第30話 孤独を極端に恐れる
「1人ぼっちだなんて想像しただけで寒気がする。だって『1人ぼっち』なんだよ? そんなの終わってるじゃないか。
周りに誰もいない孤独だなんてそれこそ『地獄よりも』終わってるじゃないか。そんなのゴメンだね。想像するだけでも恐ろしいよ」
そうだよね。孤独って「苦しい」どころじゃない!「恐ろしい」んだ!
誰にも看取られずにあの世に逝く孤独死なんてちょっと想像するだけでものすごく怖いし、周りに誰も無い孤独なんて恐ろしすぎて耐えられない。
◇◇◇
・この悪いお手本からあなたが学ぶ事。
集団の中にいると安心するのは「本能がそう思わせているから」です。
いくら人間が巨大な社会を築けるとしても、原始人だった頃の本能の部分が色濃く残ってるんですよね。
ライオンに襲われても安全な車の中に逃げ込んだり、銃で簡単に撃退できるようになった時期よりも、ライオンに遭ったら一方的に喰い殺されてエサになっていた時期の方がはるかに長いのですから。
ですが、その「本能に従っている人」で金持ちになってる人、いますか? 多分いないはずです。
もし本能に従う事が成功の秘訣なのでしたら、世の中お金持ちだらけになっていないとおかしいのに、そうなってませんよね?
それが「本能に従う」事が「貧乏になる」最短条件である事の証明かと思います。
もし本能のおもむくままに動いて大成功している人がいるのでしたら、是非とも紹介させてください。紹介料は出し惜しみしませんよ。
「人間は本能で群れる」事に加えて集団行動をすすめるのは「1人客より集団で来た方がより多くお金を払ってくれて、店側が得する」ためで、商売のためでもあるでしょう。
「被災して人が来ない!」って宿泊施設関係者が悲鳴を上げてるのに宿泊は最低2人以上、っていうのは1人より2人で来てくれた方がその分多くお金を落としてくれるから。っていうのがあるんですよ。
まぁその宿泊施設からしたら「1人で来ても食事や宿泊スペースの維持費を考えたら儲けが出なくて赤字になる」っていう裏事情があるのかもしれませんが。
だから修学旅行や社員旅行で集団で客が来ると旅館側は大喜びなわけでして。
なので人は群れるわけですが、群れるという事それ自体は「自分は弱い」事の証明になってしまいます。
魚の中でも弱いイワシは群れで行動してますし、逆に鳥の中でも最も強いワシやタカ、ハヤブサは単独行動かオスとメスのつがいで行動しているとの事。
強い奴ほど単独、あるいは少数で行動してて「頂点は常に1つ」ってわけです。
人間は肉体的な強さはそれほどでも無いんですが、知恵がある分文明を作ってそれで補ってるんですよ。
だから昔、それこそ原始人時代の考えは現代で通用しないんですが、本能という形で今でも強く残ってます。それから脱出しないといつまでも成功することは出来ないはずです。
なぜなら本能に従って成功している人はほぼいないからで、本能に振り回されて一生を終える人のなんと多い事か。
そもそもの話「自分は本能に振り回されている」事にさえ気づくことが出来ない人のなんと、実に「なんと」多い事か。
幸い……と言えばいいのでしょうか? 人間は「群れる」事も「群れない」事も選べる生き物です。特に日本ではこれだけ社会のインフラが整備されて、1人でも生きていけるんですがそれでも孤独が怖いものだそうです。
成功した人が常に少数なのも「群れない」と決断することが出来ない人がそれだけ多い証明かもしれません。
大衆から離れて孤独になるのを経験するのは人によってはとてもつらくて苦しい事だと思います。何せ「本能に逆らう行為」ですから。
ただ、アール・ナイチンゲールが「大衆は常に間違う」と言ってる通り、まずは群れから孤独になって感情のコントロールを自分の力だけで行う。これは成功への「通過儀礼」かもしれません。
なので「孤独になる」ことは成功するには必須かと思います。別に自ら世俗を断つ!! なんていう仰々しい事をしなくても「成功するための具体的な案を考えて行動する」だけでも自然と周りから浮いて孤立します。
大衆は「成功したい金持ちになりたい」って口では言うものの、実際に行動に移すことは無いのですから。だから宝くじを「夢を買うんだ!」とか言って買うんです。
そうでなくても「何かに秀でる」と必ず「何かしらの集団」からは「自然と」「気が付いたら」孤立するので、安心して孤立してください。
繰り返しになりますが「1人でいるのは寂しい」っていうのは本能に振り回された人間の言う事です。
なぜそんな事を主張するのかと言うと原始時代だった頃の本能にいまだに振り回され続けているから、が主な理由でしょう。
もう少し賢くなったらそう言った方が集団行動してくれてお店にお金をより多く落としてくれる、
あるいはそう言うと大衆ウケが良くなって共感してくれ、より多く商品を買ってくれるから。っていう大人の事情があるんですよ。
だからその主張に流される事なく孤独の時間を作れば、ただそれだけで成功への階段を昇れると思います。
「大衆は孤独を恐れる」もので、なおかつ「大衆は常に間違う」から孤独になるだけで成功へ着実に近づけると思います。
それに、前の話でもしたように友達っていうのは何かに夢中になっていれば「いつの間にか」出来ているものだから安心して孤独になってください。




