青春野郎とアメーバ野郎
昼休み、ようやく起きてきた大河がノソノソと近づいてきた。
「碎~何か俺の頭にチョーク乗っかってんだけど何これ?」
「天罰だ。」
「何だそれ…。そういや優希ちゃんどこ行った。」
大河が優希を探しているということに若干の不安を感じるが、優希なら大丈夫だろう。
「私に何か用?」
噂をすればなんとやら、何かでろーんとした大河の後ろにいつの間にか優希が立っていた。
「え?いやっあの~。」
急にしどろもどろになった大河をさておき優希は再度俺を見て言った。
「有栖川、私に何か用か?」
「いや、お前に用があったのは俺じゃなくてこいつなんだけどな?」
ヘドロ状のなんだかよくわからない状態になった大河を指差してみるが、優希は訳がわからないとばかりに首をかしげた。
「?ここには有栖川と私とアメーバしかいないが?」
もはやアメーバ扱い。
「まぁいい。して有栖川、今日の放課後は空いてるか?」
「え?まぁ空いてるけど。何か用か?」
急に何だ?コイツ。
「話があるから5時にここにいてくれ。」
「別に構わんが。」
会って半日も経ってないのに何なんだ?
「じゃあ私は先に用事を済ませてくる。」
そう言い優希は廊下に消えていった。