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DIVINE×HEART ― デウスの心臓は偶像の夢をみるか  作者: ponta-kun
第一部 できあがるは偶像
15/40

エピローグ

 ウィルギリスとの戦いから、二ヶ月ほど経った。


 俺はいま新たに建設された複合商業施設となったビルの最上階にある、アーキエンジュの新たなホームとなった会場でライブの真っ最中だ。


 この二ヶ月は、新たにテレビで報道された天使の映像が世間で話題となり、未だにメディアを賑わかせている。

 だが俺には、そんな世間の喧噪を気にする余裕は全くなく、かなりのダメージを負っていたみのりの身体のフルメンテに、このビルの建設と、忙しく過ごしていた。

 しかもメンテの時にわかったが、また脳組織が成長していて、本来の自分との領域の差が広がっていた。おかげで検証時間が長引くことになり、元の身体に戻る機会は更に遅れそうだ。

 

 そんな中でも、アーキエンジュの二人は変わらず元気いっぱいだ。

 なんだかんだで、一年以上の付き合いになる二人は、一緒にいることが当たり前の様になってきて、このライブ活動も生活の一部になってきていると思うようになってきた。まあ、あくまで本来の目的は別のなので、腰掛けには変わりないんだが。

 

 姉も相変わらずだ。ゴーイングマイウェイを実践し続けている。

 このビルのテナントもどうやって集めてきたのかしらないが、既に満杯らしい。まあ立地はいいからな。

 とはいえ、かなりのテナント料を提示してたらしいから、ヤクザまがいのことをしてないか心配だ。あの姉ならやりかねん。

 

 そういえば、オッサンとミリアさんからも連絡があった。

 あの台風の件についてもそうだが、改めてオッサン達の指導者とやらを連れて行くから会って欲しいという話だ。

 正直言って御免被りたいが、今回の様な事を事前に防ぐためにも話しをしたいって事なので、渋々承諾した。近いうちにお偉いさんに会うことになるだろう。

 

 そして、今の俺の最大の懸念というか問題は別にある。そう目の前にある。

 ライブ会場の真ん中で、キレッキレのオタ芸を披露している金髪のイケメンだ。

 

「「「「「L・O・V・E! ラブリー、ミノリ!」」」」」


 俺には理解できない、様々な合いの手を入れてくる集団を仕切っている、やたらと見覚えのあるイケメンは、ウィルギリスだ。

 あいつ、頭が冷えすぎておかしくなったんだろうか? と最初は思ったが、どうやら本気でファンクラブに入ったらしく、アーキエンジュの追っかけガチ勢の中心人物になったらしい。

 しかし、どうやってアーキエンジュのことを知ったんだか。俺は名乗らなかったのに……。

 

 それにしても、人をおちょくる事が生きがいみたいなヤツが、俺の顔写真がプリントされたTシャツを着て、同様のうちわを両手に持って踊る姿は、果たしてあの戦いが夢だったのか、今が夢でも見てるのか、考えてしまいそうになる。

 西方教会のお偉いさんだったはずなのに、こんなことしてていいのかと突っ込みたくなるが、突っ込んだら藪蛇になりそうだから放置一択だ。

 

 まあ、そんな一部がカオスなライブ会場は、久しぶりの新曲の発表もあって大盛況だ。

 キャパの増えた会場にもかかわらず、ぎゅうぎゅう詰めになった客席に、姉がやたらと興奮していた。

 

 それにしても、これだけの視線にさらされているのに、未だに不埒な視線を感じ取れない俺は、まさに壁にぶつかっていると言っていいだろう。

 果たして、俺の抱えた難問に答えはあるのだろうか?

 

 ここ一年で慣れ親しんだ、いつも通りの時間が流れていくことに少しの幸せを感じながら、両隣の二人と一緒に今日もアイドルをするのであった。

 


  第一部 できあがるは偶像 完

これで、第一部は終了となります。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。


第二部も一週間程度開けて、投稿を始めたいと思っていますので、よろしければ引き続き読んでいただけると嬉しいです。

また、感想やご指摘などもいただけると励みになります。

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