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異世界のんびり刑務官~異世界で無双?そんなの俺は求めてない。ただ安定した生活がしたいだけなんだ!  作者: 楊楊
第五章 副所長のお仕事

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78 エピローグ

 俺は今、オンボーロ帝国城の謁見の間にいる。どうしてそんな所にいるかって?

 それは総督任命の式典に出席しているからだ。


 ダンジョン付近の町は大発展を遂げ、帝都アルトモからその名を受け継いで「ニューアルトモ」となり、初代総督としてアンドリュー皇子が就任することになった。このことで、アンドリュー皇子は他国の王族と結婚して国外に出ることはなくなった。

 俺としては、まともな皇族であるアンドリュー皇子が国内に残ってくれることは有難い。馬鹿皇太子が皇帝となり、馬鹿なことを仕出かしそうになったら、諫めてくれるかもしれないしな。


 皇帝陛下から、任命書を受け取るアンドリュー皇子に続いて、今回の件で功績のあった者たちに勲章が授与された。

 フィオナ嬢、バネッサ所長が中に入っているレントン教授に続いて、父とマイケルも勲章を授与されていた。これは各省庁のバランスを考えてのことだ。だって、何の関係もなさそうな文官も勲章を受け取っているからな。


 そして、馬鹿皇太子にも・・・


「父上、我が指導したことにより愚弟もよく頑張ってくれました。それに我は、ダンジョンの隠し部屋を発見し・・・」


 延々と馬鹿皇太子が自慢話を始めてしまった。

 これには皇帝陛下も出席している貴族たちも閉口していた。最終的には宰相が気を利かせて、馬鹿皇太子の話を遮った。


「皇太子殿下、ここでは何ですので、この後の晩餐会で詳しく話を聞かせてもらいたいものです。皆、楽しみにしておりますからな」


 空気を読んだ貴族たちが話を合わせる。


「そうです!!是非ゆっくりと聞かせてください」

「酒を飲みながら武勇伝を聞くのは、楽しいですからな」

「皆、楽しみしておりますよ」


「そうか!!では、この辺にしておこうか」


 今回、俺に勲章の授与はなかった。

 俺がもらってしまうと、法務省に勲章が偏りすぎるし、サンドル家から三人も勲章を授与されたら他の貴族に目をつけられてしまう。俺としても目立つことはしたくないから、願ったり叶ったりだけどな。



 式典後、晩餐会に出席させられた。

 すぐに帰りたかったけど、そうはいかなかった。俺のポジションはアトラス刑務所の副所長として勲章を受ける部下の付き添いということになっているからな。まあ、レントン教授(バネッサ所長入り)はそんなことは無視して帰ってしまったけど・・・


 会場の片隅で気配を殺して、やり過ごしている。

 俺に話し掛けてくる貴族はおらず、貴族の大半はアンドリュー皇子に群がっていた。


「私は常々、殿下の能力を評価していたのですよ」

「私もです。財務省としましても、しっかりと上申させていただきました」

「我が家との関係も今後ともお願い致します」


 貴族という奴は、本当に節操がない。手の平返しもいいところだ。


 そんな光景を冷めた目で見ていたところ、フィオナ嬢から声を掛けられた。


「皇帝陛下が退席されました。これで、この場を辞しても問題になりませんよ」

「分かった。じゃあ、帰ろうか?」

「そうしましょう。聞くに堪えない自慢話に付き合うのも疲れますしね」


 俺とフィオナ嬢は、アンドリュー皇子と父に事情を説明して晩餐会を辞した。

 アンドリュー皇子は帰りたくても、貴族たちが帰してくれなさそうだし、父もマイケルも所属する省の付き合いもあるからな。

 まあ、俺はしがない刑務官だから、貴族とつながりができたところで、全く関係がない。


 フィオナ嬢と二人で城を出て、転移スポットのあるレントン教授邸に向かう。

 レントン教授邸では、バネッサ所長がレントン教授のゴーレムを椅子に座らせて、楽しそうに食事をしていた。


「ルークの研究が認められて、わらわは嬉しいぞ」

「・・・・・・」

「ゴーレムの研究も進んでおるし、今後の開発も楽しみじゃな」

「・・・・・・」

「やはり、巨大ゴーレムの開発に力を入れるべきかのう?」

「・・・・・・」


 当然だが、レントン教授は喋らない。

 フィオナ嬢はというと、見てはいけないものを見てしまったという顔で驚いていた。


「フィオナ嬢、いつものことだよ」

「そ、そうなんですか・・・」


 俺たちに気づいたバネッサ所長が声を掛けてくる。


「どうじゃった?楽しかったか?」


 フィオナ嬢が答える。


「楽しいわけありませんわ。ただ、アンドリュー皇子が認められたことは嬉しく思いますけど」

「うむ。あの馬鹿皇太子よりは、大分マシじゃからな。それでは帰るとするか」


 バネッサ所長は再びレントン教授のゴーレムに入り、俺たちと一緒に転移スポットに向かった。


 ★★★


 アトラス刑務所に帰還してすぐ、女王陛下に報告した。


「ご苦労であったな」

「ありがとうございます。それでアンドリュー皇子なのですが、本日付でアトラス刑務所を退職となり、帝都での手続き終了後にニューアルトモ総督として赴任されるとのことです。就任後、改めて陛下にご挨拶に伺うとのことでした」

「うむ。総督か・・・それで収まればよいがな・・・」


 女王陛下は意味深なことを言った。


 まあ、刑務官の俺には関係ないことだろう。

気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!


次回からいよいよ最終章となります。

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