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バスター  作者: Hinata
剣技テスト編
7/14

( 6話 )悲劇


僕は検査と言われ、戸惑いを隠せなかった。僕があたふたしていると


ーー女性の先生「いきなり検査なんて言われたら驚いちゃうわよね。ごめんなさいね。私はキヨコっていうの。よろしくねソラくん。」


ーーソラ「はい。え、えーとなんで僕の名前を?」


ーーキヨコ先生「え?!だって、今年の新入生入試総合トップで、とくにソウルなしの実技テストは、ずば抜けてすごいって先生たちの中で噂になってたほどよ。」


ーーソラ「あ、そうだったんですか。」


僕は褒められることが苦手なためどうゆう反応をすればいいか困った。


ーーキヨコ先生「だけどなんでこんな優秀な子が魂獣に選ばれないのかしら。魂獣学上ありえないことだわ。私が今まで研究してきた中で初めての事よ。」


ーーソラ「は、はぁ。」


ーーキヨコ先生「まぁ、安心して。私が今まで研究してきて解明できなかったことはないわ。じゃあ、これからさっきの続きで検査というか簡単な質疑応答をしていきます。」


ーーソラ「わかりました。」


僕は少し緊張してきた。


ーーキヨコ先生「え〜と、ご家族は?」


僕は少し顔を曇らせた。


ーーソラ「妹が1人です。」


一番されたくない質問だった。


ーーキヨコ先生「親御さんは?」


やはり来た。みんなこの質問をする。知らない人にはしょうがないことなのだが、この質問が一番聞かれたくないことだ。僕はうつむきながら


ーーソラ「母は第二次魔人大戦で殉死しました。父の顔は見ないで育って来ました。」


キヨコ先生は申し訳なさそうにして


ーーキヨコ先生「嫌なことを聞いてしまったわね。ごめんなさい。」


ーーソラ「いえ、検査のために必要なことなので。」


僕は握り拳に自然にをギュッと力が入る。


ーーキヨコ先生「本当に申し訳ないんだけど、お父様のほうはどんな人だったかは、お母様から聞いてなかったかしら?」


ーーソラ「僕が母に父の事を聞くと、いつも誤魔化されました。だけど、母が1つだけ言っていたことがありました。それは、いずれ、父は僕を迎えに来ると言ってたそうです。だけど、僕は一度もまだ会ってません。」


ーーキヨコ先生「そうなのね、ありがとうね。酷な質問だったのに。」


ーーソラ「いえ、こういうのには慣れてるので大丈夫です。」


ーーキヨコ「今日はありがとう。検査はこれで終了です。お疲れ様。」


ーーソラ「僕はこれからのここでの学園生活はどうすればいいんですか?」


ーーキヨコ先生「そうね〜。一応、魂獣との契約は毎日やりましょう。それで自分にあった魂獣が見つかるはずよ。気長にやっていきましょう。」


ーーソラ「はい。わかりました。今日はありがとうございました。」


僕は礼をして職員室から出て行く。


ーー担任の先生「彼、どうでした?」


ーーキヨコ先生「彼の、お父様が気になるわね。顔を知らないで育ったか……いつか、血液検査をやってみたいわね。」


ーー担任の先生「血液検査?……彼の父親はまさか……魔人族がとでもいうのですか?そんなことがあり得るのですか?聞いたことありませんよ人間と魔人族のハーフなど。」


ーーキヨコ先生「何言ってるの。私はただ血液検査をやりたいって言っただけよ。考えが行き過ぎてるわ。ナオト先生。」


ーーナオト先生「すみません。」



…………………



今日は疲れた。色々といろんなことが起こりすぎてて頭がついていかない。気がつくと僕は家についていた。ピンポンとチャイムを鳴らすとドアの向こう側からドタドタと足音が聞こえる。勢いよくドアが開き


ーーヒナタ「お帰りなさい!にいぃーー!!!」


すごい笑顔でエプロンをしてオタマを持ちながら走ってきたようだ夕食の途中だろうか。


ーーソラ「うん。ただいま。」


ヒナタはなぜかフグのように口を膨らませて


ーーヒナタ「にいぃー!その返答はダメだよ。そこは、ただいま!僕のヒナタ!……でしょ!」


ヒナタは僕の声の真似をして仕草をつけて言う。


ーーソラ「はは、僕今までそんなことヒナタに言ったことないだろ。」


僕はぶっきらぼうに言う。


ーーヒナタ「もうにいぃのバカ!今日の晩御飯抜きにするよ!」


ーーソラ「それは困る。」


僕は疲れていたせいかヒナタの悪ノリに乗れなかった。


ーーヒナタ「もう!フンだ!まだ晩御飯できてないから先にお風呂はいって来て。」


ヒナタはプンプンしながら言う。


ーーソラ「わかったよ。」


僕は自分の部屋に入る。電気をつけなかった。真っ暗であたりが何も見えない。僕はドアに背を任せながら、スルスルと尻餅をつく。


ーーソラ「く、クソ!クソォォォ!!!くうっ くっくっ ううっ うっうっ あっあっ……」


涙が止まらなかった。魂獣に選ばれないと思ってもいなかったのだ。悔しかった。あんなに鍛錬してきたのにそれが報われない悲しさであった。


僕はその場で泣きくじゃった。


僕は疲れのせいか睡魔に襲われ、そのまま意識が途絶えた。

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