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第32話 自分の都合しか考えない。自分の思ったように相手が動いてくれないと気が済まない

「それは現場で汗を流さない事務員の意見だろ? 俺の立場にでもなってみろよな? 現場の声を聞けよ。仕事は事務所でパソコン相手にやるんじゃなくて、現場で汗を流してやるものなんだぞ?」


「アンタは現場を分かっていない!」っていう現場からの声に対して「君たちは会社の事情を分かっていない」と返すのは聞き飽きた!

 何で相手の事情を分かろうとしないんだ!


◇◇◇


・この悪いお手本からあなたが学ぶ事。


 物凄く悪い言い方をすると「盗人にも三分の理」って奴で、あなたの言う事に従わない人にもそれなりの理由があるんですよ。

 現場で汗を流して働いている人と、エアコンが利いて夏も冬も快適な部屋でパソコン相手に会社のデータとにらめっこしてる人とでは、

 会社に対する目線が違いすぎて意見がかみ合わない! というのはごく当たり前のように起きます。




「経営陣の奴らは現場の苦労を何も分かってない」って言いたくなる気持ちは分かりますが、

 経営陣も現場で働く人も「会社をより良い方向に導こう」としている意味では同志なわけでして、

 まずはそこを理解して腹の底まで「ふ」に落としてくださいよ。そうしないと何も始まりませんよ。




「会社の業績を悪化させてやろう」とか「会社の信用を無くしてやろう」という悪意を持って勤務している人はまずいないわけでして、

 そういう意味では「現場で汗を流して働いている人と、経営者目線で働いている人」との差は無いんですよ。誰もが「会社をより良い方向に発展させよう」と思っているものの、ボタンの掛け違いが起きているだけで本質的には変わりないんですよ。




 会社の従業員や経営者はお前のママじゃ無いんですよ。会社にいる人間は誰もが会社のためを思って行動しているんですよ。

 少なくともわざと会社を悪くしようと考えている人はいないはずでしょうから、相手の言う事にも少しくらいは正しい部分はあるんです。


 それを無視して「あいつらは分かってない」って言っても、何にもならないじゃないですか。

「あいつらは分かってない」って相手を否定して、何か建設的な事でも起こりますか? そうでなければただの愚痴ですよ。それこそ「スナックのママ相手にでも愚痴れ」って奴ですよ。




 これが会社の同僚相手ならまだ良いんですが、親子関係だとまたこじれるわけでして。

 親は全員そう。というわけじゃないですが、中には「子供を意のままに操りたい」とか「子供が自分の身体の拡張版」でないとキレる親もいるんですよ。

 そういう人は「教えたことはやらないくせに、教えてないことをやる」実の子供に「殺意」に近いレベルの憎悪を持てるんですよ。




 暴力的な物を一切見せずに育てたはずの子供が、その辺の林で手ごろなサイズの枝を拾って兄弟でチャンバラやってるのを知って『ドッカーン!』と大爆発する親、とか

 教えてもいないのに戦隊ヒーローに夢中になって、石を拾ってくるようになる実の息子に「何でそんなこと教えてもいないのにやるの!?」ってキレる親とかね。

 これが教育虐待に発展する理由で、自分の思い通りに動かない我が子に「殺意」を抱く親が事件を起こすんですよ。




 こういう親にまず教えておきたいのは「子供は親の思い通りに動かなくてはいけない義理も規則も無い」って事なんですよ。

 子供は親が「そんなうまい話なんてあるわけないじゃないか!」っていう詐欺に引っ掛かる権利もあるし、親を失望させる権利もあるんですよ。


 昔から「親の心、子知らず」っていう「ことわざ」があるように、大体の子供は親を裏切ったり親の期待に応えないものなんですよ。それが普通なんです。

 私だって昔から字が汚くて、それを直させるために親から書道教室に通わされてましたけど、そんな親心なんて全く知りませんでした。そういう物ですよ。




 他人はもちろんの事、お前の子供でさえお前のママじゃない。お前の話を最後まで聞いてくれるほど優しくはないし、ヒマでもないんだ。

 子供は親の言う事なんて聞かないし、教えてもいないことを勝手にやって迷惑をかけるもので、それが普通なんですよ。

 自分の血が半分入ってる子供でさえそうなんだから、ましてや同じ会社に所属している以外の接点がない同僚なんて、あなたの都合を考えて行動してくれる、なんて絶対にありえない話ですよ。




 常にオレが主役じゃないと気が済まない、常に周りの人間がオレに気を使ってくれないと気が済まないって?

 そりゃ人生の主人公はあなただ、なんて言うけどみんなそう思っててお前だけが特別ってわけじゃあないからね。




 舞台や芝居でいきなり主役をもらえるような天才なんて、まずいないですよ。

 自分がその「いきなり主役をもらえる天才」だと心の底から「信じられる(……と書いて『うぬぼれる』と読む)」のなら、それでもいいけどさ。


 ただ、その考えを改めないと周りの人間、特にあなたよりも弱い立場にいる人……例えばあなたの子供とか、が不幸になるよ。とは言っておきます。

 脅しでも何でもなくて、そのままの意味で言ってますからね。

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