第4章 :とりあえず、ここで切ります。
【ラサンカの食料品店からケンの別荘までの道中】
ジム:「なんだかこう・・・『嫌な気分』だな。」
ケン:「・・・なにが?」
ジム:「むかし一度、ここらに来たような気が・・・フッとしたんだ。」
ケン:「ほんとに来たのか?」
ジム:「 ・・・ほら、よくあるだろう、そんなことが。
『なんとか錯覚』ってやつだよ。」
ケン:「やっぱり、『オーバーワーク気味』なんだよ。」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【美しい湖畔の、ケンの別荘に到着】
ジム:「・・・なかなかいいとこじゃないか。」
ケン:「ぼくらの本が売れたおかげさ。
中も、ちょっとしたもんだぜ。」
(ジムとケン、別荘内部へ)
ジム:「・・・無理もない。」
ケン:「なにがだね・・・?」
ジム:「女の子が、軒並み『陥落』するわけだ。」
ケン:「そんなことか、くだらない。
・・・一杯、どうだい。」
ジム:「アルコール漬けにする気か?
もう、『降参』だ。」
ケン:「・・・女房のこと、考えてるな?」
ジム:「ああ。なにしろ・・・急に来ちまったんでね。
いまごろきっと、ぼくを待ってるだろう。」
ケン:「そんなに悩むことはないだろう。
電話でひとこと断れば、万事解決さ。」
ジム:「・・・なんていうんだい。」
ケン:「『お堅い人』はコレだから困るね。
こういうんだ。『もうしばらく、オフィスで仕事をする。締め切りに遅れそうなんだ。すまないが、今夜のデートは延期してくれないか』・・・こんな電話なら、しょっちゅうだろう。」
ジム:「ああ、いつもだ。」
ケン:「だったら、簡単に信じ込むさ。」
ジム:「うううむ・・・ウソをつくのは、気が咎める・・・」
ケン:「よせよ。君はもう、こっちへ来ちまったんだし・・・このまま黙って奥さんを待たせといたら、余計、気の毒じゃないか。」
ジム:「・・・わかった。ああ、局ですね・・・『長距離』を。」
ケン:「あぁ・・・待った。
実生活だと、君も案外、ぬかってるな。
『長距離です』なんて取り次がれたらどうする・・・?
いっぺんで『ネタ』が割れちまうじゃないか。
最初に『02』を回せば、ロサンゼルスに直通だよ。」
ジム:「・・・ジョアナ。どうしてる?
あぁ・・・実はそのことだけどね。
まだ『オフィス』なんだ、そのぉ・・・今夜中に書き上げないと、締め切りに遅れちゃうんだよ。
わかってる・・・すまない。これが最後だよ。
このつぎからは・・・」
バーーーン!!
ジョアンナ:「・・・あなた! あ・・・どうしたのッ!?
はぁ・・・あ、交換台ね?
警察につないで。」




