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第2章
【オフィスビルを出て】
ジム:「・・・タイミングがよかったんだ。
いまの作品は、もうすぐ終わるし・・・」
ケン:「メルヴィル夫人の『最後の事件』か。
・・・記念品でも贈らなきゃならないな。
実は、『リスト』を作ってみたんだ。
いちおう目を通してくれないか。」
ジム:「・・・知らない名前ばかりだな。」
ケン:「(タバコをくわえながら)あぁ・・・ぼくもどうかしてるな。
『ちがうリスト』を持ってきちまったらしい。
あ~、やっぱり今日は、どうかしてるんだ。」
ジム:「・・・どうした?」
ケン:「オフィスにライターを忘れてきた。」
ジム:「いいじゃないか。」
ケン:「アレを手放すと『ゲンが悪い』んだ。
・・・取ってくるよ。」
(オフィスに戻ったケンは、にやけながら、メルヴィル夫人シリーズの本を、1冊残らず棚から床に突き落とし・・・部屋中に書類やらジムが書きかけた原稿やらを、腹いせのように、乱暴にブン撒き・・・一通の『折ったリスト』を机の引き出しにしまう)




