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ランスター伯爵家
由緒正しき大貴族、同じ伯爵家でもクロスフォード家とは全く違う雰囲気
黒と青の鷲の紋章、石造りの立派な外壁が元軍人であることを物語る物々しさがある
エマはランスター伯爵家のメイド服を着て
屋敷内部に潜入していた、お目当てはシャーロット
新入り下働きのメイドがお嬢様に会えるなんてことは
ほぼない
怪しまれない範囲で動くのは大変なことだった
偶然にもお目当てのシャーロットが兄らしき人と話している現場をみつけた
シャーロットと同じ黒い髪、背が高くがっちりとした体格で容姿もシャーロットに似て整っている
あれが兄弟の会話?なにを話しているかまでは聞こえないけど決して仲がよいようには見えない
兄が部屋をでて、廊下へと出てきた
エマは頭を深く下げ、道を開ける
これ以上にシャーロットの近くにいることはなかったが
メイドたちの噂を聞いていた
婚約者がいるが、恋人はコロコロ変わる
男だけではなく女も好きらしい
お嬢様つき執事は金髪に青い目の男でカッコいい
エマは部屋の一室の掃除を任され
窓を拭くそして、机を拭こうかとしたところ、後ろからぞくりとした気配を感じる
さっと振り向くとそこにはシャーロットがいた
「みぃつけたー可愛いネズミちゃん?
あなた、朝から私の周りをコソコソ何してるの?」
じりじりと追い詰められ、雑巾を持つ手は捕らえられ
机の下に隠れようとするも膝の間にシャーロットの膝が入る、体をすり寄せるようにして追い詰められる
豊満な胸がエマの身体に当たる。エマからはその胸の谷間が丸見えだった
左手はエマの顎に触れる。シャーロットに視線をとらえられた、目がばっちりと合い
そうしていいかわからないパニックになったエマは目をそらすことも出来ない
「あら、あなた…またお会いしましたね、素敵な騎士さま」
あっ、これはヤバいやつでは???バレてるやつー!!!
自分に非しかないこの状況を力づくで突破できるはずもなく
エマはどうしようと焦っていた




