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0 プロローグ
ある世界のある大陸にフロナディアという王国がありました。
この王国、賢王と名高いメルヴィン・エドワード・ナッシュ・フロナディア王の元、大陸に名を轟かせていました。
フロナディア王国に憂いがあるとすれば、メルヴィン王が独身であり、兄弟がいないこと。
そして、大陸で猛威をふるった疫病で婚約者であった隣国の王女やフロナディア王国の先王やその王妃が亡くなり、直系の後継ぎがいないことでありました。
フロナディア王国には、五大公爵家がありました。
元を辿れば、王家に繋がると言う由緒正しき血筋、いざと言う時王家のスペアを勤めるのです。
国の内政を担うノーリッシュ家とグラニシュ家
国を守るデルヴィーニュ家とパッシュ家
国の外交を担うダルグリッシュ家
王家に直系の後継者がいない場合、五大公爵家の中から能力のあるものが、王に選ばれるのです。