表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/15

第13章

 【演劇場からケン・フランクリンと若い女性が出てくる】


 (場内アナウンス「毎度、ご来場くださいまして、誠にありがとうございました。お帰りの際は、お足もとにご注意くださいませ。毎度、ご来場くださいまして・・・」)


 

 若い女性:「・・・あぁ、こわかった。

 いまでも胸がドキドキするわ。」


 ケン:「そうかな。

 最初の一幕ひとまくで、『スジ』が割れていたろ。」


 若い女性:「そぉ~お?

 あたし、おしまいまで『犯人』が誰か、わからなかった。」


 ケン:「『月並つきなみ』じゃないか、あんなトリック。

 ・・・これだけは覚えといてもソンはないからね。

 ミステリーで『双子ふたごの兄弟』が出てきたときには、推理を複雑にするための『カモフラージュ』で・・・犯人は、たいてい別の人間なんだ。」


 (ここで、フランクリンを待ち伏せしていた、サンディエゴ近くの食料品店の女店主のラサンカが、赤いドレスで声をかける)


 ラサンカ:「フランクリン先生!

 ねぇ、あたしよ。ここ、ここ!!」


 若い女性:「(フランクリンに)どなたなの・・・?」


 ケン:「いやぁ、ちょっとした『知り合い』さ。

 ・・・失礼する。」


 (フランクリン、ラサンカのところへ)


 ケン:「・・・ラサンカさん。

 思いがけないところで・・・。

 何をしに(ここまで)出てきたんです?」


 ラサンカ:「あははは。

 ・・・ひさしぶりに買い物しに。

 このドレス、どう?」


 ケン:「とってもよく似合うよ。」


 ラサンカ:「お芝居も観たの。

 ・・・お連れの方、きれいな方ね。」


 ケン:「あぁ、まぁね。」


 ラサンカ:「あたし、(あの方に)まだお会いしてないわね?」


 ケン:「ああ、会ってないだろうね。

 ・・・じゃあまた、そのうちに。」


 ラサンカ:「あのぅ・・・ここで会ったのも、何かの『ご縁』でしょう?

 あつまかしいようですけど、『お酒』でも、ご一緒にいかが・・・?」


 ケン:「あぁ・・・ぼくもそうしたいところだけど、あのお嬢さんと約束があるもんでね。」


 ラサンカ:「ちょっと、(あの方に)断ればいいでしょ。」


 ケン:「・・・そんな義理はないと思うが。」


 ラサンカ:「・・・そう。

 でもあたし、あなたにお話したいことがあるのよ。」


 ケン:「またにしてくれたまえ。」


 ラサンカ:「あ、待って。

 あなたにフラれると、ほかの人に話したくなりそうだけど・・・それでもいいのかしらね?

 そりゃ、おもしろい『ミステリー』なのよ。

 あたし、見てしまったの、『あの事件』を・・・。

 うふふ。」


 (状況を理解したケンの表情が変わる)


 ケン:「・・・ちょっと待ってくれないか。」


 ラサンカ:「やっぱり飲み込みが早いわね。」


 (ケン、やむをえず『約束』をキャンセルしに、いったん若い女性のところへ戻る)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ