表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

月明かりとヒロイン

今回はついに健と一葉先輩が1話目を書き上げます!

「一葉先輩、さっそく書いてみたんだけどどう思う?」


電車がフルスピードで住宅街を走り抜ける中、俺はスマホの画面をハイテンションで一葉先輩に見せる。


「へぇ、どんな感じ?」


一葉先輩は俺からスマホを受け取って読み始める。 


「次は西宮北口、西宮北口です」


電車が一駅分走り終わろうとしたタイミングで一葉先輩が顔を上げる。


「良いとは思う。だけど気持ちの描写が少ない気がしたくらい」


「分かった。直してみる」


◯◯◯


「ダメに決まってるでしょ」


翌日、生徒会室で創作者としては先輩である梨美にも読んでもらったのだが……


「全然ダメ、何回そして、そして言えば気が済むのよ!」


順調にダメ出し…と言うか説教を受けていた。


「気を付けてるつもりなんだけど……」


「気を付けてたらこうはならないでしょ、あとセリフにかぎ括弧が無いから分かりにくいし…、ラブコメとしては感情表現が足りないと思うわよ」


一葉先輩にも言われた事だった。


「は、はい…」


ちなみに一葉先輩はと言うと、俺達の事は気にせずに俺の貸したラノベを熱心に読んでいる。


「"昔から"そうよね、アンタが小説を書くとそしてまみれになる」


俺がぐぅの音も出ないでいると…


「昔からぁ?」


一葉先輩がいつもより大きめな声で聞いてくる


てか食いつくのそこ!?


何かこの2人ライバルみたいになってないか?


まぁ考えすぎか


~10分後~


やっとの事で改善点と言うなの説教が終わり、俺は一葉先輩と共に帰っていた。


梨美は美術部があるとかで先に生徒会室を出ていってしまった。


またフルスピードの電車に揺られる中、俺はある事に気付く。


「一葉先輩、本は?」


「読み終わった」


「す、凄い」


一葉先輩は俺の貸してたラノベを3週間と掛からずに全話読破してしまった。


俺ですら4週間はかかったぞ


まぁ好都合だが……


「なぁ良ければ今日、うち来ないか?一緒にラブコメについて考えよう」


「良いよ」


いや、前も思ったがアッサリすぎないか……


俺達はラブコメの勉強をする事にした。



俺は先輩と家に帰って直ぐにあるブルーレイを探し出した。


それは俺を大きく変えてくれたアニメだった。


「それじゃ、ラブコメを学ぶためにラブコメを見てみよう」


「で、見るのがそれ?」


「あぁ、一葉先輩もちょうど原作全て読めたみたいだし、俺を変えてくれた神アニメさ」


『先輩、私、先輩の事が好きになったみたいです』


生徒会室でいつもは気弱で静かなヒロインが勇気を出して告白する。


俺は何度目かわからない告白シーンにこれまた胸をドキドキさせながら見る。


やっぱり何度見ても良いんだよなぁ。このシーンは


俺がオタク全開で見ている隣では一葉先輩も食いついてみている。


~6時間後~


夕飯だけは食べたがそれ以外全ての時間を費やしてアニメ2シーズンとOVAを見切った。


まぁ、これでも"徹夜でギャルゲー"よりはマシだろう


気付けば時計は0時近くなっていた。


まぁ明日は土曜日だから大丈夫と言えば、大丈夫だが……


「一葉先輩、その遅い時間だし、泊まっていく?」


「うん」


いやだからアッサリ過ぎるだろ


"何処かのギャルゲーヒロイン"と同じくらいアッサリ過ぎて驚く。



結局布団は二枚も無いので、一葉先輩は俺のベッドで寝てもらって、俺がカーペット敷の床で雑魚寝となった。



横になってから数分して一葉先輩がベッドから聞いてくる。


「まだ起きてる?」


「あぁ、起きてるぞ」


やはりカーペットだけでは普通に体が痛くて寝にくい。


「良かったら、ちょっと散歩でもする?」


こうして俺達は夜の街を少し歩く事にした。


部屋を出て下に降りると、リビングには空のチューハイの空き缶が置かれていた。


何時ものようにお酒を飲んで寝たらしい。


俺達はそぉっと家を出る。


街はスッカリ紺色の空に覆われていて、明かりは道路用の街灯と歩道用の小さな街灯のみだ。


ある程度の規模の道なので歩道側にも街灯があるのでまだ明るいほうだろう。


「何処までいくの?」

 

「ある場所までな」


しばらく二人で歩いていると、周りの店が暗いのもあって物寂しい。


店と言っても、個人経営の花屋や本屋、魚屋などだが……


そうこうしていると、道の横が拓けて、小さな丘と花で一杯の花壇がある場所に出た。


そこから伸びる道は明かりは今までより少ない。


分かっていたが正直怖い自分も居た。


そんな中でも勇気を出して一葉先輩の手を取る


「//」


「ここからはちょっと暗い道だから手をつないでこう……」


正直超恥ずかしいが我慢する


俺は歩きながらチラッと隣を歩く先輩を見る


顔は俯いていて、ほんのり赤いのが分かる。


さらにいつもの制服じゃなくて私服なのもあり、余計に可愛く見えて仕方ない。


少しあるくと広い場所に出た。


後は林だが前は開けていて、柵があるだけだ。


俺と先輩は共に下を見る


眼下に見える池には月が鏡のようにクッキリ写っていた。


「月が綺麗"ですね"」


「?、一葉先輩がですねって言うのちょっと珍しい」


「い、いや深い意味は無いよ」


そう言うと一葉先輩は恥ずかしそうに俯く


俺は何がなんやら分からずに居た



(私、なんであんな事言っちゃったんだろう)


かつて文豪の夏目漱石さんが、『I LOVE YOU』を『月が綺麗ですね。』と訳したという有名な都市伝説がある。つまり『月が綺麗ですね。』と言えば、すなわち『あなたが好きです。」という愛の告白とも言える。


私はなぞらえて言ったのだが健君は分からなかったみたいだけど。



俺は一葉先輩を改めて見る。


月明かりに照らされていて、かぐや姫のように美しくて可愛い。


(やっぱり先輩にヒロイン頼んで良かったな)


それからもしばらく月を眺めて、俺達は帰ることにした。


~翌週~


「良くなったと思うわよ」


「本当か!?」


俺は再び梨美に書き直した物を読んでもらっていた。


「えぇ、表現もリアルになった気がするし」


「まぁ、実際の出来事を元に書いてるから」


後から一葉先輩が言う


「実際の出来事って?」


「えーとだな」


俺が言葉に迷っていると


「夜の散歩の所とか」


「あああ」


俺は冷や汗を流す


何故かって、目の前で梨美が怒りに震えてるからだ


「この浮気幼馴染がぁー」


「はぁ!何が浮気だよーってぐは」


こうして俺は梨美に何故か説教されました




最後までお読み頂きありがとうございます! 

今回でやっと健と一葉先輩が1話目を描き終えました!そして夜の散歩のシチュエーションはやっぱりドキドキした感じになって良いですね。書いてても思いました。では次回もお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ