( 8話 )師範への思い
僕はそれからハンゲツ師範代のところでみっちりと鍛えられた。3ヶ月間くらいは体力をつけたり、筋トレをやったりと自分の体を痛めつけた。頃合いになってくると、ハンゲツ師範代は僕にある魂獣の人魂を持ってくる。
ーーハンゲツ師範代「これは人口魂獣じゃ。これじゃったら意志を持っていないじゃろうからお前から離れることはないじゃろう。」
ーーソラ「どうしても、人口魂獣じゃないとダメですか?」
人口魂獣……それは字の如く、人間の手によって作られた魂獣である。人口魂獣は意志はなく自分の思い通りに扱えるが、自然的な魂獣よりも能力や力は圧倒的に劣る。
ーーハンゲツ師範代「自然の魂獣の契約ができんのじゃから我慢せいや。」
僕は諦めてその人口魂獣と契約することにした。
ーーソラ「これってなんの能力なんですか?」
ーーハンゲツ師範代「ほ〜?はて?う〜ん、あ!……確か自身強化やったかのう。」
ハンゲツ師範代は手のひらにポンッと片方の手の握りこぶしを置く。
ーーソラ「え?!自身強化って確か、初期製造の人口魂獣じゃないですか〜!!!」
ーーハンゲツ師範代「確かに初期製造はどれよりも劣る、じゃが……圧倒的な成長を遂げることができるのじゃ。毎日そいつと向き合うがよい。残りの日数をそいつと。……そうすればソラ、おぬしは騎士聖堂学園で生き抜いていくことができるじゃろうな。基礎は元からできておる。それは儂が保証する。こいつの能力だけを磨いてゆけ。」
ハンゲツ師範代はニッコリ笑って僕にそう語りかけてくれた。
それから、僕は残りの9ヶ月をこいつと向き合い修行をする。時間の流れは早く、ハンゲツ師範代の修行期間が終わる。僕はハンゲツ師範代に道場の門前でお別れの挨拶をする。僕は深くお辞儀をし
ーーソラ「1年間本当にありがとうございました!!!ハンゲツ師範代の元、修業させてもらったこと心より感謝します!」
僕は涙が頬に垂れる。
ーーハンゲツ師範代「男が泣くな。ハンゲツ流派は泣くことを許してないじゃろ。……行ってこい。男の旅立ちじゃ!!!」
ーーソラ「はい!!!」
そして、僕はハンゲツ師範代の道場を後にした。
僕は家に戻るとヒナタが泣きながら僕のところに抱きついてきた。学校でもショウだけが僕を歓迎してくれた。 僕はこの時本当に帰ってきたんだと改めて実感したのであった。
問題の 剣技テストは一年に二回しかない。第一回目の剣技テストは出場を棄権した。まだ最終段階まで僕の人口魂獣が完成してなかったからであった。第二回目までに完成させて、優勝をしなければ退学になるとキヨコ先生に忠告された。僕はそんな窮地の状態に立たされてもなお、自分の力が試せるその日までワクワクしてた。そして、、僕は最終段階まで人口魂獣を進化させることに成功した。そして今に至る。
ーー?「ォ………ァ………オ……ア…ソラ!ソラ!!!」
僕は観客席で寝ていたところをショウに起こされた。
ーーショウ「おいおい!次ヒナちゃんの出番だぜ!寝てるんじゃねぇーよ!」
ーーソラ「ごめん、考えごとしてたらつい。」
ーーショウ「おいおい、お兄さん気をつけろよ、自分の戦うところ見てなかったらヒナちゃん怒るぞ!」
ーーソラ「それはごもっともです。」
すると、青コーナーからヒナタが姿をあらわす。赤コーナーからは1年実技ランキング28位の男子生徒が入場してくる。
審判「これよりヒナタ選手とマコト選手のバトルを始めます!2人とも魂獣に誓ってバトルはじめっ!!!」
ヒナタのテストが始まった。