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数学教師とクソ野郎
「じゃあ問3の問題を…そうだな橘分かるか?」
「はい。X=8,65π-5,23です。」
「正解だ。いいか?この問題で重要なのは…。」
「……。」
数学Ⅱの時間中、授業に参加するでもなく窓の外を眺めていた。
もちろん頭の中は今朝の変な大河(いつも変だが)に言われたことでいっぱいだった。数学なんぞの入る余地はない。
「…この点を踏まえた上で次の問4を…浜建。何?寝てる?起きろ浜建!」
男声数学教師大河の[グリグリされるとお腹が痛くなるポイント]120km/時の豪速チョークを投げつけた。断じて剛速球ではない。
チョークが大河のつむじにヒットする直前、チョークはのれんに直撃したピンポン玉のように減速した。
ぱすっ
「………。」
「………。」
きーんこーんかーんこーん
「きりーつ!礼!」
「次は小テストやるからなー。」
何事もなかったかのように動き出すクラス一同+教師。
ふと優希を見ると、彼女は相変わらずの無表情だった。