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バスター  作者: Hinata
剣技テスト編
5/14

( 4話 )剣技テスト開催


闘技場に近づいていくにつれ、混雑していく。みんな1年生のテストを見にきたのだろう。とくに、購買が混雑していた。購買の人混みから1人の身長の小さい女の子が放り出された。よく見ると、幼馴染のアカネが人混みから放り出された勢いで、ちょこんと地べたに座っている。少し涙目になっているため、助けに行くことにした。


ーーソラ「大丈夫?アカネ?」


アカネが僕のことに気づいた瞬間、泣きながら


ーーアカネ「うううっ〜〜ソラ〜〜〜!!!」


ーーソラ「どうしたの?アカネ?」


ーーアカネ「お腹空いたよ〜〜うううっ〜」


と泣きながらグゥ〜〜とお腹の音を鳴らしている。


ーーソラ「お腹空いたのか。代わりに僕が購買で買ってきてあげるよ。何が食べたいの?」


ーーアカネ「闘技場限定スタミナカレーパン5個が食べたい!」


アカネは目をキラキラさせ、ヨダレを垂らしながら言った。よほどお腹を空かしているのだろう。僕は呆れた顔で


ーーソラ「本当、アカネは食いしん坊だな。ここで待ってて僕が買ってくるから。」


ソラはその場から立ち、ショウにアカネと一緒にいてと頼んだ。1度人混みの前まで行く。さっきより人が多くなっており、パンもあと少しで売りきれになりそうだった。


ーーソラ「これは時間をかけられないな。」


僕は人混みの前で1度目を瞑る。人の声、人の息、人の心臓の鼓動、全てを確認する。呼吸を整え、深呼吸をした直後に大きく目を見開く。それと同時に僕は猛スピードで人混みの中に突っ込む。さっき人の位置を全て確認したため人との空いている狭いスペースを軽やかに抜き去って行く。最後のカウンターの一列で男子生徒の股をスライディングで抜け、レジ前に到着する。僕は息を切らしながら


ーーソラ「おばちゃん!闘技場限定スタミナカレーパン5個ちょうだい!」


いきなり僕がレジ前に現れたもんで近くにいた男子生徒と購買のおばちゃんは驚きを隠せなかった。おばちゃんは驚きながら


ーーおばちゃん「若いにいちゃん無理するね〜。え〜と、闘技場限定スタミナカレーパン5個だっけ。よいしょっと。ほれ、1000円だよ。」


僕は1000円札を渡して闘技場限定スタミナカレーパン5個を紙袋で受け取る。僕は買えたことに安心した。 また人混みの中を行くのは大変だと思い、ジャンプで人混みの上を通り越す。すぐ近くにアカネとショウがいた。


ーーソラ「アカネー!例のもの買ってきたぞ。」


すると、アカネはヨダレを垂らしながら


ーーアカネ「ありがとうーー!!!ソラーー!!!このご恩は一生……いや、一生は無理か、まぁ、1週間くらいは覚えてるかな。あ!そんなことよりもいただきまーす!」


アカネは目をハートにさせながらパンにかぶりついている。幸せそうな顔だ。


そこでショウが観客席をとらないといけないことに気がつく。僕とショウが急いで確保しに行こうとするがアカネがパンをむさぼりながら


ーーアカネ「ああー、ぜぎだらぼうどっでぶよ(席ならもうとってるよ)。」


ーーショウ「え?!マジで?!アカネサンキュー!もう行こうぜ2人とも。1年生の剣技が始まっちまう。」


ーーソラ「オッケーわかった行こうアカネ。」


ーーアカネ「ぶぅん(うん)。」


観客席に着くと 、1番前で見やすいところだった。ちょうどよく1年生代表でヒナタが騎士長の前で粛清の言葉を述べている。


ーーアカネ「ヒナちゃんも成長したね。」


ーーソラ「ああー、そうだね。少し遠くのところに行っちゃった気がするよ。」


ーーシュウ「いつも毎日あんなにラブラブなんだから遠くもクソもあるか!ベタベタにくっついてるじゃねーか。」


僕は顔を真っ赤にして


ーーソラ「ち、違うよ!あれはヒナタが…」


アカネが間に入ってくる。


ーーアカネ「はいはい、そこまで。騎士長の話が始まるから静かに。」


ヒナタの粛清の言葉が終わり、騒がしくなっていた闘技場が一気に静まる。闘技場のライトが消え。辺りが真っ暗になる。

すると、広いステージの一部分にライトが集中して当たる。騎士長だ。


ーー騎士長「どうも騎士長のカインだ。私から生徒たちに一言とルールの説明をしたいと思う。我が校の生徒は強い意志を持たなくてはならない!この剣技テストは生徒の実力だけでなく勝利への執念、己のプライド、技術、戦法など、全てを駆使して戦わなければ勝利は掴めん!今回のテスト内容はトーナメントマッチだ!ルールはシュミレーションマッチ!魂獣(ソウル)の使用は認める以上だ。トーナメントの上に上がりたければもがいてもがいて、最後まで全力で勝利を掴みにいけ!今より第2回剣技テストを開催する!」


観客にいた生徒たちが一斉にうぉー!と盛り上がる。


第2回剣技テストの始まりだ。僕はなぜかその時、高揚を隠せなかった。

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