13.療養
唖然とした様子の俺を見かねてエマが訊ねる。
「まさか、自分で分かっていなかったのか?」
「あぁ。」
未だに痛む筋肉を動かして返答する。
「嘘はついていないな?」
もちろん、自分でもまだ信じられない程なのだ。でも、それを証明出来ない事が悔しい。だから、
「判断は任せる。」
そうとしか言えなかった。でも、自信は無いし動けないから信じてくれと祈っていた。彼女の答えは、
「まぁ、結局この町は君に恩義が出来たし歓迎する。」
一安心して力の抜けた体が眠気を誘い、その誘惑に俺は勝てず視界が狭まっていった。
また起きると今度は傍に見知らぬ女性が、冷たくなったであろう俺の食事を、運ぼうとしているところだった。意識がまだ朦朧とした俺に、
「お目覚めですね。何かお口にされますか?」
気遣ってもらっているのがよく分かり、
「ご迷惑お掛けしてすみません。よろしければ、少し水分と食事を頂けると。」
と丁寧に返事してみて何処も痛まないことに気付く。色々聞くことはあるのだ。
「すみません、此処は?」
「あぁ、我が家です。エマがお世話になったようで、ありがとうございます。」
どうやら此処はエマの家か。となると目の前の人はお母さんなのだろう。
「泊めさせてもらい、ありがとうございます。感謝してもしきれません。宿泊代は出るときに払いますから。」
いきなり金銭の話をされて動揺したようでエマのお母さんは、
「やめてください、救ってもらったのは我々ですから。あ、お食事持ってきますね。」
と出て行った。至れり尽くせりのありがたさが身に染みてくる。ここまでしてもらえるとは。戻ってきたお母さんからうどんを受け取り、ゆっくり食べて俺はまた深い眠りに落ちていった。
投稿をサボっていない自分に感動してる朝月です。
まず皆様にお詫びを、
土日に修正せずすみませんでした!言い訳はしません!いずれやるつもりではあります。(いずれっていつだよ!)ただ忙しい毎日だったりするので期待しないでいただけると。余計に面倒くさがりなもので……。
それでは、また!