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12-4

今回はノイン視点となります。

 キサラギが、魔女サラマディエに攫われてから丸一日。

 魔女様と俺は、魔人対策課でキサラギの発見を今か今かと待っていた。


 サラマディエは、運動エネルギーの属性を用いて飛行。

 街の外に出た後、忽然と姿を消した。

 壁の外は俺達警備隊の管轄ではない。

 捜索にあたっているのはマフル防衛隊だ。

 実際俺達がやれと言われても、長時間捜索をするだけの能力は持ち合わせていないため、ここまでは納得できる。


 だが、あまりにも発見が遅すぎる。

 サラマディエが逃げ出した瞬間まではこちらで捉えていたにも関わらず、未だに痕跡一つ見つけられないのだ。


「課長、やはり我々も出るべきかと!!

 相手が魔女となれば、魔女様やディア・メイルの力が必要となります!!」


 課長は俺の話を聞いて、御嗜みになっていた御煙草をお吹かしになった。

 だが、吹かせていない。

 課長の煙草は、前後逆になっているのだ。

 しかも火すら付いていない。

 慌てているのは、課長も同様なんだ。


「だから何度も言ったろ、外は防衛隊の管轄だ。

 ノインにはそのうちお声が掛かる。

 それまで大人しくしてろ」


「そんなことを言ってる場合!?」

「そんなことを言っている場合ですか!?」


 俺は課長の机に両手を叩きつけた。

 魔女様がそうなさるのとほぼ同時に。


 魔女様は、呆れたようにため息を吐くと、ここを後にしようと扉へと御向かいになる。


「どこに行くつもりだ?」


「私は警備隊員ではないわ。

 私の好きなようにさせてもらうだけよ」


 課長は御煙草を正しく咥え直しになりながら「そうかい」と呟きになった。

 ここで御止めにならないのは、今すぐ動きたいという思いが同じだからだろう。


 その時だった。

 この場にいる全員の腕時計が、バイブレーションと警告音を放つ。


 まさか、キサラギが見つかった!?


「どうした!?」


 真っ先に反応なさったのは、課長であった。


 腕時計から鳴ったのは、サラマディエの捜索状況をモニターしていたシンジキドの声。


『それが、未確認飛行物体がこちらに真っ直ぐ向かっていて……。

 これは……ソウくん!?』


 まさかキサラギが、一人で脱出したと言うのか!?

 メイルを始動させたということは、例の端末を使って……!


 それをお聞きになった課長の深い溜息が、この空間の緊張を吹き飛ばすかのようだった。

エピローグを更新予定!!

お楽しみに!!

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