2023年9月26日放送 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日 八巻和行の七転び八巻 妄想【愛の劇場】#103 わるあがき
サクソフォン奏者八巻和行さんのラジオ番組
こうのすFM フラワーラジオ
フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日(午後4時~午後6時)
八巻和行の七転び八巻
というラジオ番組の投稿コーナー
妄想【愛の劇場】
毎週パーソナリティ八巻さんから出題される【作品のテーマ】を小説風に書いた作品を投稿するコーナー。
小説の書き方を知らないシロウトが投稿コーナーに参加。
そのコーナーに投稿した作品をこちらに投稿しています。
妄想【愛の劇場】のコーナーで、絶賛!妄想仲間を募集中!!
こんな感じで大丈夫なので、コーナー投稿に興味がある人がいてくれると嬉しいです!
《番組への参加方法》
①フラワーラジオが聴けるように、ListenRadioのアプリをダウンロード
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②パーソナリティ八巻さんのX(旧Twitter)をフォロー
③毎週日曜日の夜に、八巻さんのX(旧Twitter)から【作品のテーマ】が発表
④八巻さんのX(旧Twitter)のダイレクトメールから投稿
※番組放送当日の火曜日午後6時頃までに投稿できれば、コーナーの時間に間に合います。
※何故か八巻さんが初見で読むルールのようなので、漢字には「ふりがな」をふって下さい。
サイト投稿回数 第56回目の今回は………
2023年9月26日放送。
妄想【愛の劇場】#103 わるあがき
「申し訳ないけど、あなたの好意は受け取れないわ」
心から済まなそうに、八巻の瞳を優しく見つめながら、芽はそう答えた。
八巻は恋をしていた。叶わない恋をしていた。
テニス部キャプテンで、生徒会長の芽に恋をしていた。
柔らかい笑顔で誰にでも優しい芽先輩。
さらりとしたロングヘアをキラキラとなびかせて、凛と咲き誇る、白い百合の様な清潔感を常に称えている芽先輩。
多感な少女によくある、同性の先輩への憧れ。
理想とする女性への憧憬か、敬愛を通り越した相手に対する恋慕か。
八巻にも分からない。
しかし、八巻は芽に想いを伝えなくてはならないという衝動にかられた。
芽に想いが届かなくても、八巻は動かなくてはならないと思った。
八巻は噂を耳にした。
隣町の男子校に、芽の彼氏がいるらいし。
芽と同じくテニス部のキャプテンで、スラリとした今どきのイケメンらいし。
八巻は気分が悪かった。
憧れの芽に彼氏がいるらしい事が、気に入らなかった。
八巻は噂を確かめるために、隣町の男子校に行った。
何人もの男子学生が、学校内へ出入りする。
目を凝らし、八巻は芽に似つかわしい男子学生を詮索する。
しかし、噂は噂。いたずらに時間が過ぎていくだけで、八巻には芽の彼氏が誰だか分からなかった。
「八巻さん、ごきげんよう」
帰り道、八巻は芽と町中でばったりと出会った。
柔らかい笑顔で八巻に微笑みかける芽の姿に、八巻はトキメキを止められない。
「芽先輩、ごきげんよう!」
八巻は芽への想いを必死に抑えながら、平静さを装い丁寧にあいさつをした。
「八巻さんはこのご近所なの?偶然ね」
優しく八巻の瞳を見つめながら、芽は声をかけた。
「はい、家はすぐ近くなんです。芽先輩はご近所なのですか?」
八巻は芽の家が近所に在ることを知っているが、敢えて聞いた。
「ええ、そうなのよ。八巻さんとご近所だったのね」
柔らかい笑顔で微笑む芽が、あまりにも美しかったので、ドキリと心が跳ね上がった。
八巻は顔を赤くする。
恥ずかしくなって八巻は俯いた。
「八巻さん……?」
心配そうに声をかける芽の声に、心がはち切れそうになる。
八巻は思い切って、噂を確かめる事にした。
しかし芽の顔を見て噂を聞く勇気はなかったので、八巻は俯いたまま口を開いた。
「芽先輩には、彼氏さんがいると聞いたのですが、本当ですか?」
芽がどんな表情をしているのか知りたかった八巻だったが、顔を上げる事ができなかった。
「いいえ、いないわ。私の恋人はテニスだけよ」
芽の答えに八巻は勢いよく顔を上げた。途端、芽はコロコロと笑い出した。
八巻は、今自身がどんな顔をしているのか。芽が笑っているのは、八巻自身が変な表情をしていたからのか。
状況を理解するための想像もままならない。
「ごめんなさいね、八巻さん。突然顔を上げるんですもの。びっくりしちゃった」
八巻は芽の反応に、少し安心した。
自分が変な表情になっていなかったのだけは分かったからだ。
ああ、なんて可愛らしい人なんだろう。
八巻は芽に対しての想いが、一際大きくなるのを感じた。
八巻は、このまま芽への想いを心に留めておく事ができなかった。
そして、八巻は想いを伝えなくてはならない衝動にかられた。
「芽先輩!私……、私、あなたの事が好きです!」
少し上ずった声に全ての想いをのせて、八巻は芽に告白した。
芽は少し困った様に眉毛を八の字にさせながら、八巻の瞳を見つめる。
「申し訳ないけど、あなたの好意は受け取れないわ」
そして、心から済まなそうに八巻の瞳を見つめ続けた。
あの日、瞳から溢れる涙を拭う事も厭わず八巻は家に走って帰った。
あのあとも、いつもと変わらず八巻に接してくれた芽の姿に、八巻は叶わぬ想いをより募らせていった。
今思えば、恋を知るにはまだ八巻は若すぎたのだ。
今では八巻も本当の恋を知り、愛する大切なモノにも出会えた。
「ママ!リボン変じゃない?」
「大丈夫よ、変じゃないわ」
学校の先輩と映画デートだと、昨日からファッションショーを繰り返す愛しい娘。
素敵な恋をして、素敵な大人になって欲しい。
八巻は鏡の前で、一喜一憂する娘に、自分のあの頃を重ねながら、優しく微笑んでいた。
ありがとうございました。
次回もラジオ番組の投稿コーナー
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妄想【愛の劇場】#104「記念日」




