憎しみと終わり
「大丈夫、…なんだっていい。君は君が望む生き方をしろ。先生はそれを全力でサポートする。それが先生の仕事だから。もちろん叱るかもしれんぞ?悪いことをしたらな。ハハッ。ただ…知ってて欲しい。」
これからも君は一人じゃない。
そう言ってくれたのは初めて愛を、勉強を、全てを教えてくれた人。
そんな自分の全てと言っても過言じゃないその人の体には無数の傷跡、そして無数の刀が刺さってあった。
ただ一人の恩人を、ただ一人の先生を、ただ一人の親をなぜ、何故僕は殺している。
僕はただ、ぼくは、ただ、ぼ、くはただ…
ぼくはただ褒めてほしいかっただけなのに…。
どうしてみんな死んでるの?
ひどく泣き叫んでる少年の周りには5つの死体、いや今はまだ温かい恩師のぬくもりも消えつつある。
いつかみんなで掃除した床も今では血の池になっている。その周りにはまるでその少年を逃がさんとばかりに火の海が広がっている。
少年は自分の愚かさに怒りを通り越して笑っていた。
先生の言うことを聞いて居ればこんなことにはならなかった。
「あは、あはは、アハハハハハハハハハハハハ!!」
狂った笑い声が教室に響く。
こうして、西村学校は焼け落ちた。