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異世界のんびり刑務官~異世界で無双?そんなの俺は求めてない。ただ安定した生活がしたいだけなんだ!  作者: 楊楊
第四章 女王の帰還

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56 スタンピード 

 それから3時間後、オオカミ系の魔物の群れが集団で襲ってきた。

 報告によるとCランクの魔物であるグラスウルフとのことだ。リオネッサ将軍が指示する。


「オーガ隊、オーク隊!!防御を優先して前進を阻止しろ!!ケンタウロス部隊は、作戦通りに機を見て後方から包囲しろ!!」


 緊急で招集した部隊だったが、リオネッサ将軍の指揮もあり、上手く統率が取れていた。

 オークとオーガたちがしっかりと受け止め、チャンスと見たケンタウロス部隊が包囲して、殲滅していく。思ったよりもあっさりと片が付いた。


「油断するなよ!!次の波が来るぞ!!オーガ隊、オーク隊は被害の確認をしろ。治療が必要な者は、後方に下がって治療だ。まだまだ先は長いぞ」


 続いてやって来たのは、グレートボアというイノシシ型のBランクの魔物の群れだった。


「パワーゴーレムを前面に配置しろ!!エルフ隊は、弓で攻撃だ。多少、ゴーレムに当たっても構わん。絶え間なく撃て!!」


 流石にオーガやオークでも、怪我人が多く出ると判断した指揮だった。

 パワーゴーレムはその身を犠牲にして、グレートボアの群れの突進を止めている。半分ほどのパワーゴーレムが大破したところで、グレートボアの突進が止まり、時間は掛かったが、こちらも殲滅することができた。


 情報部隊のフェイさんから報告が入る。


「パワーゴーレムの3分の2が戦闘不能。負傷者は軽症者が数名、治療後はすぐに戦線に復帰できます」


 俺は思わずつぶやいてしまった。


「ゴーレムの損耗率が高いな・・・最後まで持つかどうか・・・」


 リオネッサ将軍が怒鳴る。


「弱音を吐くな!!特に指揮する立場の者がそんな態度では駄目だ」

「す、すみません・・・」


 俺だって、多少は戦闘経験があるが、こんな大規模な部隊の指揮をしたことはない。

 普段の俺なら、間違いなく逃げているだろうしな。


 そこからは、グラスウルフ、グレートボアに加えて、熊系などが混在した魔物の群れがやって来る。

 俺は、リオネッサ将軍に意見具申をした。


「第一防衛線を放棄して、撤退をしましょう。少し早いですが・・・」

「やむを得んな・・・」


 リオネッサ将軍は部隊に撤退を指示した。


「動かせるゴーレムは下げ、戦闘不能になったゴーレムは起爆しろ!!」


 ドワーフの少女マリベラが悲痛な表情で、任務を遂行する。


「仕方ないッス・・・ゴーレム様、貴方たちの犠牲は無駄にしないッス!!」


 ドカーンという爆発音が鳴り響いた。戦闘不能となったゴーレムが多くの魔物を撒き込んで爆発した。

 少しの間、魔物の進行が止まったところで、こちらは一気に第二防衛戦まで撤退した。


 俺は、魔法部隊に指示を出す。


「土魔導士隊、水魔導士隊!!魔法発動!!」


 土魔導士と水魔導士が俺の指揮に合わせて魔法を発動する。

 こちらはただ後ろに下がっただけではない。土魔法と水魔法で地面を田んぼ状態にしたのだ。この作戦は上手くいき、多くの魔物が足を取られている。


「センパイ、よくやった。遠距離攻撃隊!!一斉射撃だ!!」


 エルフの弓、魔法攻撃が得意な種族が中心となって、攻撃を繰り出す。

 次第に群れの勢いはなくっていった。そこに沼地でも自由に動ける戦車型のゴーレムを投入する。


「戦車ゴーレム!!突撃!!」


 魔法と相まって、どんどんと敵は殲滅されていく。


「これで楽ができればいいんですが・・・」

「私もそう思うが、そうも行かんだろう。ゴブリンたちも疲弊しているからな・・・」


 ゴブリンたちは、意外にもゴーレムを操作する能力が高い者が多く、ゴレーム隊の主力を担っている。魔力量が少ないので、交替で操作しているが、それでもかなり疲弊している。皆、魔力回復ポーションをがぶ飲みしているしな。


 そんな時、フェイさんが慌てた様子で報告に来た。


「かなり大きな熊型魔物が接近中。キンググリズリーの亜種だと思われます」


 リオネッサ将軍が言う。


「とうとう来たな・・・とりあえずは、奴を倒せば・・・」


 多分、キンググリズリーの亜種が獣系の魔物の親玉なのだろう。

 一般的なスタンピードであれば、これでスタンピードは収まる。親玉を倒した時点で、残った魔物は散り散りになって逃げていくからな。多少の後処理は必要だろうが・・・


 俺はフィオナ嬢に指示をする。


「フィオナ嬢、そろそろ行くぞ。魔力の装填は完了したか?」

「はい。いつでも撃てます。それにしてもセンパイは凄いですね・・・」

「今はそれどころじゃない。それにこれは実戦で使ったことはないしな・・・」


 俺が開発したのは、大砲を装備したゴーレムだ。

 大砲に魔力を装填し、一気に発射する。もちろん、フィオナ嬢はかなり気に入っている。

 フィオナ嬢を含む、多くの魔導士が魔力を込め、俺が照準を合わせる。キンググリズリーの亜種を引きつけたところで、俺は大砲ゴーレムから大砲を発射した。


 物凄い魔力の塊が飛んでいき、キンググリズリーの亜種の頭部を吹き飛ばした。

 キンググリズリーの亜種は仰向けに倒れ、動かなくなった。すると、獣系の魔物たちは、統率を失って、逃げようとしたり、パニックになって暴れ出したりした。

 こうなれば、どうということはない。後は遠距離からちまちま攻撃すれば、そのうち殲滅できる。


 必要最低限の部隊を残し、治療や回復に専念させる。


「上手くいきましたが、大砲ゴーレムが大破しました・・・一発だけしか撃てないなんて・・・」


 フィオナ嬢はショックを受けていた。

 まあ、仕方がない。急遽作ったものだから、耐久性のテストもできなかったからな。こうなるのもある程度は予想できたから、生身の人間が撃つタイプの物を作らなかったのだ。


 獣系の魔物の進行を食い止めた俺たちだったが、これで終わりではなかった。


「今度はゴーレムやリビングアーマーが大挙してやって来ています」


 リオネッサ将軍が言う。


「まだまだ、楽はさせてもらえないようだな・・・」


本当にそう思う。

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