第7章
【オフィスビルの通路にて】
(ジョアナ、通路の『給水機』の水を飲もうとするが、ボタンを押しても、足でレバーを踏んでも水は出ない)
ジョアナ:「ああ・・・。」
コロンボ警部:「・・・そいつは『スト中』ですよ。
見かけは立派だけど・・・どうも、ひどいビルですなぁ。
『水は出ない』『自動販売機は故障』。
・・・言ってみりゃあ、『踏んだり蹴ったり』っていうとこですなぁ。」
ジョアナ:「あなた、どなた?」
コロンボ警部:「はい。警察のもんです。
殺人課の『コロンボ』です。」
ジョアナ:「でも、あそこは・・・」
コロンボ警部:「さっき行きました。
でもあなたが見える前に・・・逃げ出しちまったんですよ、たまらないから。
だってあの部屋、タバコの煙がいっぱいだし、やかましいでしょう。
長いこといると、頭が痛くなってくる。」
ジョアナ:「でも、あたしは戻らないと。」
コロンボ警部:「いや、待ってください。
ねえ、奥さん。
こんなことがあったんだから無理はないと思うけど・・・あなた、かなり疲れてらっしゃる。
・・・あたしがお宅まで送ってきましょう。
すこし、休んだほうがいい。」
ジョアナ:「そんなことして、刑事さんに叱られないかしら。」
コロンボ警部:「・・・あとで電話しときますよ。
あたしといっしょだって聞けば、あの連中も文句いわないはずです。」
ジョアナ:「ケンは、どうしようかしら。
ここへ来るはずなの。
・・・『行き違い』になっちゃうわ。」
コロンボ警部:「ご主人とコンビの『フランクリンさん』のことですね?」
ジョアナ:「(苦笑しながら)ええ。
・・・たいしたコンビだわ。」
コロンボ警部:「(エレベーターのボタンを見て)こういうボタンは、イヤですなぁ。
いつも押すたんびに・・・『バイ菌』がたかるような気がして。
あぁ・・・食事、もう済みましたか?」
(ジョアナ、首を横に振る)




