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異世界のんびり刑務官~異世界で無双?そんなの俺は求めてない。ただ安定した生活がしたいだけなんだ!  作者: 楊楊
第四章 女王の帰還

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55 アトラスの危機 3

 防衛拠点が急ピッチで構築されていく。

 土魔法で作った壁を何重にも設置し、各所から集めてきたゴーレムも配備していく。それに簡易のゴーレム工場も作ってしまっていた。

 そして・・・


「居てくれるだけでも、心強いッス」

「ああ・・・まさに守り神だな」

「ゴーレム!!ゴーレム!!」


 巨大ゴーレムも、ここに配備してしまっている。まあ、これは最終手段だけど・・・


 俺はというと、情報部隊と連携を密にリオネッサ将軍やフィオナ嬢、バネッサ所長や女王陛下と連日軍議を行っていた。

 フィオナ嬢が言う。


「それにしても、ここで発生しているスタンピードはおかしいですね。私も冒険者として、何度かスタンピードに対応しているのですが、それと全く異なります」


 スタンピードの発生原因は特定されていない。一説によるとダンジョンが関係していると言われている。

 というのも、スタンピードの発生源を調査すると、決まって新たなダンジョンが見つかるからだ。なので、冒険者ギルドや国軍はダンジョンを定期的に調査して、管理をしている。

 しかし、アトラスで定期的に起きているスタンピードはそうではないようだった。


 リオネッサ将軍が言う。


「スタンピードで発生する魔物は大体種類が決まっているが、アトラスでは多種多様な種類の魔物が発生しているな・・・軍の基本戦術も使えないな」


 一般的なスタンピードであれば、アンデッドならアンデッド、獣系なら獣系のように種類が固定されている。スタンピードを鎮圧し、その後の調査でスタンピードで発生した魔物が多く発生するダンジョンが発見されることが多いので、スタンピードの原因はダンジョンにあるという説が生まれた経緯があるくらいだ。


 バネッサ所長が言う。


「他にもおかしな所があるぞ。スタンピードの発生源が移動するなんて、普通ならあり得ん。文献を見る限り、どんどんとこちらに近づいておる。前回はもっと北だったはずじゃが、今回は調査の結果、以前ドワーフたちが住んでいた居住区が発生源のようじゃしな」


 俺が意見をまとめて、発言する。


「一般的なスタンピードと違うことは分かりましたが、全く対処できないわけではありません。やり方を工夫すれば、基本戦術を応用できます。それと発生源についてですが、まずはスタンピードを鎮圧することに全力を注ぐべきです。その後からでも、遅くはありません」


「センパイの言うとおりだな。とにかく目の前のやるべきことをやるしかない。では、これで軍議は終了とする」


 女王陛下が宣言し、会議が終了した。

 会議終了後、俺は女王陛下に呼ばれた。


「センパイよ。流石の我でも、これは骨が折れるな」

「そうですか・・・でも、使うことは最後の手段ですからね」

「そうならないことを祈っているが、備えは必要だ。我もできる限りのことはしよう」


 俺は女王陛下に特別なお願いをしていた。まあ、使うことはないだろうけど・・・


 会議終了後、俺は最終確認で防衛拠点を周る。

 ミケも一生懸命に補給線を整えてくれているし、多くの非戦闘員もここで働いてくれている。それぞれに声を掛けながら、チェックして行く。なぜか分からないが皆、俺には好意的だった。


「使徒様、どうかお願いします」

「使徒様が居てくれたら何とかなりますよ」

「どうか使徒様も、ご無理はなさらないように」


 面倒くさいので、最近ではゴーレム神の使徒という設定を受け入れてしまっているからかもしれない。



 ★★★


 俺は今、スタンピードの発生源と思われる小高い山に情報部隊のフェイさんとともに視察に来ていた。


「本当に多種多様な魔物がいますね」

「そうですね・・・それで、あとどれ位で発生するのでしょうか?」

「分かりませんが、色々な文献によると魔物同士が殺気立ってきて、その内、亜種と呼ばれる強力個体が発生するようです。ですので、そういった兆候があれば、すぐに報告して下さい」

「分かりました」

「俺の見立てでは、後一週間くらいかと・・・」


 もう時間がない。



 そして、それから5日後にフェイさんから報告が入った。魔物が殺気立ち、他の魔物とは異なる強力な亜種が発見されたとのことだった。


 部隊員を集めて、最後の訓示を行う。

 ここでは細かい指示はしない。既に済んでいるというのもあるが、今はそれよりも士気を高めることに重点を置くべきだ。これはリオネッサ将軍や女王陛下からアドバイスされたことが大きい。とにかく盛り上がるようにしろとのことだった。


 仕方ないので、柄にもなく大声を上げる。


「みんな、心配しないでくれ!!俺たちには、ゴーレム神がついている!!ゴーレム神を見てみろ!!」


 一同が一斉に直立している巨大ゴーレムを見上げた。

 そして・・・


「う、動いている・・・」

「ゴーレム神様・・・」

「ゴーレム様が・・・ゴーレム様が・・・」

「ゴーレム!!ゴーレム!!」


 巨大ゴーレムの肩に乗っている女王陛下が拡声の魔道具で語り掛ける。


「我は偉大なるゴーレム神に認められた女王ヴィクトリアだ!!皆の者、存分に戦え!!しかし、危なくなったらすぐに引け。我とゴーレム神が何とかしてやろう」


 一同から団歓声が上がる。

 次第にゴーレムコールが広がっていく。


「「「ゴーレム!!ゴーレム!!ゴーレム・・・」」」


 カルト教団の集会のような訓示が終った後、女王陛下に言われた。


「動かすだけで、かなりの魔力を使うな・・・戦闘となると・・・」

「そうですね・・・そうならないように願うばかりです。士気はかなり、上がりましたけどね」


 というのも、この巨大ゴーレムはハリボテに近い。

 余計なパーツを取り外して、攻撃力なんてほぼない。ただ、みんなを鼓舞するためだけに動かせるように改造した。

 バネッサ所長なんかは、文句を言っていたけどな。


わらわにしてみたら、納得がいかん。こんなの我が最愛の夫ルークの理想のゴーレムではない」


 これには女王陛下が宥めていたけどな。


「バネッサよ。今はまず、生き延びることだ。ルークも理解してくれるはずだ」

「分かっております・・・」



 準備も整ったところで、フェイさんから報告が入った。


「動き出しました。最初は獣系の魔物が突進してきます」


 とうとうスタンピードが始まったようだ。

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