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【WEB版】ナナイロ雷術師の英雄譚―すべてを失った俺、雷魔術を極めて最強へと至るー【コミカライズ】  作者: 日之影ソラ
第一部

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24.裁きの時間

プチざまぁです。

ざまぁレベル1のほうが正しいかな?

 ずっと感じていた。

 昨日、シトネと王都の街を回っていた時からだ。

 多くの視線の中にポツリポツリと、気味が悪い視線が混ざっていた。

 悪意や敵とも異なる。

 無機質で、不透明な感情の視線……その中に潜む僅かな殺気を、俺は感じ取っていた。


「もちろん確信はなかったけどな。当たったみたいで良かったよ」

「……どうやって見抜いた?」

「気づいたのは俺だけど、見つけたのは俺じゃない。俺の師匠は目が良くてね? 盗み見しているのが、自分たちだけだと思ったら大間違いだぞ」


 俺とシトネの様子を、師匠は千里眼で見ていた。

 理由はまったく別のことだったけど、偶然にもそのお陰で、怪しいこいつらを発見出来たわけだ。

 そう言う意味では、師匠の盗み見も悪く言えないな。


 やれやれ。


「あーちなみに、今の話をしているなら答えはこれだ」


 バチバチ。

 俺は纏っている電撃を見せて言う。


「生体電気。音や気配を消していても、身体の中を流れる電気は誤魔化せない。俺はそういう微弱な電気の流れがわかるんだよ」

「なるほど……参考になった」


 暗殺者は武器を構える。


「参考ねぇ~ 残念ながらそれを生かす機会は、金輪際訪れない」


 俺も拳を握り、戦闘態勢をとる。

 敵は暗殺者三人。

 三人とも結構な手練れだ。

 気配の誤魔化し方、身のこなしや雰囲気。

 もしも襲われたのが俺じゃなければ、殺されていただろうな。


 トン――と音はしない。

 三人は音を置き去りにする速度で動き、刃を俺の喉元へ振るう。

 が、これはかすりもしない。

 彼らの視界から俺は消え、続けて二人が倒れる。


「ぐほっ!」

「うっ!」

「――また躱しただと!?」

「当たり前だろ? 俺のほうが速いんだからな」


 色源雷術――蒼雷(そうらい)

 俺が纏っている蒼い雷は、俺が新たに編み出した魔術の一つ。

 いわば強化魔術の一種で、蒼雷を発動している間、身体能力が爆発的に高まる。

 肉体強度はもちろん、五感も研ぎ澄まされ、あらゆる状況への対応力が向上する。

 従来の強化魔術と併用すれば、拳でドラゴンと殴り合えるほどだ。


 後ずさる暗殺者。

 俺は再び構えを取り、纏った雷を光速で巡らせる。

 そして、蒼雷発動中の速度はまさに――


「くっ……」

「逃がさない」


 雷のごとし!


「っ……おぁ」

「恨むなら、お前たちを雇ったあいつを恨んでくれ」


 俺の拳が暗殺者の鳩尾を抉り、血反吐を吐いて倒れ込む。

 静かに、あっけなく戦いは終わった。


「ふぅ、これで一安心……ってわけにもいかないか」


 暗殺は失敗しても、雇い主をどうにかしないとな。

 一応目星はついているとはいえ、相手は貴族だ。

 下手に動くと、逆にこっちが不利になるかもしれない。

 ここは慎重に、慎重にどうしようか。

 確実な証拠は最低限必要だとして、あとは俺の発言を聞いてくれるかどうか。


「こいつらから情報を読み取る魔術が使えたらな~」

「なればその役、ワシが請け負おうか」

「えっ……あなたは――」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 とある貴族の屋敷。

 夜遅いというのに一室だけ明かりがついている。

 といっても小さな明かりだ。

 机一つを照らせる程度の弱々しい明かり。

 その中に一人、ニヤニヤと笑う男がいた。


 トントントン――


「ん? こんな時間に誰だ?」


 彼は徐に立ち上がり、扉の前へと歩み寄る。

 道中に大きいほうの明かりをつけて、扉を開ける。


「父上?」


 扉の前では、彼の父親が立っていた。

 険しい表情で彼を見つめている。

 そして、彼は父親の後ろにもう一人の姿を見る。

 その瞬間、彼は動揺し三歩下がった。


「こんばんは」

「な、なぜお前がここにいる!」

「なぜ……か。いろんな意味を含んでいそうな問いだな。一先ず今は、さっきはお世話になりました、とだけ答えておこう」

「……何の話だ?」

「わかっている癖に」

「何の話かさっぱりわからないな。それよりこんな夜遅くに貴族の屋敷を尋ねてくるなんて、無礼じゃないか?」

 

 彼はしらを切ろうとする。

 知らぬ存ぜずを通せば誤魔化せると思っているのだろう。


「ルフス」


 父親が彼の名を呼んだ。

 ピリッとした空気が立ち込める中、父親は彼に言う。


「お前が彼に……暗殺者を仕向けたのだな?」

「なっ、何を言っているのですか父上。この僕がそんなことをするはずないじゃないですか! まさか、そこの男の意見に耳を傾けたとでも? 証拠も何もないというのに」

「……」


 父親は黙り込む。

 悲しそうに目を瞑り、後ろへと振り向く。


「証拠ならあるさ。暗殺者の記憶から、依頼のやり取りまでのぞかせてもらったよ」

「は? ありえないな。君は雷魔術しか使えないだろう?」

「ああ、だから俺じゃない」


 俺の後ろから一人、

 白く長い髭を生やした老人がやってくる。

 彼はその老人を見た途端、顔色を変え、目を丸くする。


「記憶を読み取ったのはワシじゃよ」

「な……ナベリウス学校長!? なぜ貴方がここに!」

「なに、彼とは縁があってのう。それよりルフス君、ワシはとても残念じゃよ。君の合格は取り消させてもらおう」

「っ……待ってください!」

「ならん」


 学校長はハッキリと、力強い言葉で言う。


「君は人を殺めようとした。それも他人の手を借り、自らは手を汚さない方法でじゃ。これより君は罪人として処罰される」

「そ、そんな……」

「悔い改めよ。自らの行いを見つめ、反省し、これからの償いに活かしなさい」


 学校長のありがたい言葉は、たぶん彼には届いていない。

 あるのは純粋な絶望だけだ。

 でも、全然不憫には思わない。

 強いて一つ謝ることがあるとすれば……


 ごめんな。

 お前の名前……今初めて知ったよ。

ブクマ、評価はモチベーション維持につながります。

少しでも【面白い】、【続きが読みたい】と思ったら、現時点でも良いので評価を頂けると嬉しいです。


☆☆☆☆☆⇒★★★★★


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