第6章
【殺害されたジム・フェリスのオフィスにて】
ジョアナ:「変ねぇ・・・た・・・たしかに変な話だわ。
なんだか、『キツネにつままれた』みたい。
よ・・・よくある話。
・・・推理小説にあるでしょう?
主人が書いた作品にも、たしか、こんなストーリーがあったわ。」
警察1:「はっきり言ってしまえば奥さんの『想像』で・・・事件なんか、なかったんじゃないですか・・・?
『死体』がないんですから。」
ジョアナ:「じゃあ、『銃声』はどうなるの・・・?
た・・・たしかに聞いたのよ、主人と電話で話をしている途中で・・・。」
警察1:「『銃声』ねぇ・・・。」
警察2:「でも、この辺りを探したけど、『死体』も『血痕』も見つからないんですよ??」
ジョアナ:「ええ、それはわかってますけど・・・」
警察1:「なんか『無くなってるもの』はありますか? 事務所の品物で。」
ジョアナ:「いいえ、ありません。」
警察2:「たしかに『ご主人の声』でしたか・・・?」
ジョアナ:「ええ、間違いありませんわ。主人よ、あれは。」
警察1:「ご主人はこういう『イタズラ』を?」
ジョアナ:「そうねぇ・・・いいえ!
そんなことをするような人じゃないわ。」
警察2:「『ここにいる』と言ったんですか・・・?」
ジョアナ:「ええ。『まだオフィスで仕事をしている』って。
『書き上げないと締め切りに遅れる』とかって。
ねぇ、刑事さん。
いつまで、こんなつまらないこと訊いてるんです。
・・・時間の無駄だわ。
それより、早く主人を探して。」
警察1:「まず、ご主人の声が聞こえたんですね?」
ジョアナ:「そうよ、何度言えばいいの。」
警察1:「次に『銃声』がした。」
ジョアナ:「ええ、そうよ。」
警察1:「それきり、返事がなくなった。」
ジョアナ:「ええ、もう言ったでしょう!
あぁ・・・頭がズキズキ・・・。
あぁ、やだ・・・すいませんけど、失礼します。
顔と手を洗いたいの。」
警察1:「よそ行かないで。」
ジョアナ:「・・・お願い。」




