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新キャラ視点です。
この新キャラはいったい何者なのか!?
早朝、マフルの街に朝の日差しが差し込んだ。
私の天蓋ベッドのカーテンさえ、日差しは容赦なくすり抜けてくる。
……最悪な朝だと、私は呟いた。
今日だけじゃない。昨日も、一昨日も、きっと明日もそう。
だって、私がこれまで生きてきた300年間で、そうじゃなかったのは最初の数十年間だけ。
それ以来は、私にとって最悪な毎日の連続だった。
ベッドを囲うカーテンが、何者かによって開かれる。
開いたカーテンの向こうに立っていたのは、妙齢の女性。
彼女は一礼すると、部屋から去っていった。
……ライムが動き出してから、もう半年。
そろそろ、私も動くべきかな。
私は、ベッドから降りると、部屋の片隅に設置された引き出しへと歩いて行く。
そして、下から4番目、ちょうど私の胸当たりの高さにある引き出しを引いた。
その中に入っていたのは、ナックルガードの付いた銃のグリップのような物。
300年前に手に入れた、究極の兵器――。
ようやく、これを使うときが来たんだ。
せっかく、私の友を救うための方法が見えてきたんだ。
私は手に取った「フィセント・メイル『バーズシング』」を、胸に抱きしめた。