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幻の伯爵令嬢は初恋の君に恋をする  作者: 間宮沙紀
出逢い編
20/71

番外編 近衛騎士の制服は?

女性にしては高めの身長にスラリとした均等のとれた体格

小麦色の髪に茶色の瞳

涼しげな目元にコロコロとよく変わる表情が印象的なその彼女は

誰に対しても距離を置かないその社交性の高さから

自然と彼女の周りに人が集まっている

男女問わず人気者、けど特別は作らない

それが俺の知っている学生時代のエマだった


そのエマが何故、俺の妻を壁ドンで口説いているのか?

エマは壁に左手をつき、右手で金髪ボブの小さくて可愛い

お針子の顎くいをしている


「お願い、君しか頼れないんだハッティ・・力を貸して欲しい」


態度は俺様ゴーイングマイウェイなのに、頼む時の声は少しかすれて切なさを帯びている

一体どこでそんな技を習得しているのか・・できない、俺にはそれは出来ないぞ

妻のハッティは顔を赤くして喜んでいるではないか


「はい、エマ様ー!喜んで!!」

「ありがとう!!」

「きゃーーーー!!!!!」


エマは包みこむようにハッテイをぎゅっと抱きしめる

すると、それを見ていた数人の女の子たちが黄色い声を上げる

エマはその数人の女の子、全員と熱いハグをしていく


「おいおいおい、何してんだ?」

「あ、ランランいたの?ランランもハグする?」

「いらん!!ランランって呼ぶな!何してんだよ、エマ」

「近衛騎士の制服貸して欲しいって頼みに来たの」


エマは、ニコニコとしながら

今もらったばかりの制服が入っている包みを掲げてみせる


「近衛騎士??借りて何するんだ?そもそも貸出禁止だろう・・」

「ひ、み、つ」


ふふふっとエマは楽しそうに笑う


「エマ様だから、特別に貸しますけど内緒ですからね、内緒の代わりに今その制服着てみて下さいよ!」


ハッテイがエマに近衛の制服を着るように促すと、他のお針子たちも大きくうなづいている

そうして着替えてきたエマはとてもカッコよかった。それに、女たちがあーだこうだと

化粧まで施すのだから、完璧に悪乗りだ・・

その仕上がりを見て、男でもかっこいいと思ってしまう

みんなが満足した後エマは着替えにいったが、その手には大きな花束を抱えていた


「ランディー、ハッティ、結婚おめでとう〜!!!」


その花束を驚きと恥ずかしそうさの混じったような顔でハッティは受け取ると

目を合わせてくる。それが可愛くて俺も自然と笑顔となる

お礼を言うハッテイ。その後2人見つめあうのをニコニコと大変嬉しそうに見るエマ


「いいなぁ、ランラン幸せそう〜お幸せに!」

「お前もいい人見つけろよ!結婚はいいぞ」


エマは、一瞬ひきつるように顔を強張らせた後

うんと顔を赤くして視線をそらしてうなづいた


「これを渡したくて今日来たんだ、お願いまで聞いてくれてありがとう」


制服を借りてエマは帰っていった


「ねぇ、エマ様、恋でもしてるのかな?すごく可愛かったね、あの顔」

「そうみたいだな・・」



エマはいつも自分よりも他を喜ばせようとする

今日だって花束を持ってわざわざ祝いにきた

自分の用事は二の次だというように嫌味のないスマートさで

気さくで、面白くて優しい

そんなエマを学生時代、好きだったこともある

今は最高の妻がいる、その恋心は遥か昔のこと

恋ではないけど、大事な友人の一人として思う


特別を見つけた君に幸あらんことを・・・・・


















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