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良く晴れた空が眩しく
活気あふれる街の屋台近くを警備の任のため、エマとジルクモンドは歩いていた
「何食べる?昼?」
「うん」
「豚の包み上げ?それとも麺?」
「うん」
「おい、聞いてるのかよ?」
「うん」
「誰かー来て~!!泥棒~!!!!」
「ちっ、泥棒だってよ!!って早っ!!!!」
泥棒の声を聞いた直後、エマはその方向へと走り出し
うまく路地を走って逃げる若いのその男を追いかけ
物をぶつけて当て、迅速かつ的確に一人で捕まえていた
「ジル、遅い。早く縄」
「はぁ~やれやれ。ぼーっとしていたと思ったらその素早さだもんな」
ジルが縄で縛ろうとしたその瞬間、一瞬の身のこなしで懐に隠し持っていたナイフが投げられ
エマの頬をかすり、赤い線ができた
ジルが力を込めてぐっと縛りあげ、無表情のエマが犯人の顔近くで剣をかざす
「おい、エマ!」
「人を傷つけるのも罪を犯すのも中途半端ならやめろ
ジル、警備隊のところまで連れていくよ」
剣をしまい、ジルに縄を引かせる
「エマ、お前変だそ。顔!血でてるし!!おい!」
犯人を警備隊に届けた後、屋台で昼飯を買い、広場のベンチで食べ始める
「ジル、どうしよう。何をしていても頭から離れないの、テオ様が・・
あんな綺麗な人間存在する?しかも男だって
服はがして素肌みてみたい。小さいころから今までの姿をコレクションしたい」
「やべぇな、まじで頭いかれてるやつだよ」
「なんであんな綺麗なんだろう、あ~なんであの時すぐに帰ってきたんだろう
名前名乗ってくるんだった、何が好きなのかな?なんであんなサラサラな髪してんのかな?」
「いや、本人に聞けよ・・」
「そうか!!本人に聞けばいいんだ!!!!!」
「じゃ、後は任せた」
「え?は?今任務中ですけど?」
ジルが買った豚の包み上げと任務を残したま、エマは走りさっていった
「まじかよ、恋って怖えな・・叔父上そっくりだし・・」
一人残されたジルクモンドは残していったものを食べて背伸びをして任務に戻った
侯爵邸の近くで怪しまれない範囲内でエマはテオバルトを待ち伏せていた
「さすが、侯爵家。警備も広さもうちとは比べものにならないくらいしっかりしてる」
騎士の身軽さを利用して、任務をジルに押し付けてきた後からロッソ侯爵家の回りを調査していた
「テオ様は何で出勤しているんだろ?馬車かな?」
城への距離は遠くない、馬車よりも徒歩のほうが早くつく距離だが、高位貴族というものはなぜか歩きたがらないものだ
テオ様も当然馬車かなと待ち伏せていたのだが、いい時間になってもその場に現れることはなかった
「もうさすがに帰宅時間だよね~?テオ様の部屋なんてわかるはずないし・・さてどうするか」
忍び込む?いやさすがにつかまったりしたらまずいし
落ち着かずきょろきょろとしていると、人影がむこうから歩いてくるのが見えた
あたりは暗くなり、街灯のなく月の光だけが頼りだが、エマは目がよかった
躊躇いもなく、その待っていた人物の前に出た
「あの、先日はありがとうございました!
アマーリア・クロスフォードと申します!!」
腹の底から声が出ているんじゃないかというくらい大きな声で名前を叫ぶ
暗闇で突然出てきた怪しい人物にキラリとした矢が頭すれすれを飛んでいく
エマはそれを気にもせず、テオバルトに話かける
騎士としての礼儀作法、胸に手を当てピンと背筋を伸ばす
「私、あなたのこと知りたいんです」
「・・・・・」
「お友達になって頂けないでしょうか?」
「・・・・・」
渾身の自己紹介を華麗にスルーされ
深く被ったフードからちらりとこぼれるピンクの髪と無反応の紫の瞳にエマらドキッとした
テオバルトはそのまま屋敷の塀の中へと帰っていった