屋敷とおばけ
訪ねてきた。
訪問販売の人らしき人。
企画会社の人だった。
相談された。
悩んだが決めた。
どうやら、この屋敷で、やるらしい。
「ママ、お腹すいた」
「お父さん、まだ早いわよ」
「まだだな。分かった」
≪ピンポーン≫
「お客さん来たわよ」
「はい」
「私、もう昼食作っちゃうわね」
「やったー」
「足音が聞こえてきたわよ」
「行くよ。せーの、ワーッ」
『キャー!!!』
「驚いてくれたわね。それで、昼食は焼きそばでいい?」
「いいよ」
「アンタ達は?」
「ぼくもいいよ」
「わたしもいいよ」
「決まりね」
「もう一人、来たわよ」
「うん」
「アンタ達、パパパッと脅かしちゃいなさい」
「うん」
「オッケー」
「せーの、ワーッ」
『ギャー!!出たー!!』
「やきそばの具は、冷凍のミックス野菜だけだけど、いいよね」
「うん」
「もうすぐ出来るわよ」
「うん」
「あっ、また、来たわよ」
「うん」
「アンタ達、行って」
「オッケー」
「せーの、ワーッ」
『ちょちょちょ、オレだよオレだよ』
「なんだ、お父さんか」
「こんな、おばけコスプレしてるの、パパしかいないだろ」
「そうだね」
「毎日、普通にこの格好していたら、声かけられて仕事になっちゃうんだもんな。スゴいよな」
「うん。家で流れ作業で出来るって、いいわよね」
楽だ。
そして、楽しい
そして、幸せ。