘘をつくか考えていたが、何も出てこない。


 「風香ちゃんは、おむつが必要な子なの? それともおむつが好きな子なの?」

もう仕方ないのかな。でももしもママに報告されたら……

「大丈夫よ。風香ちゃんが何と言おうがお母さんには報告しないからさ。だから私には教えてよ。それに協力してあげられるかもしれないから」

協力……

その言葉が私の脳内に強く残る。

もしかすれば、これからは風香におむつをもらわなくてもおむつ遊びができるかもしれない。


 「す、すきです……」

さながら誰かに恋の告白をするかの一言を口から放つのが恐ろしく恥ずかしい。

「なにがかな??」

ちょっとS気質のある里奈先生はわかっているだろうにもかかわらず、私に聞いてくる。

でも、ここであきらめれば、私はただおむつが好きなことを先生に知られているだけで、協力してもらえないのだろう。

「お、おむつが好きです!!」

私は勇気を出してもしかしたら外の廊下に聞こえるかもしれないくらいの大きな声で言った。


 すると、さすがに私が大きい声で告白するとは思ってもいない里奈先生は唇の前に人差し指を当てた。

「バレちゃったらまずいんでしょ? ほら、そろそろ授業始まっちゃうからとりあえずこれはいていいよ。またお昼休みに来て、いろいろ話しましょ」

里奈先生は私にそう言いながら、美奈からもらったのと同じメーカーのおむつをもらった。

私は今履いている、おしっこをたっぷり吸ったおむつを脱いで、2時間目までに濡らしてしまっていたおむつと一緒に里奈先生に渡した。


 私は里奈先生からもらったおむつに足を通して、キュロットスカートをはき、急いで教室に戻った。次の四時間目の授業は私が好きな理科だったが、昼休みに何が待っているのだろうとワクワクしたり、キュロットスカートの上からおむつを触ってドキドキしていたせいで全く集中できない。

この流れでおもらしもしようと思ったが、さすがに朝飲んだコーヒー牛乳の力も消えてしまい、思ったようにおしっこがたまらなかった。

私のおもらし遊びのこだわりとしてできれば限界まで我慢しておもらししたいのだ。


 とうとう四時間目が終わり、給食の時間。

今日の給食にはスープがあったので、普段おかわりなんてしない私だったが、3回もおかわりした。正直、お腹がタプタプになったがこの後のことを考えると、そんなことどうでもよかった。

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