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五里夢中

作者: 石森ライス


自分には夢がない。

そう思い始めたのはいつからだったのだろう。追いかければ追いかけるほど、探せば探すほど、夢の形があやふやになっていった。


「そういえば、明日劇やるんだけど、見に来ない?」

かなえにこう誘われた。今日は昼休みに部活の練習はやらないらしく、叶は教室で弁当をたべている。時々箸を止めたかと思うとニンマリとした顔になる。こいつは美味しいものを食べるとすぐに顔に出る。

「明日劇やるのは知ってたけど…え、なに、お前、なんか役やるの?」

クラスの演劇部の部員から聞いていたが、叶がこの話をするのは初めてだった。もしかして俺を驚かせるためだけに自分がやる役をずっと隠していたのだろうか。

「うん。『ブルー・スプリング・デイズ』をやるんだけど、それの灯梨あかり役。すごいでしょ?」

え、灯梨ってかなり重要な登場人物じゃん!いつの間にそんな役やることが決まったんだ。そんな驚きを悟られないように少しからかって見せた。

「え!?お前が?…ぷふ、似合ってない!」

叶はこれにすぐ反応して、顔を赤らめた。

「笑うな!華麗に演技こなして見せるよ!」

「そんなこといってもな~。弁当を男みたいにがつがつ食っているお前とすべての行動が上品な灯梨って対極すぎるでしょ。それを演技でカバーしきれるかな~?」

頭の後ろで手を組んで、椅子にもたれかかった。普段の行動に思いあたる節があるのか、叶はこれを否定はしなかった

「う、でも実際に見てみればわかるよ。さすがにいつもの私とは違うから。別人かもって思っちゃうかもよ?だから絶対見に来てね」

そう言っている間に五時間目の予鈴が鳴った。叶は弁当の残りを口の中に放り込み「じゃあ、また放課後」と短く言い残すと、勢いよく扉のむこうへ行ってしまった。相変わらず、せっかちなやつだ。

そんな姿を俺はぼんやりと眺めていた。

草野叶。俺とは小学校からの幼馴染で、高校では演劇部に入っている。昔ある劇団の公演を見たときから演劇に夢中になってしまったらしく、以来ずっと大きな舞台で演劇ができるのを夢見て頑張っている。今回は灯梨という主演級の役に抜擢されたということもあり、大はしゃぎだ。よく笑い、よく怒る。喜怒哀楽がわかりやすいくらいわかる。大勢が見つめる中で行う演劇には向いているのかもしれない。

そんな演劇に夢中で、日夜努力している様子を俺は小学校から見てきた。

ある劇団の公演を見に行ったときは、その演技に感動して、台本をもらうために劇の後わざわざ楽屋まで押しかけたことがあった。本来ならもらえるはずもないのだが、叶のあまりに熱心な態度に役者の人は少し苦笑しつつも劇の台本を叶にあげた。その後一週間は授業中だろうが給食の最中だろうがずーっとその本を手にしてセリフを暗記していた。一緒に帰るときにはそれらのセリフを口にしている姿を見て内心呆れたと思う半面、すごいなと驚いたと思った記憶がある。

あいつは夢に向かって一直線だ。迷いがないから夢に向かって駆けていける。すべての行動を将来へつないでいける。

しかし叶と一緒にいるとことあるたびに今の自分と比べてしまう。俺は、あいつみたいに素直に感情を出せないし、一つのことに対して集中が持続するわけでもなく、すべてをおざなりにして、やりたいと思うことも見つからないのだ。だからなにをやっても、本当にこんなことをしていていいのかと思ってしまう。今という現状に満足していないのだ。    

霧の中をさまよっている感じに似ている。

この日の授業もあんまり聞かないでぼんやりと過ごした。


放課後。俺は叶を待った。俺と叶は家が近いから、小学校からの習慣で、どちらか帰りの早い方が遅い方を待つ。玄関口から見上げると、空は黒い雲で覆われていて薄暗い。もしかしたら傘が必要になるかもしれない。

叶が来るまでじーっと待った。玄関口の内から時々空を見上げてみると、雲の流れは速く、だんだんと空が黒くなっていく様子を見ることができた。

叶の部活が終わる少し前には、ぽつぽつと雨が降り出してきた。

「お待たせ、きょう部活ないんだっけ?」

後ろから声がした。振り返ろうとするとすでに叶が横にいた。

「ああ、金曜は休みだ。お前は劇の練習か?つーかなんで今まで灯梨役やるって教えてくれなかったんだよ?」

靴に履き替えて二人とも玄関を出て、傘を広げる。

「えへへ。さとるを驚かせようと思って。」

やっぱり自分の予想は的中した。叶の思い通りになったと思うとちょっと悔しい。

「それなら、別の意味で驚いた。まさか、お前が、あの、かわいくて、物静かな灯梨の役?今でも笑いが止まらない。」

ちょっと大げさにリアクションをとってみた。いちいち言葉を区切り灯梨の、叶とは正反対な性格を強調してみた。笑い方もおなかに手をあて背中を丸くして、大爆笑しているふりをした。いつもそのあとの反応を見るのが面白い。

「そんなに笑うことないでしょ!部長さんが私の演技力を見込んで抜擢してくれたんだよ!」

顔をちょっと赤らめてむきになる。そのあとすぐに誇らしげな顔になった。表情がころころ変わりやすいやつだ。

「…でも」

急に叶の声が暗くなった。

「…でも?」

何か心配事でもあるのかと思って聞き返してみる。

すこし間があって、つぶやくように話し始めた。

「ほんとに私でいいのかなって。そりゃ、練習とかはいっぱいやってるしセリフもちゃんと覚えているけど、でも部員のみんなの方が演技上手な気がするし…本番でもし緊張してうまくセリフが言えなかったら?大道具に躓いてころんだら?本当に私が灯梨役でいいのかな?」

叶の顔は地面の方を向いていた。

俺は内心驚いた。短い言葉でも、この一言はずいぶん重苦しく響いた。いつも前向きな叶がこんなに自信がなさそうにしているのは見たことがない。やっぱり叶でも本番前のプレッシャーに不安を感じているらしい。

「…叶、お前もたまには迷うんだな」

叶が聞こえないくらいの小さな声で呟いた。

「え?」

叶が顔をあげてこっちをみた。

「心配するな。お前はお前のできることをやればいい。部長さんがお前を選んでくれたんだから、お前はその期待に応えるだけだ。昔から演劇やりたくて夢に向かって一直線だっただろ。部員の中でお前ほど長い時間劇と向き合ってきた人はいないはずだ。心配する要素なんて何もないじゃないか」

「でも…」

ほんとに叶らしくない。叶を元気づけるためも俺はいつも叶をみて感じていることを口に出した。いつも素直になれない自分だから、うまく言葉にできるかわからないけれど。

「世の中、才能があるかないか、今の演技が上手いか下手かがすべてじゃない。肝心なのはやりたいことをいかに真剣にやれるかだろ?だったら例え今の時点で周りが上手でも、灯梨役を経験して自分の演技をもっと上手にすればいいだけだ。違うか?」

ちょっと無理やりな気もするが、それでもこの言葉で叶はほほ笑んだ。

「…確かにそうかもね。ありがとう、悟のおかげで元気出てきた!絶対明日の演劇成功させるよ!」

最後の言葉は空に向かって宣言しているようだった。俺も叶の見ている方向へ視線を移す。見ると、いつの間にか雨が止んでいて雲に切れ間が出ていた。

「おう!その調子だ。頑張れ!」

横に向いて叶を煽る。もともと明るくて素直だから、すこし元気を見せ始めたらもう大丈夫だろう。

そんなに時間はたっていないと思っていたが、気が付くと叶の家がすぐそこにあった。

「うん、じゃあ明日ね!絶対見に来てね!」

そういって、叶は家までの近い距離を駆けて行った。

その姿をみて俺は安心した。

「おう!またな」

相変わらずせっかちだけど、駆けだす方向はいつも一直線だ。


そして翌日。叶は劇の準備があるからとかなり早くに出発したらしい。おかげで今日は一人で高校まで歩くことになる。

劇は高校の体育館で行われる。十時から開始されるので七時に起きつつも俺はゆっくり出発する支度をした。朝食を食べながら、天気予報をみる。曇りのち晴れ。窓の外を見ると空はまだ薄い雲に覆われているが、これから晴れるのだろうか。もし予報が外れて雨が降り出したら、叶たちはじめじめとした中で演技するんだろうな。あいつはどんな感じで灯梨の役を務めるのだろうか。表情はどうするだろうか?セリフはどうだろうか?

…やっぱり叶の演技が気になって仕方がない。

家にいても落ち着かないので、もう出発することにした。

下の方に顔を向けると、大半の地面は乾いていた。昨日降っていた雨はあの後降ったり止んだりを繰り返していたが、日付が変わるころには完全にやみ、道路のへこんでいるところも湿っている程度だ。そういえば今日叶たちのやる劇の原作でもこんな感じの景色の描写があった。

家を出て高校につくまでの間、ぼんやりと考え事をするのはいつもの癖だ。今朝は劇の原作である「ブルー・スプリング・デイズ」に思いをはせてみた。

「ブルー・スプリング・デイズ」はせん夕也ゆうや、そして灯梨の三人の高校生が主な登場人物だ。夕也が灯梨に告白することを手伝ってほしいと泉に相談することから物語は始まる。この告白作戦を軸にしてはいるが、泉が夢について語ったり、日常の大切さが描かれていたりと、原作のテーマは多岐にわたる。

夕也が泉にいった過去の言葉や、日常の会話の中に印象的なセリフがいくつもあるのも原作の数あるうちの魅力の一つだ。

原作は読んだが、劇になるとはたしてどうなるのだろう。叶は灯梨役だが、おしとやかで口数の少ないこの役をどう演じ切るか、叶の役者としての技量が試される。

こんなことを考えるのは自分だけだろうけど、原作に対してどれだけ忠実にシ-ンや雰囲気を再現できるか、それもこの演劇で期待するものだ。原作はかなり心理描写が多いが、劇だとその場の雰囲気とか顔の微妙な表情、体全体のちょっとした仕草で再現しなければならない。そういう意味ではこれを題材にすると決めた部長さんは叶に対して、また部員に対してかなりの信頼をおいているのだろうと推測できる。

そんなことを考えているうちに高校にたどり着いた。


玄関口で靴を履きかえて、すぐそこにある体育館の中へ入るとひんやりと涼しかった。ゆっくり来たつもりだったが、まだ大分早かったらしい。中は照明がつけられていて、本番に向けて舞台の調整をしていた。外で待っていても暇なので大道具や小道具を運んでいる部員の様子を見るため、講堂の中で椅子に座って待つことにした。舞台を見ていると演劇部の部員の方々は本番前の緊張からか、大道具の準備をしているけれども動き方が心なしかぎこちない。

あ、真ん中に部長さんがいる。あの人も大概せっかちだが今日はさらにあわてた様子で部員に指示を出していた。

クラスのやつもいる。確かあいつは先生役をするはずだ。部員の中でも際立って緊張しているのが分かった。カクカク動いている。

緊張からか舞台の隅でじっとしている人、大道具のチェックに余念がない人、歩く速さの倍の速度で動いている人、本番前、それぞれの部員がおもいおもいの時間を過ごしているようだ。

ただ、叶の姿は見当たらなかった。もしかしたらセリフの多い灯梨、泉、夕也役の3人は別の場所で最後の練習をしているのかもしれなかった。


強い光が、後ろの方から目に入ってきた。それに気づいて後ろを振り返ると他のお客さんが体育館の中へ入ってくるのが見えた。そのあと数分もしないうちに次のお客さんが入り、ようやくぱらぱらと体育館の席が埋まるようになっていった。はっとして時計を見ると九時四十分。俺は一時間近く体育館で座っていた。前方を見ると準備はいつの間にか終わっていて、舞台には幕が下ろされていた。入って賑やかになってきた客席とは反対に、舞台の方に部員の姿はなく、しんと静まり返っている。

本番5分前にもなると用意されていた席は大半が埋まっていた。思っていた以上にこの公演を楽しみにしている人は多いようだ。知り合いも何人かいるのを見かけた。彼らも部員の誰かに誘われて来たのだろうか。一瞬、ほかの人と一緒に来ればよかったという思いが頭をかすめた。しかし、すぐにその思いは消えた。誰かとわいわい騒いで観るものではなく一人でこの劇と向き合って観るべきなのだ。叶に誘われたからか?なぜだかはわからないけれど、そう予感させる何かがあった。


演劇開始のアナウンスがスピーカーから流れてきた。いよいよ、演劇の開始だ。体育館の照明がスーっと消えていく。体育館全体が数秒間真っ暗になった。しかしそれは幕が上がるとともに漏れてきた光によって照らされていった。

舞台には閃役の人が立っていた。そして次の独唱とともに演劇の物語は始まった。

「自分には夢がない。

そう思っていたのはいつまでだっただろう」


その言葉を聞いて俺はハッとした。そうだ、この物語は泉の夢にまつわるエピソードについても多く語られている。夕也が過去に閃に言った言葉が、夢を持てず自信を持つことができなかった泉を大きく変える。なんだか過去の泉は今の自分のようだった。俺も泉のように、答えを見つけられるだろうか。あるいは夕也のように自分を変えることができる人を探せるだろうか。


泉の過去のシーンが終わるといよいよ灯梨が登場するはずだ。

舞台が暗転して教室のシーンへと移る。上手から叶が歩いてきた。

「おはよう」

教室の扉を開け、泉と夕也を目にするとそういった。

叶は普段からは想像できないほど優雅な動きをし、品のある雰囲気を出していた。最初の動作だけでも見事に役を演じていた。

三人の他愛のない雑談の後、チャイムの音とともに舞台は暗転して屋上のシーンへと移った。そこには灯梨はおらず、泉と夕也が会話をする。

長い沈黙の後、夕也が重い口を開けた。夕也役の人も演技がうまい。

「…俺さ……実は、中三のころから灯梨のことが好きだったんだ…」

夕也がぽつぽつと好きになった経緯を語っていく。小説ではこの部分はかなり長かったけれど、動きが少なく短くまとめたかったためか、劇では物語上必要な部分のみを語っていた。そして最後に次の言葉とともに舞台は暗転した。

「…だから、灯梨に告白するの協力してくれないか?」


その後告白作戦は順調に進んでいった。閃は灯梨と話している時にさりげなく夕也の話題をだし、好感度を上げようとした。灯梨を演じる叶の表情はというと、あまり気付いてないように見える。これも演技…なのかはわからない。


物語がいよいよ佳境に入る。泉はケータイで電話をしている夕也を見かけた。原作でも、夕也が誰と電話をしているかは直接語られていないが、夕也の幸せな表情を見ればわかる、灯梨と電話しているのだ。それをみた泉がふふっとほほ笑んでいるのが、見て取れた。泉は頃合いを見て夕也に声をかけようとして夕也のもとに駆け寄る。

しかし、泉は上手の方に振り向く。

「車!」

夕也は下手に顔が向いていて気付いていない。危険を察知した泉が叫ぶ。車のモーター音がスピーカーから流れてきた。車が夕也に向かって猛スピードで走ってくるのがありありと想像できた。その声には緊張感をにじませている。

「危ない!」

泉は夕也のもとへ飛び込む。声にやっと気付いた夕也も泉の方へ振り向いた。夕也と閃が触れるか触れないかぐらいに近づいた時、キキーという車のブレーキ音とともに舞台は暗転した。


少し時間をおいて舞台が明るくなった。そこは病院の一室だった。

灯梨が手で顔を覆って涙を流している。本当にいつもからは想像できないくらい女の子らしい。

ベッドには夕也はいなかった。

そこに眠っていたのは泉だった。夕也は灯梨の隣でうつむいている。車にはねられたのは泉の方だった。舞台では灯梨のすすり泣きの音以外、全く音がしない時間が続いた。泉は目を覚まさず、ずっと眠ったままだった。

重い沈黙の後、夕也が口を開いた。

「…なぁ、早く目を覚ましてくれよ…」

そう語りかけられても、泉は目を覚まさない。またしばらく沈黙が続くと、夕也と灯梨が席を立った。二人とも病室を出ようとする。そのとき夕也が振り返った。

「毎日、ここに来るからな、覚悟しとけよ…」

最後の一言は観客に届くか届かないかくらいの小さな声で言った。原作のシーンを見事に再現していた。

ここで舞台が暗転した。


照明が灯されると舞台はまた病室だった。今度は夕也と灯梨二人そろって扉をあけて入る。二人は椅子に腰かけると、三人の思い出を語っていった。小学校のころから徐々に。そして冒頭のシーンの話へと変わっていく。なんだか夕也の口から語られる泉の姿は、今の俺の状態を見ているようだった。

そして暗い体育館の中で、俺の中で、そのセリフは一際大きく響いた。

「…泉、お前に夢がなくても、今を全力で楽しめばいいじゃんか。この瞬間を懸命に生きていればきっと夢だって見つかるさ。…俺はあの時そういった。…でも今思うとあれは自分自身にいってるように思えてきたんだ。」

もしかしたら叶は俺の悩みに気付いていたのかもしれない。この劇を通して、このセリフを通して、俺の夢をみつけるきっかけを作ろうとしたのかもしれない。だから、この劇に誘ったのではないだろうか。そんな思いがふと頭をよぎった。

夕也が語っていた独白の後、灯梨を演じていた叶がこう口にした。

「夢は友達が見つけるきっかけを作ったとしても結局は自分ひとりでしか見つけることができない。でもね、その分だけ、自分で悩んで悩んで悩んだ末にたどり着いた夢っていうのは、ずっしりと重くてその人にとっての宝物になるんだよ。だから今という時間は宝のもと。将来の宝物をより重くするためにも目を覚まして…」

…まったく、叶にはかなわない。このことを伝えるためにわざわざ劇に誘ったのか。本当にありがたい友達だ。

いつの間にか舞台が滲んでいた。俺は叶に対する感謝の気持ちで胸がいっぱいだった。

そしてこの言葉をきっかけに泉は目を覚ます。

泉がゆっくりと起き上がり二人が何が起きたかわからないような仕草をする泉をぎゅっと抱きしめるところで舞台の幕は閉じた。

出演者の紹介が終わり、体育館全体が明るくなると、人がぞろぞろと出ていき始めた。俺もその流れに乗って体育館を出た。しかし外のすのこのところで立ち止まり、空を見上げた。


そう、大事なことは悩んで何もしないよりも、がむしゃらにやるべきことでもそうじゃないことでも今というこの時間を全力で駆け抜けていくことなんだ。

今は夢がなくても、悩んで悩んで悩みぬけばいつかは夢を見つけられる。

しばらくすのこの上で空を見ていた。空にほとんど雲はなく、透き通るような青空だった。今頃叶は舞台が終わり、後片付けをやっているだろう。別に急がなくても叶は帰ったりしない。俺は玄関で叶を待つために体育館を後にした。



初めまして。このサイトに初投稿した石森ライスです。小説を書いた経験がまだまだ少ないので、改善点やこの小説の良かった点、悪かった点などをコメントしていただけたら嬉しい限りです。

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