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バスター  作者: Hinata
剣技テスト編
8/14

( 7話 )夢


どんよりと曇った空が一面に広がる。風は北風に吹き、一羽の鷲が鳴きながら飛んでいる。あぁ、なんで空は広いのに、地はこんなにも狭く、醜く、そして残酷なのだろうか。1人の女戦士が顔に返り血を浴びた状態で膝をついている。だが、その女戦士の周りには血だらけの無数の死体が転がっている。彼女は泣く。涙がこぼれ落ちる。すると、女戦士は腰につけていた剣を腹に刺す。自殺をした。彼女は泣きながら苦しみもがく。吐血しながら彼女は最後に一言呟く。


ーー女戦士「……ご………め……ん…ね……ソ…………ラ」


最後の力を振り絞ったあと、その女戦士が動くことはなかった。前からこちら側に暴風が吹く。その瞬間、僕は勢いよく体を起こす。僕はハァハァと荒い息遣いをする。時計を確認すると7:02を示している。


ーーソラ「また夢か。……………あれ?どんな夢だっけ?………」


さっきまで見てた夢の内容が僕の頭の中からポッカリなくなってしまっていた。毎日同じ夢を見ている気がするのだがすぐに忘れてします。よく見ると僕は床で寝ていた。昨日、泣きくじゃれてその場で寝てしまったらしい。僕は自分の部屋を出て、リビングに向かう。すると、ヒナタが朝食の支度をしている。


ーーソラ「おはよう。」


すると、ヒナタは怒っている様子。


ーーヒナタ「にいぃ昨日、夜ご飯も食べないし、お風呂にも入らないし、起こそうとしても起きないし。」


ーーソラ「昨日はごめん。疲れて寝ちゃったんだ。」


ーーヒナタ「昨日、ヒナタ1人でご飯食べてて悲しかったんだからね。……まぁいいか、過ぎたことだし。さぁ朝ごはんだよ。残したら許しまへんで。」


ーーソラ「どっかで聞いたセリフだな。」


ヒナタは笑いながら


ーーヒナタ「気のせいだよ〜〜。」


僕は朝食を食べ終わった後に学校の行く支度をし、家を出る。


ーーヒナタ「いってらっしゃい。にいぃ!!!」


ーーソラ「いってくるよ。」


そういった後、何故かヒナタの顔を見たら不思議と頑張れる気がした。


学校に着き、教室に入るとクラスメイトが僕の方を見てひそひそ話しをしている。不思議に思いながら席に座ると、前の席のショウが


ーーショウ「おはよう!有名人!」


ーーソラ「おは、え?!有名人?!どういうこと?!」


ーーショウ「魂獣に選ばれなかったっていうので校内中の噂になってるぞ。」


ーーソラ「マジかよ。あ!そういえばショウの魂獣ってどんなやつだったの?」


ーーショウ「おれのめっちゃかっこいいんだぜ!確か、名前は麒麟!雷を使うんだぜ!欲しいって言ってもあげないからな。」


ーーソラ「そんなこと言わないよ。」


そんなたわいもない話をしているとナオト先生が教室に入ってくる。みんな自分の席に座り始める。


ーーナオト先生「お前ら全員いるな〜。今日のカリキュラムは昨日契約した魂獣を実際に使ってみる。あと、ソラお前は後でおれのところに来い。以上。」


学活が終わり、周りがどよめく。


ーーショウ「ナオト先生からの呼び出しだって来いよ!」


ショウは僕に頑張れと元気づけさせてくれた。


ーーソラ「うん。」


僕はナオト先生のところに行くとまた、職員室に行くことになった。職員室に着くと、前と同じソファーに座らせられた。すると、キヨコ先生と前にはいなかった見た目60代くらいの道着来たおじさんが僕の前のソファーに腰掛けた。


ーーキヨコ先生「ソラくん。おはよう。昨日はどうもね。」


ーーソラ「はい。あの〜そちらの方は?」


ーーキヨコ先生「あー紹介するわね魂獣武術師範代のハンゲツ師範代です。」


僕は驚いた。ハンゲツ師範代といえば魂獣使いで人間国宝級と言われていた男であった。都市伝説かと思っていた。


ーーハンゲツ師範代「君がソラくんか。」


ハンゲツ師範代は僕のことをじっと見る。僕は緊張した。すると大きな声で


ーーハンゲツ師範代「気に入った!おぬし、わしのところに来い!」


ーーソラ「え?!」


ーーハンゲツ師範代「だから、儂のところで1年間修行を積みなさいって言ってるんじゃ。」


ーーソラ「えぇ〜〜〜〜〜!!!」


ーーキヨコ先生「決まりね。1年間きっちり修行してきなさい。」


ーーソラ「学校はどうするんですか?!留年は嫌ですよ!」


ーーキヨコ先生「大丈夫大丈夫!ハンゲツ師範代のところで修行してれば学校の授業よりもためになるわ。騎士長には許可はもらってるし。1年間あまり授業に参加してなくても2年生には進級できるようにしてるわ安心して。だけど、成績は最下位になってしまうわ。周りからどうこう言われるのは嫌かもしれないけど頑張って耐えて。」


ーーソラ「勝手な〜〜。」


ーーハンゲツ師範代「ほほほぉ〜1年間みっちり鍛えてやるからのうソラくん。」


ーーソラ「お願いします。」


ーーハンゲツ師範代「今日の放課後にはもう行くから用意しといてくれよ。」


ーーソラ「はい、わかりました。」


話が終わり僕は職員室を後にした。


ーーハンゲツ師範代「ほほほぉ、親子は似るものか………ソラくんが儂のところに来たぞ…………ユキネ。」


その時、キヨコ先生にはハンゲツ師範代の顔が少し濁ったように見えた。

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