表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界のんびり刑務官~異世界で無双?そんなの俺は求めてない。ただ安定した生活がしたいだけなんだ!  作者: 楊楊
最終章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/89

80 緊急集会

 刑務所には、そうそうたるメンバーが集合していた。法務大臣以下の高級官僚の姿もちらほら見かける。

 その中には父とマイケルの姿があった。


 なぜ、ここにこんなメンバーが集合しているんだ?


 父もマイケルも神妙な顔をしており、聞ける雰囲気ではなかった。

 周りを見回すとフィオナ嬢とスペンサー侯爵御一家、ミケとその母親でクロネコ商会会長のミカさんも顔を揃えていた。

 俺はミケくらいなら、声を掛けられると思って、ミケに声を掛ける。


「せ、センパイ・・・今はそういう雰囲気ではないニャ・・・」


 ミケでも駄目か・・・

 ところで、一体何の集まりなんだ?


 そう思っていたところ、ルートナー伯爵が現れた。


「皆の者、ご苦労であった。まずは、女王陛下よりお言葉をいただく」


 全員が臣下の礼を取る。俺もワンテンポ遅れてだが、臣下の礼を取った。

 すぐに女王陛下とアンドリュー皇子が登場する。


 もう何が何だか分からない。

 本当に何の集まりなんだ?


 そんなことを思っていると、女王陛下が話始めた。


「知っている者もいると思うが、巷で流れている噂のとおり、現皇帝が襲撃されたことは間違いない。そして行方不明になっていることもな・・・」


 会場がざわつく。


「指示の前にまずは安心させてやれ」


 女王陛下の言葉の後に驚きの人物が登場する。


「皇帝陛下!!」

「よくぞご無事で!!」


 なぜ襲撃された皇帝陛下がここにいるんだ?

 もう訳が分からなさすぎる・・・


 俺がそんなことを思っている間にも集会は進んでいく。

 皇帝陛下が話始めた。


「皆の者、迷惑を掛けたな。それで今後についてだが、しばらくはこのままの状態を維持してくれ。つまり我は表向きは行方不明のままということだ。引き続き情報収集に努めてくれ」


「「「御意!!」」」


 それで集会は解散となった。

 集会の後、キョトンとしている俺に女王陛下が声を掛けてくる。


「流石のセンパイも、これは予想できなかったようだな?」

「予想も何も、目の前で何が起こっているのか、全く理解ができませんよ」

「ふむ・・・まあ、詳しく話してやるから、我の部屋に来い」

「は、はい・・・」



 ★★★


 女王陛下の居室に呼ばれたのは俺とフィオナ嬢とリオネッサ将軍だった。また、皇帝陛下とアンドリュー皇子も同席することになった。

 なぜ、しがない刑務官の俺が皇帝陛下と同席しているんだ?


 そんな俺の気も知らないで、女王陛下は話を進めていく。


「今後の方針だが、ドリエストよ。気持ちは変わらんのか?」

「はい・・・このまま行方不明、又は死亡したことにして、のんびりと過ごさせてください。私のジョブは「農民」ですし、元々皇帝の器ではなかったのです」


 しばらく考えた女王陛下は言う。


「そうか・・・ご苦労であった。それでは刑務所内でのんびりと暮らすがよい」

「ありがとうございます。余生を土をいじりながら暮らせるのは、本当に有難いです。感謝いたします」


 あれ?皇帝陛下が退位する話になっていないか?


 アンドリュー皇子が口を挟む。


「父上!!僕が皇帝になるなんて、絶対に無理です。僕のジョブも「料理人」なんですよ」

「アンドリュー、すまんな。私の息子として生まれた宿命だ。ウイリアムではこの国は治められん。それに今回の襲撃事件はウイリアムが裏で糸を引いているからな」


 女王陛下が解説してくれる。


「センパイたちには寝耳に水の話だろうから、少し解説してやろう。ドリエストはウイリアムを皇太子から外し、アンドリューを皇太子に据えようと考えていたのだ。そして、近々その旨を発表しようとしたところ、事前に情報を掴んだウイリアムの一派が襲撃事件を起こしたというわけだ」


 本当にウイリアム皇太子はクズだな・・・


「それでセンパイよ。ドリエストを農民として受け入れてくれる集落に案内してやってくれ。本当は皇帝としての務めを果たしてほしいが、それは酷だろうからな・・・」


 皇帝陛下は女王陛下に首を垂れた。


「御心遣い感謝します」


「うむ。それで今後のことだが、半年はのらりくらりと今の状態のまま維持する。それまでに対応策を取れ。話は以上だ」


 まだ話は見えてこないが、俺は女王陛下に言われるがまま、皇帝陛下をゴブリンの集落に連れて行くことにした。

 ゴブリンの集落を選んだ理由は、ゴブリンは農業に力を入れていて、温厚だからだ。思ったとおり、すぐに打ち解けていた。

 若いゴブリンが皇帝陛下に声を掛けていた。


「おっちゃんは、水魔法が使えるのか?」

「それなりには使えるぞ」

「だったら、水やりをしてもうらおう。それから、トラクターゴーレムの使い方も覚えてもらわないとな」

「よろしく頼む」


 知らないって怖いな・・・


 それから皇帝陛下は、ゴブリンたちと楽しそうに水やりをしていた。

気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ