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2021年12月1日、本邦初公開。小説『親たちの麦川アパート物語』
12月1日から12月17日まで毎日連載していきます。乞うご期待!!!!!
前回の小説『麦川アパート物語』はハッピーエンドで終わった。作者としても書き終わって爽快な気分に包まれていた。登場人物の村長をやめてアパートに戻った萌やNYでプロレスのメインイベンターになった幸子のその後が心配であるが、彼女たちだったらうまくやっていけるはずである。そう思っていたら、この小説の中に登場した舞の父親だと名乗る男がメールを寄越してきた。ぼくはそんな変や奴とは付き合いたくなかったが、意志薄弱なためにメールやチャットでやりとりすることになってしまった。それにしても、舞のことは覚えていなかったから、もう一度『麦川アパート物語』を読み直して、確かめなければならなかった。さらに、登場人物の優花、葵、明日香、亜美の親だという者まで現れた。彼女たちは小説の中ではみんな端役であって、ぼくは彼女たちを忘れてしまっている。この親たちはどうしてぼくの前に登場したんだろう。連中は詐欺師なのか? ぼくには金も土地もない。財産と呼べるものは何もない。でも、親たちは『麦川アパート物語』の愛読者なので無碍に扱うわけにはいかない。ずるずると付き合うことになった。親たちの目的はいったい何だろう・・・。