~生徒、猛進中~
「お先失礼しますー」
柏本颯馬はバイトを終えて帰路につく所だった
高校生になり青春を謳歌するはずっだったがそんな上手くいかないのが現実で今日もコンビニのバイトで出た廃棄弁当を貰い袋を軽く揺らしながら歩いていた
帰り道はその日の気分によって変えているがその日は少し遠回りをして近所の河川敷の近くを歩いていた
人通りも少なく星が街中と比べるとよく見えるので気に入っている
「何か面白い事はないかなぁ、彼女の1人でも居ればまだマシだったが」
一人ボソボソと独白しながら歩いている
10数年生きてきたが女子と関わることは合っても付き合う事はなかったし触れるなんて事もなかった
せいぜい小学校低学年に行った時の遠足で手を繋いだ位だろう
颯馬は正真正銘の童貞でありそれ以前に女子への免疫も全くない
深いため息をついて茂みの方に目を配ると何やら本のような物が落ちている
「まさか、エロ本か!暗くてよく見えないけど」
周囲に誰も居ないことを確認してから茂みから本を取り出すとそれは古びた辞書のような本だった
しかしページはないしおかしな本だった
「なんだこれ?エロ本では、、、ないな。うん。」
少し落胆し茂みに放り投げようかと思ったがその本の後ろには溝のような所があった
気になって指を入れてみると指が1本入るくらいの大きさで指を動かすと何やらカチカチと音がなる
「どうせ暇だし少しいじってみるか」
カチカチ、カチカチ
と指で溝をいじりながら歩き始めた
颯馬は取り柄は特にはないが手先は器用な方だと自負しているのでこの手の細かい作業は割と好きだったりした
暫くいじっていると
ガチャッ
と音がなり何やらどこかに何かがハマったらしい
その音と同時くらいのタイミングで後から
声をかけられた
_____________おめでとうございます。合格です
可愛らしい女の子の声でそのように言われ誰も居なかったっであろう後ろを振り返ると
そこには、ゴスロリのような黒いふわふわの服を纏った
銀髪碧眼の少女が傘をさして立っていた
「今日は、いいん天気ですね」
颯馬はこの時この先待っている地獄のような日々をまだ知らなかった