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【WEB版】ナナイロ雷術師の英雄譚―すべてを失った俺、雷魔術を極めて最強へと至るー【コミカライズ】  作者: 日之影ソラ
第二部

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44.大自然を駆け抜けろ

 俺たちが到着してから三十分後。 

 全クラスが揃い、グレモーラの前に集合した。

 特待クラスの先生が今回の研修を取り仕切っているらしく、全員の前で説明を始める。


「ここでの注意事項はすでに把握していると思う。よって今から訓練を開始する」


 さっそくか。

 自然を活かした訓練と聞いているが、一体何からするのだろう。

 隣でシトネがワクワクして尻尾を振っている。


「まず最初に身体を慣らす! 全員で今から伝えるルートを通り、この領地を一周してきてもらうぞ!」

「領地を一周って、どのくらいあるんだ?」

「さすがに僕でもわからないな。ただ単純な広さだけなら、王都と同じくらいだったはずだ」


 王都を一周ぐるりと歩いた場合、大体三時間くらいかかる距離だ。

 それと同じで、尚且つこの大自然となれば、もっと時間がかかるだろう。

 身体慣らしという意味では、確かに悪くない。


「コースは特に険しいルートを選択しておいた。強化魔術の使用は許可するが、それ以外は禁止とする。もし破れば最初からやり直しになるから注意してくれ。それと各クラスごとに目標タイムを設けてある! 特待クラスは一時間以内、そのほかのクラスは二時間以内だ!」


 達成できなかった生徒は、グレモーラの掃除を早朝からしてもらうというペナルティーも付け加えて説明された。

 朝から起きて広い建物を掃除……みんな嫌そうな顔をているな。

 俺は屋敷の掃除を一人でやっているし、綺麗にするのは嫌いじゃないけど。


「一時間か」

「私たちだけ倍の速さでゴールしろってことだね」

「それくらい余裕で出来るだろうってことじゃないか?」

「だろうな」

「なぁグレン、せっかくだし競争しないか?」

「もちろんいいとも! 君との勝負は望むところだ」


 炎魔術を使っていないのに燃えたように熱くなるグレン。

 勝負事が好きなのか、ただの負けず嫌いなのか。

 どっちにしろ、グレンがいてくれると張り合いがあって良い。

 

 先生からコースを教えられる。

 まず、森の中心部にある湖まで直進し、湖の中央を渡る。

 そのまま真っすぐ行くと、かつてドラゴンの巣があったという渓谷に入る。

 渓谷を下って、反対側へ渡ったら、今度は岩山を駆け登っていく。

 後は山を下りて森を大回りすればゴール。

 徒歩で移動すれば、半日はかかる距離らしい。


「は、半日? それって一時間はギリギリなんじゃないかな?」

「大丈夫だろ。妨害があるわけでもないらしいし」

「リンテンス君は良いと思うけどさぁ~」

「シトネも大丈夫だよ」

「本当?」

「ああ。俺が保証する」


 シトネは元々身体能力が高い。

 先祖返りだからというのもあるが、鍛錬を積んできた成果のほうが大きいだろう。

 強化魔術も洗練されているし、このくらいの課題なら余裕だと思う。

 俺がそう言うと、シトネは「そっか~」と言いながらニコッと微笑む。


「リンテンス君が言うなら間違いないね!」

「ああ。もっと自信もって良いと思うぞ」

「うん! じゃあリンテンス君を追い越せるように頑張るよ!」

「おぉ、シトネさんもやる気だね? 一緒に彼に一泡吹かせてやろうじゃないか」

「そうだね! 頑張るぞ~」

「僕も負けないさ」


 なぜか勝手に二人で盛り上がり出した。

 仲良さげに話す様子を見ていると、何だかもやっとする。

 このモヤモヤの意味はわからないけど、とりあえず本気で引き離そうと決めた。


 準備を進め、スタート地点につく。

 俺は脚に意識を集中して、駆け抜けるルートを目で確認する。

 緑の葉っぱで光が遮られ、昼間だというのに森は薄暗い。

 整備された道とは違うから、迷ったり変な盛り上がりに躓くこともあるだろう。

 足底の感覚と、視覚情報を瞬時に処理して、正しい体の使い方が出来ないと駄目だ。

 こういう環境での訓練に慣れていないと、思わぬ失敗をするかもしれないな。


「全員準備は出来たな? では――はじめ!」

 

 まぁ、俺は普段からやっていることだから問題ないが。


「なっ――」

「速っ!」


 グレンとシトネが二人して驚く。

 いや、彼らだけではなくて、周囲にいた全員……先生も驚いていた。

 俺はただ、力いっぱい地面を蹴って走り抜けただけだ。

 ちょっと目で追えないスピード達しただけなのに、後ろを向けば誰もいない。


「あれ? 速すぎたかな」


 とか言いながら、さっきのモヤモヤの解消にはなってスッキリ。

 一人の独走状態の俺は、森の中を最短ルートで駆け抜ける。

 枝やツルを上手くつかい、一番近くて速い道順を、次へ次へと探っていく。

 早々に森を抜け、湖へと到着した。

 思っていたより大きな湖で、向こう岸まで千メートルくらいある。

 泳いだらさぞ大変だろう。

 そう言う場合は、水面を走れば問題ない。


「冷たっ!」

 

 水面を駆けるコツは、次の脚をとにかく出すこと。

 出し続ければ沈まない。

 単純な理由だ。

 強化魔術で魔力の流れを加速させれば、身体能力も極限まで高められる。

 そういえば、昔よく師匠と競争させられたな。

 大人げなく本気でやるから、俺は一度も勝てなかったけど。


「懐かしいな」


 とつぶやきながら、俺は当然のように水面を駆け抜ける。

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