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「お嬢さま?」
明らかに異常な様子のエマを心配してフィンが声をかけるも
エマの反応はなく、少し震えながらじっとお茶を置きに来た人物を見ている
「お・・男・・?あなた誰?」
「初めまして、クロスフォード伯爵令嬢、私はテオバルト・ロッソと申します」
目を合わせることはく、淡々とした口調で名を名乗るテオバルト
それ以上話すこともなく、すぐにお茶の準備をしては部屋をでていった
「お、お嬢さま?一体どうされ・・?」
「帰る、今すぐ帰るわよ」
突然帰ると言い出したエマの後をフィンが書類を持ち
冷静ではないその様子にも関わらず、礼儀作法は完璧で
あった
馬車に乗り、伯爵家へと急ぎ帰る
エマは
どうやってあの部屋を出たのか、すっかり覚えていない
ただ、目の前に現れたあの人 テオバルト・ロッソ
あの姿が頭から目から焼き付いて離れない
男?あの美しい人は誰??
「おとうさま~~~~!!!!!!」
バンと乱暴なくらい激しく部屋の扉をあけ
あいかわらず、母の傍にいる父に詰め寄る
「お父様、あの人!!テオバルト・ロッソ!!!あの人何者なの?????」
「え、エマ?」
首を絞める一歩前のようなところでぶんぶんと頭を揺らす
「やめなさい、エマ。お父様はそれで話せません」
声がでるようになった母がエマの手に自分の手を重ねる
「げほっ・・」 大きく息を吐いて吸う、父
「どうしたんだ、エマ。テオと会ったのか?」
「会った・・なんで?ずっと探してたの・・男だった・・しかもお父様と一緒に働いてた
なんで?どうしてなの?どうしてあんなに美しいの????あんな人存在するの?いや本当にいたの?」
「あなた、エマが壊れたわ、どういうことなの?」
「あ~・・・・」
父、ジョージは片手で頭をくしゃくしゃとする
「テオバルト・ロッソ。侯爵家の次男、顔がいい
頭もいい、それに…私の次の宰相候補だ」
「へぇ~それで?エマがこうなっている理由は?」
「エマが探しているハンカチの君、それがテオだ」
「え?本当に?でもエマが会ったって子は女の子じゃなかった?」
「彼のすぐ上に姉がいてな、その姉が自分のおさがりのドレスをよく着せて一緒に遊んでいたらしい」
「あなた知っていてエマに隠していたの?」
「あ~まあそういう事になるかな・・」
「娘を取られたくない親心?それとも自分で見つけるために?」
クスクスと笑うリリーに何もかもバレているのが分かり
ジョージは手をあげ降参のポーズをとる
「自分で好きな人見つけた喜びは格別だろう?」
「エマはあなたそっくりだものね」
「うわぁ~~~~~!!!!!!!!」
悶えてどうたらいいかわからないぐちゃぐゃな気持ちを
奇声で発する娘の横で
甘々な雰囲気を出す両親だった