5.取り調べ
動揺のあまりに落とした剣の柄には、文字が刻まれていた。
「蒼の瞳……?」
それを見てすぐに綺麗な色の宝石が剣の柄頭の方に、埋め込まれているのに気がついた。
「デュークどういうことか教えてくれる?」
皆を院内に戻してから、俺はエリン先生の部屋で質問攻めにあった。無理もなかったんだ。だが真剣な顔をした先生に問われても、俺はその答えを持ち合わせてはいなかった。
「分かりません、あの時何が起こったかについては俺にも全く。」
何とも答えられない俺を見かねてエリン先生は席を立った。そして数分後手に剣を持って先生は現れた。
「この字読めるのね?」
そう、あの時俺の読んだ『蒼の瞳』という文字はこの世界のものではなかった。
「えぇ、蒼の瞳と読めます。」
暫く考え込んだ先生は、俺の目を覗き込んでこう言い放つ。
「とうとう、貴方の旅立ちの日が来てしまった。」
俺はその言葉に反応さえ示せなかった。
そろそろですよ、そろそろですよ!
騒いでしまいすみません、朝月です。あと2話くらいで主人公の旅立ちの日がやってきます。もう楽しみしかありませんね。先生は何を知っているのか。デュークが夢を掴み直すシーンもありますので、明日もお楽しみに。