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異世界のんびり刑務官~異世界で無双?そんなの俺は求めてない。ただ安定した生活がしたいだけなんだ!  作者: 楊楊
第四章 女王の帰還

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58 スタンピード 3

 スケルトンの大群が押し寄せた。

 スケルトンは、単体ではC~Dランクの魔物でしかなく、それほど怖い魔物ではない。それにこちらの部隊と相性がいい。

 リオネッサ将軍が声を張り上げる。


「オーガ隊、オーク隊はハンマーか棍棒で撃退だ!!残っているパワーゴーレムも配置しろ!!」


 スケルトンは打撃武器に弱い。まあ、骨だからな。

 オーガやオークは器用さはないが、パワーは並外れてあるから多くの者がハンマーや棍棒を好んで使っている。なので相性がいいのだ。


「センパイ、シフトの管理をしてくれ。なるべく消耗しないようにな」

「了解です」


 血の気の多いオーガたちを上手く休ませ、少しでも消耗を押さえる。

 ゴーレムを操作しているゴブリンたちも、ある程度回復したことで、戦線はかなり安定してきた。


「このまま耐え凌げば、何とかなりそうですね」

「ああ。だが、何があるか分からんのが戦闘だ。油断はするなよ」


 油断はもちろんしない。

 しかし、フェイさんからスタンピードの勢いが徐々になくなってきているという情報がもたらされ、バネッサ所長も戦線に復帰した今、少し楽観的になっていた。


「オークに負けるな!!オークよりも多く倒すぞ」

「オーガに負けない!!オーク強い」

「ゴブリンの意地を見せろ!!」


 リオネッサ将軍が言う。


「軽口を叩けるようになったか・・・このままいけば・・・」


 しかし、その期待は脆くも崩れさる。


「巨大なスカルドラゴンが接近中!!」


 スカルドラゴンはドラゴンはドラゴンでもアンデッドに類するドラゴンで、一言で言えば、動くドラゴンの骨だ。そのスカルドラゴンは巨大で、スケルトンを踏みつぶしながら、ゆっくりとこちらに向かってくる。


「オーク隊、オーガ隊!!すぐに退避しろ!!パワーゴーレムは壁を作れ!!」


 もう大きさが違う。パワーゴーレムも無残に踏みつぶされていく。


「これじゃあ、この城壁も持ちませんね・・・」

「そうだな・・・」

「それに森の中のトラップも、スカルドラゴンには無意味です」


 実は森の中には、トラップを仕掛けまくっている。

 主なものを挙げると、アラクネ族による蜘蛛の糸を張り巡らせたフィールドやリザードマンとフロッグ族が活動しやすいように湿地や湖のフィールドなどがある。これにはエルフの大反対があったが、それでも強引に納得させて構築した。

 しかし、巨大なスカルドラゴンの前では無意味だろう。


「森の中の兵たちも退避させる。ここを突破されたら、決戦は刑務所の壁を背に戦う」

「それしかないでしょうね・・・」


 女王陛下が言う。


「仕方ない。奥の手を使おう」


 俺たちの最後の手、それは巨大ゴーレムだ。


「陛下とわらわで操作すれば、何とかなるじゃろう。しかし・・・」


 あまり長く起動できないし、巨大ゴーレムが破壊された時の精神的ショックは計り知れない。

 しかし、この状況ではそれしかない。


「もっと開発を急ぐべきじゃったのう・・・」

「バネッサ殿、今それを言っても仕方ありません。スカルドラゴンの動きさえ止めれば、勝機は十分にあります」

「うむ」


 女王陛下が魔力を込め、バネッサ所長が巨大ゴーレムを操作する。

 そして、スカルドラゴンと巨大ゴーレムががっぷり四つの形で力比べをしている。


「ゴーレム様が!!」

「ゴーレム神様が動かれた」

「ゴーレム!!ゴーレム!!」


 士気はかなり上がった。


「ゴレーム隊は最後の力を振り絞れ!!スカルドラゴンを止めている間に他のスケルトンを殲滅しろ!!」


 皆が必死で戦っている。

 巨大ゴーレムがスカルドラゴンの進撃を止めたことで、戦線は維持できた。問題はスカルドラゴンをどうするかだけだ。


「大砲ゴーレムを残しておけば・・・俺のミスです・・・」

「センパイ、今はそれを言っても仕方がない。できることをするぞ」


 俺が見たかぎりでは、通常のドラゴンに比べて、スカルドラゴンの防御力は高くはない。

 大砲ゴーレムがいれば、吹き飛ばすことは可能だろう。しかし、こちらにはその火力がない。


 一進一退の攻防を繰り広げていたスカルドラゴンと巨大ゴーレムだが、だんだんとスカルドラゴンに押し込まれていく。女王陛下とバネッサ所長も限界に近いようだ。


「仕方ない・・・アレを使おうと思うのですが・・・」

「バネッサ、よいのか?」

「ええ・・・ルークも分かってくれると思いますじゃ。ゴーレムが消し飛んでも、わらわとルークの思い出が、消し飛ぶわけではありませぬ」


 バネッサ所長がやろうとしているのは、巨大ゴーレムによる自爆攻撃だ。

 リオネッサ将軍がこれに反応する。


「それではまず、現在戦闘しているゴーレムを一斉に爆破させます。その間に我々は退避します」

「それで構わん」

「うむ」


 リオネッサ将軍の指揮で、一斉にゴーレムを爆破させた。

 そして、俺たちの退避が完了したと同時に巨大ゴーレムを起爆させた。物凄い爆発音が響き渡る。


 しばらく静寂に包まれた後にフェイさんから報告が入った。


「スカルドラゴン大破!!スカルドラゴン大破!!」


 普段冷静なフェイさんが興奮している。

 リオネッサ将軍が言う。


「落ち着け。それでスタンピードはどうなったのだ?」

「し、失礼しました。スタンピードは鎮圧できたものと思われます。残っている魔物もいますが、統率されているようには見えません」

「よし!!それではこれより警戒態勢に移行する。治療が必要な者は治療しろ」


 フィオナ嬢が言う。


「センパイ、これって?」

「ああ・・・俺たちは生き延びたんだ・・・」


 どうやら、俺たちはアトラス最大の危機を乗り越えたようだ。

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