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002

 その日俺は授業が終わって仲のいい友人と教室で喋っていた。内容は確かこの後どこに行くかを話してたと思う。

 結局小遣い前でお金がなかったため友人には断りを入れて学校を出たところまではなんとなく覚えている。

 けど、そこからは全く思い出せない。思い出そうとしても映画のシーンで急に場面が変わったかのように、記憶が飛んでいる。


 で、気がつくと行列に並んでいた。

 しかも何の行列かも分からない。自分がなんでこんなところにいるのかと不思議に思い、色々と思い出してみるが、学校で友人と別れた所までしか思い出せない。

 自分がどうやってここにいて、この行列に並んでいるかも分からなかった。


 とりあえず何の行列なのか確認するために並んでいる前の人の肩をたたいてこの行列について聞いてみる。

 すると、王都に入るための審査待ちだという。

 前にいたおっちゃんは行商人で王都の商品を仕入れるためにやってきたそうだ。


 ………王都?行商人?


 改めて周りを見ると現代の日本では考えられないほど質素な服を着ている人が多く、また行列の先には大きな門が見えた。

 そこでようやく自分の置かれている状況に思い立った。

 これが異世界ってやつか、と。


 前にいるおっちゃんに色々と話を聞こうと再度声をかけて王都のことやこの国、世界の事を聞いてみる。

 ちなみに記憶喪失の振りをして自分の名前も分からない振りをした。

 おっちゃんは行商人だけあって色々な村や街を渡り歩いていて色々と教えてくれた。


 まずこの国…王国はローフリシアというそうだ。

 比較的今の王様は良くも悪くも善政を敷いているそうだ。ここ20年は平和が続いているそうだが王様もすでにいい年。

 来年、再来年あたりには後継者として第一王子が王の座につくそうだが、それに反発している第二王子、第三王子がいて内部で少しごたついている

 まぁこのあたりは庶民が好きそうな噂らしいのでどこまで本当か分からないそうだ。

 で、王都だけど基本的な治安は良いそうだ。ただ路地に入ると一転治安が悪くなるそうだ。

 といってもよほどのことが無い限りは赴くことは無いそうなので普通に観光する分には問題ないそうだ。

 身分証があれば普通は身分証を見せてそのまま通ることができるが、身分証がないものや行商人といった商人は不正入国がないようにするため、一旦審査を受ける必要がある。

 俺の場合は身分証が無いため一旦審査を受けないといけないそうだが、過去に犯罪を犯していない限りは入れないことはないそうだ。

 特産品として魔物肉を使ったスモーク肉があるそうだ。日持ちもしてしっかりと味がありかなり人気があるため、冒険者組合では魔物肉を常時買い取って肉屋に卸しているそうだ。

 冒険者!という言葉が出た瞬間俺は少し興奮して冒険者について聞いてみた。

 冒険者…といっても様々な意味合いがあるようで、魔物退治専門にやっている人もいれば、遺跡を見つけ探索する人もいるし、ダンジョンに潜るだけの人もいる。

 冒険者組合に行けば何らかしらの仕事があるため、手に職が無い人は冒険者と言われることが多い。日本でいうとフリーターの意味合いが近いかもしれない。

 で、冒険者は成人年齢である15歳以上であれば誰でもなることができるそうだ。


 と、ここで行商人のおっちゃんの番になった。

 おっちゃんに御礼をいい見送る。

 おっちゃんは身分証を取り出し門番がそれを受け取ったあと内容を確認して、他の門番が荷馬車の中を確認。2、3分程度で終了して王都の中に入っていった。



 ついに俺の番になった。


「名前は?」


「輝夜です。」


「カグヤ…だな。王都にきた目的は?」


「観光…と思っていますが職があれば仕事もしたいと思っています。」


「では最後にこの水晶に触ってくれ。」


 門番に差し出された水晶を触ると薄青く光ったあと徐々に消えていった。


「ふむ、特に問題が無いようだな。ようこそローフリシア王都へ。私たちは君を歓迎するよ。

 では滞在チケットを持っておくように。」


 門番はそう言うと一枚の木札を渡してきた。


「これは?」


「その木札は身分証がない旅人などに渡す滞在を証明するものだ。その木札は二日後の午前中まで有効だが、それ以降過ぎると警告音が鳴るようになっているので、

 滞在期間を延ばしたい場合は衛兵の詰め所かここまできて申請するように。

 もし仕事を見つけるつもりがあるなら冒険者組合にいけば証明書も発行してもらえるぞ。」


「ありがとうございます。仕事があれば受けてみたいので一度冒険者組合にいってみます。」


「うむ、頑張れよ。」


 少し厳つい門番と思ったけどなかなかいい人だったっぽいな。

 さて、定番の冒険者組合にいって証明書を発行してもらいますか。

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