第13話
美濃の城下町で、若き日の竹中半兵衛こと重治は、主君・一色式部大輔龍興と他の家臣たちと共に過ごしていた。その日も龍興は城内で酒盛りを開催し、家臣たちを集めて楽しんでいた。だが、半兵衛はその場に呼ばれていなかった。
半兵衛(心の中):「また呼ばれていないか…。せっかくの知恵と戦術を活かせるチャンスなのに…。」
ある家臣が半兵衛に近寄ってくる。
家臣:「半兵衛殿、また酒盛りに呼ばれなかったのか?」
半兵衛:「そうだ。どうやら龍興様は私のことをまだ理解してくれていないらしい。」
家臣:「それもそのはずだろう。半兵衛殿の才能を認めないで遊興に明け暮れる龍興様には、わからないことだろう。」
半兵衛:「だが、私は諦めない。いつか龍興様にも私の才能を認めてもらい、斎藤家を立て直すのだ。」
家臣:「なるほど、そんな覚悟があるのか。しかし、龍興様の態度が変わるのは難しいだろう。西美濃三人衆も疎外されているのだから。」
半兵衛は苦笑いを浮かべる。
半兵衛:「それでも、私は諦めずに努力を続けるしかない。いずれ必ず、私の力を認めてもらえる時が来るはずだ。」
そう言いながらも、半兵衛の心には疑心暗鬼が芽生えていた。彼は自分の才能を活かす機会が与えられるかどうか、確信を持てずにいた。
半兵衛(心の中):「私の力を認めてもらえる日が本当に来るのだろうか? どれだけ努力しても、龍興様の目に止まらないのではないか…」
ある日、半兵衛は城内でたまたま龍興と出くわした。
龍興:「おお、半兵衛。また一人で何をしているのだ?」
半兵衛:「龍興様、私はただ斎藤家のために働きたいと願っています。どうか、私の力をお使いください。」
龍興は苦笑いを浮かべる。
龍興:「半兵衛よ、お前の気持ちは分かるが、今は遊びの時間だ。戦が終わってからまた考えよう。」
そう言って、龍興は半兵衛を置いて去っていった。その後ろ姿を見送る半兵衛の心は、ますます不安と焦りで満たされていく。
半兵衛(心の中):「こんなことが続くのならば…私は斎藤家で力を発揮できないかもしれない。どうすれば、龍興様に私の力を認めてもらえるのだろうか…」




