表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界のんびり刑務官~異世界で無双?そんなの俺は求めてない。ただ安定した生活がしたいだけなんだ!  作者: 楊楊
最終章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

89/89

89 エピローグ

 戦争から3ヶ月、俺は刑務官人生をスタートさせた「嘆きの塔」で勤務している。

 現在の収容者は女性1名。定時になり、朝の巡回を行う。収容者の居室に入り、いつもの確認を行う。


「貴様!!看守の立場を利用して、我をどうするつもりだ?ま、まさか・・・」

「そのうるさい口を塞いでやろう。観念しろ」


 俺は女性囚人の口を塞ぎ押し倒す。

 そこに出勤してきたフィオナ嬢が苦言を呈する。


「陛下もセンパイも、勤務中にそういったことは謹んでください。毎朝見せつけらるこっちの身にもなってください。そういうことは夜間に二人っきりになった後でお願いします」


「す、すまん・・・」

「フィオナ嬢よ。もっとゆっくり出勤してもよいのだぞ」


 気まずい雰囲気の中、リオネッサ将軍も出勤してきた。


「陛下、早速面会が来ております。サイショウさんですが・・・」


 色々あったが、あの時と同じメンバーが「嘆きの塔」に揃っているのだ。

 どうしてこうなったかって?


 戦争の後、帝都は酷い状況になった。

 多くの官僚や貴族が逃げ出し、国の運営も立ちいかなくなった。それに他国がこれ幸いと攻め込んでくるという情報がもたらされた。もう別の国なので、放っておけばいいと思っていたが、女王陛下もリオネッサ将軍もフィオナ嬢も、帝都には思い入れがあるらしく、何とかしてほしいとの要請を受けた。俺も仕方がないと思ってこれに協力した。俺の当初の見立てでは3ヶ月くらいで何とかなると思っていたのだが、帝都に来て愕然とした。こんなの立て直しに3年は掛かる。


 国庫は空だし、多額の借金があった。特にウイリアムが皇帝になってからは酷かった。

 金もない、人もいない状況だった。そもそも皇帝がいない。それで白羽の矢が立ったのがレントン教授だった。多くの貴族や官僚が帝都から逃げ出した状況下において、逃げなかっただけでも評価は高い。まあ、実際は帝都に住んでいないどころか、この世にいないのだけど、帝都の住民はそんな事情は分からない。

 そして、攻め込もうとしている他国を牽制するため、鹵獲したゴーレムを修理して帝都の入口に配置した。今ではちょっとした観光スポットになっている。それにレントン教授は皇帝の血を引いているようで、それも大きな要因となって、皇帝に即位したのだ。


 レントン教授の中身であるバネッサ所長が言う。


わらわも帝都には思い入れがあるのじゃ。しかし、帝都を立て直すのはわらわには無理じゃ。頼んだぞ、センパイ」


 まず俺は人を集めた。

 父、母、マイケル、不本意だがフィリップにも声を掛けた。みんな快諾してくれて、国の要職に就いてくれることになった。


「申し訳ありません。火中の栗を拾うようなことをお願いして」


「気にするな」

「そうよ」

「出世したしな。父上は侯爵だし、俺は伯爵だ。爵位に思い入れはないが、低いよりは高いほうがいいからな」


 フィリップも・・・


「とにかく悪い奴をやっつければいいんだな。任せろ」


「父上・・・」

「フィリップのことは任せろ」

「お願いします」


 まあ、人が足りないからフィリップの部隊が丸ごと来てくれるのは有難い。フィリップは置いておいて、部下は優秀だからな。


 リオネッサ将軍は夫であるフィリップについて帝都に来ることになるし、フィオナ嬢もある事情から帝都に来ることになった。それはクマーラさんが帝都に店をオープンさせたことで、アンドリュー公爵が弟子として、当面の間、手伝いに来ることになり、一緒に帝都にやってきた。一国の国家元首を手伝わせるなんてと思ったが、もう今更だ。


 そういった事情なので、帝都に以前のメンバーが勢揃いしたというわけだ。

 それで、フィオナ嬢の「普段はしがない刑務官。でも実は裏で国家のために働く秘密の存在がしびれます」との提案で、こういった形態になってしまった。女王陛下が囚人なのは、本人の希望だ。100年以上同じ部屋に住んでいたので、特に思い入れがあるらしい。



 そんなことを思っていたら、ルートナー伯爵がやってきた。


「サイショウさんもお元気そうで何よりです」

「うむ。この年でこの国の宰相になるとは思わなかったな。感慨深いぞ」

「それで今日はどういった用件でしょうか?」

「実はな・・・」


 また休めそうにないのか・・・俺の安心安全な生活は、いつやって来るんだ?


 フィオナ嬢が言う。


「センパイ、すぐに行きましょう。私は魔法少女ナナとなって別行動します」

「私はフィリップと共に軍を率いる」


 俺はため息をつきながら言った。


「仕方ない・・・これも安心安全な生活のためだ」



 ★★★


 ~天界にて~


 創造神アテナに話し掛ける女神がいた。


「アテナ、それにしても今回は、えらく安く上がったわね?」

「ええ・・・マイナスジョブなうえ、大した加護も与えたなかったのに・・・」

「そうね。本人には「器用貧乏」の上位互換「マルチタレント」と言ったけど、実際は名前を変えただけだしね」

「それにしても上手くいきました。帝国の崩壊は既定路線で、被害を少なくするために転生者を送り込みましたが、正直ここまでとは・・・」


 女神が言う。


「天界でも、かなり評価が高いわよ。転生者にマイナスジョブを付与することが流行るかもね?」

「それはないでしょう。今回は例外中の例外です。なぜ、こんなに上手くいったか分かりませんよ」

「そうね・・・神のみぞ知るってことかしら」

「私たちも神様ですけど・・・」


 創造神アテナが祈る。


「少し私も神様らしいことをしないといけませんね。アレクよ!!貴方の人生に幸多からんことを!!」



これでこの物語は終了となります。アレクの活躍は続きますが、この辺で失礼します。やる気もなく、ただ安定した人生を望んでいたアレクですが、当面は無理でしょうね。

話は変わりますが、新作を書きましたので、読んでいただければ幸いです。


「緑の聖女は転生先を間違えられたようです~植物スキルで、それなりに楽しくスローライフをしてます」

https://ncode.syosetu.com/n3935lu/


鈴木みどりはブラック企業に勤務している三十路手前のOLだ。3年間ほぼ休みなく深夜まで働く生活を送っていたことが原因で、若くして過労死してしまう。彼女に目をつけた創造神ララーナは「緑の聖女」のジョブを与え、ララーナが管理する異世界ヴェルトラに転生させた。しかし、その転生先が問題だった。創造神ララーナとしては、人類救済、魔族殲滅のためにみどりを転生させたのだが、様々な偶然が重なり、みどりの転生先が魔族の野営地になってしまった。殲滅すべき魔族を救うべき種族と勘違いしたみどり、「緑の聖女」のチート能力を生かして奇跡を起こしていく。みどりのジョブ「緑の聖女」は特殊な植物を育てるスキルがあり、食料問題を含めた数々の問題を解消していく。創造神ララーナの思惑とは裏腹に魔族の勢力は拡大、ララーナが気づいた時には「時すでに遅し」状態だった。

 ※これは転生したOLが聖女となって奇跡を起こす物語である。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ