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異世界のんびり刑務官~異世界で無双?そんなの俺は求めてない。ただ安定した生活がしたいだけなんだ!  作者: 楊楊
第三章 人事異動

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41 アトラス刑務所 2

 アトラス刑務所は、高さ100メートル以上の壁に囲まれている。

 驚いたことに受付は生気のない声を発するゴーレムだった。


「マッテ、マシタ。コチラへ、ドウゾ」


 流石にフィオナ嬢もリオネッサ将軍も驚く。


「噂には聞いていましたが、本当だったとは・・・」

「うむ。実際に見ると驚く」


 二人はある程度、この刑務所の内情を知っているようだった。

 ゴーレムに導かれ、俺たちは所長室に案内された。そして、所長席に座っていたのは、これも驚いたことに赤髪の幼女だった。10歳くらいの美少女だが、変に風格がある。

 俺が戸惑っていると、幼女が怒鳴る。


「おい!!挨拶くらいせんか!!最近の若い者はそんなこともできんのか?嘆かわしい。この国もいよいよ終わりじゃな」


 若い者って・・・お前よりは俺は年上だぞ!!


 フィオナ嬢が俺の脇腹を肘で突き、耳打ちをしてくる。


「彼女が所長のバネッサ様です」


 思考が追いつかない。

 そんな中、リオネッサ将軍が声を発する。


「リオネッサであります!!警備主任として着任致しました」


 フィオナ嬢も続く。


「フィオナ・スペンサーです。総務主任として着任致しました」


 あれ?

 フィオナ嬢とリオネッサ将軍がここの職員に!?

 それにあの幼女が所長?


 全く訳が分からないが、二人に併せて着任の挨拶をする。


「アレク・サンドルです。副所長として着任いたしました。併せて識別番号1番の護送任務も完遂致しました」


「うむ。まずはそこの囚人を特別房に連行せよ。話はそれからじゃ」


 俺は言われるがまま、閣下をゴーレムの案内で連れて行く。

 閣下が特別房に入っていく。ぱっと見た感じ、かなり豪華な部屋だった。まるで王侯貴族の居室だ。


「バネッサめ・・・気を遣うなと言っておったのに・・・」


 閣下がつぶやく。

 もう何が何だか分からない。



 ★★★


 所長室に戻る途中、フィオナ嬢から事情を聞いた。


「どうしてフィオナ嬢がここに?」

「それは冒険者一本だと、設定的にあまりよくないかと・・・しがない刑務官だけど、実は魔法少女というところが、肝ではないかと。センパイと一緒ですよ」


 フィオナ嬢なりのよく分からないこだわりがあるようだ。

 それにどうもフィオナ嬢は、俺を勘違いしている。俺は本当にしがない刑務官なんだ。

 変身して魔法少年になるわけではない。


「将軍もどうして刑務官に?冒険者をされるはずでは?」

「冒険者はどうも性に合わなくてな。設定にこだわったり、やたらと制約が多いし・・・」


 それは冒険者がどうのという問題ではなく、クラン「仮面舞踏会」の問題だと思う。

 まあ、これ以上はツッコムことはしなかったけど。


「話は変わりますが、所長があんな幼女って、どういうことですか?」

「暴虐のバネッサ・・・聞いたことくらいはあるだろう?」


 暴虐のバネッサとは、伝説の大魔導士で宮廷魔導士団の名誉顧問だ。

 その伝説の数々は知っているが、かなり高齢のはずだけど・・・


「実験中の事故で、あのような姿になったのだ。年齢は聞かないようにな」

「そ、そうなんですね・・・」

「このことも極秘事項だ。他国に知られるわけにはいかん。存在だけで抑止力になるからな」


 リオネッサ将軍によると、幼女の姿になってから、アトラス刑務所の所長をしているようだ。

 ここなら、誰とも会わなくても何とかなるからな。


 そんな話をしながら、俺たちは所長室に戻った。

 バネッサ所長が俺たちに言う。


わらわは所長じゃが、仕事はせん。実験が忙しいからのう」


 いきなりの職務放棄宣言だった。

 やる気のない文官たちでさえ、ここまで大ぴらに宣言はしない。働いているフリくらいはするはずだ。


「ということで、副所長。刑務所の仕事は全部、お主がするように」

「は、はい・・・」


 続いて、フィオナ嬢にも指示をする。


「それで総務主任は、わらわの実験助手をしてもらおう。魔法が得意のようじゃし」

「はい」


 もはや刑務官の仕事ではない。

 リオネッサ将軍にも。


「警備主任には、囚人の相手をしてもらおう。腕に覚えがある者も多いからな」

「はい、望むところです」


 警備主任だから、囚人が暴れた時の対応を指示されるのは当然だ。

 しかし、今までどうやって囚人を管理してきたのかと疑問に思ってしまう。


「まあ、指示はしたが、今のところ特にやらなければならん業務はないのじゃ。指示があるまでゆっくりと過ごすがよい」


 意味の分からない俺は、質問をする。


「あのう・・・仕事がないってどういうことでしょうか?それに囚人の管理は?逃げだしたら、大変なことに・・・」


 言い掛けたところで、話を遮られた。


「そうじゃ!!肝心なことを忘れておった。最近、物忘れが酷くてのう・・・囚人どもにも紹介してやらんとな」


 そう言うと、バネッサ所長は通信の魔道具を手に取って叫んだ。


「おい!!点呼をするぞ!!3時間後に中央広場に集合じゃ!!遅れたら死刑じゃ」


 囚人の点呼をするらしい。

 遅れたら死刑って・・・


 3時間後、俺たちは中央広場に向かった。

 そこには驚きの光景が広がっていた。

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