映像の突き合わせをする増田くんと水野さん
増田学です。
みんなからの映像でいろいろパンクです。
自分のスマホに入りきりません。
そしたらジョージくんが
「これ、マイティさんからの差し入れです。ちなみにUSB-Cですが大丈夫でしょうか?」
と、大容量SSDをまた持ってきてくれました。
「また」というのは、夏休み最初のほう、通称マイティスライダー撮影のときにも
「何かと入用だろう?」と一つ貸してくれたからです。
助かる・・・自分のスマホなのに何もできなくて困ってたんだ・・・
えっ?二つあるよ?何で?
「多分ですが、元映像とは別に、最終候補用に一つを使え、という意味だと思います。最後の編集は流石にPCですよね?」
ああ・・・そうだけど・・・間違っての上書き防止ってことかな?
「だと思います。編集は必要であれば僕も手伝いますよ? あと、USB-C で大丈夫でしょうか」
うん。お古のスマホだけど、そこまで古くないから大丈夫。
そういえば、マイティさんの会社のPCがあるとか言っていたね。
「あれをPCとひとまとめにしていいか、少々悩みます。学校のPCとは別物ですから」
そんなにか?
「はい、授業で使っているPCはChromebookですよね。これはCPUが4コア、メモリが8GB、ストレージはわかりませんが、基本ブラウザだからそれほど大きくないと思います」
そんな感じだな。Windowsを使っている学校はヒサンだ、と聞いたこともあるな。
「そうですね、マイティさんの会社のかたにもいろいろ教えていただいていますが、Windowsでは16GBでもメモリはすぐ足りなくなるそうで、8GBなどありえん、とのことでした」
まあ、全員に配るわけだから、予算の制約というのもあるだろう。
「で、価格は一桁万円の後半だそうです」
八万円としても960人として・・・約7680万か・・・大変な金額だな。
「まあ、何年も使うわけですから、毎年買うわけじゃないですが、数年に一度はお金が掛かってしまうんでしょうね」
マイティさんのPCはすごいの?
「はい、CPUは32コア、メモリは1TB、ストレージは32TBあります。それにゴツいGPUカードを積んでます」
・・・よく分からんが凄そうだってことだけはわかる・・・
スマホでもメモリ1TBってあるけど、あれはPCでいうところのストレージだって習ったからな・・・
えーと、50万円くらいするの?
「マイティさんからは教えてもらえませんでしたが、会社の方に聞いたら、あくまで定価、だそうですが、『合計したら 150~200万くらいはするんじゃない?』とのことでした・・・」
えっ・・・
「会社の方は『Zen 8になって安くなったからさー』とおっしゃってましたが、何が安いのかよくわかりませんでした」
それはそうだろうね・・・小さいのでよければ、車が買える値段だもんね
とりあえず、それが使えるんなら、凄い合成もできそうだね。
「あと、GPUサーバというのが別にあって、これは会社のもので、必ずしもマイティさんが自由に使えるわけではないですが、空きがあれば使えるそうです」
そっちは5・・・800万円とか?
「四台でざっくり一億くらいとのことでした。『これでもものすごく安くなったんだよ!』、とおっしゃっておりましたが、どこが安いのかまったくわかりませんでした」
億がきちゃうか。わざわざ上げたのにな・・・
「今、色々習っているところですが、学校のPCとは別物、実習室や理学部のPCはいいのもありますが、それらより遥かに上の性能であることは間違いないです」
それに比べればこのSSDなんて誤差か・・・
とりあえず、シーンの選択を始めるよ。マイティさんには増田がお礼を言っていた、と伝えてくれると嬉しい。
・・・
と、いうわけで、SSD を貸してもらっただけなのに、ただただ圧倒されることになったんだよ。
「はあ・・・相変わらずね、マイティさん。でも、気を使ってくれたのかもよ? カントク?」
え? 水野さん、どういうこと?
「このSSDだって、一万円じゃ買えないでしょ? あたしたち、普通の高校生にとっては充分高価なものなのよ。それを三つもなんて・・・ワタクシは金持ちだから気にするな・・・って言ってくれたような気がするの」
うん、そう言われると有り得るな・・・
「今の話を聞いてると、ジョージくんもスマホがリファービッシュ品かも・・・って配慮しているんじゃない?」
リファービッシュ?Reがつくから、再利用とかそういう意味?
「そう、中古のスマホを綺麗に修復した疑似新品。バッテリーは新しくなったとしても、USB-C でなければ・・・なんだっけ?昔のケーブル?」
ああ、わかった。そうだね。ウチの母も小さいのがいいっていって、凄く古いのを無理矢理延命しているけど、ケーブルがね。
「そうそれ。更生カンパニー?の人との乱闘では引いちゃったけど・・・マイティさんって結構、すごくみんなに配慮してるよね」
そうだね。で、一応、OKカットの中から、15分のPVを作れそうなやつを・・・まだ複数候補はあるんだけど選んできたから、女子的?というとアレかもしんないけど、一緒に見て、僕の感想と選定理由を聞いてアドバイスしてくれないかな?
・・・
水野クミです。
カントクことマナブくんと・・・ある意味密着するシチュエーションが増えてます・・・
吊り橋効果? かもですけど、中央高では珍しい内部交際でもいいかな、と思いはじめています。
イケメンか?と言うと、残念ながらイケメンとは言えません。でも、普通です。
ブサメンではないですよ。
正直、普通が一番です。ヘンに顔が良くても他の子にもモテてヤキモチ焼いたり、浮気の心配したりで疲れそうですし、もう少し背があったほうがいいかな、とは思いますが、まあ、男子だし、まだ伸びるかもしれないけど、これくらいでも別に普通だし、とは思います。
最初はそんなこと考えてもいなかったんですけどね・・・
高嶺祭の映像監督なんて、正直、カントクもあまり深く考えてなかったと思うんです。
どちらかというと、脚本を作ったんだから、一番わかってるだろう?という感じで流されて監督になった感じに見えました。
たかが?一年の文化祭企画に過ぎないとは言え、責任者?になってしまうことの重圧は凄い重いはず。
しかもちょっとテキトーなこと言ったのにムっとして、実質助監督的な立場を引き受けました。
でも、なってみるとやる事、判断することの多いこと多いこと。
私が「カントク」と呼びだしたせいか、みんながカントク、カントクっていいって判断を迫ってくる・・・
この人、そんな強い人じゃないよーー。断わるとき物凄く苦しそうだよーー
って、言いたくても言えない。
私もカントクって立場を弁えた風にしているけど、結局、頼ってしまっている。
で、やっぱり強くなりきれないので、あとで私に言ったりするんです。
「・・・水野さん・・・人の努力を否定するのって、・・・こんなに苦しいんですね・・・」
ダメですよ!カントクが弱気になっちゃ!
努力を否定したわけじゃないですよ!
結果が伴ってないことを指摘せざるを得なかっただけです!
で、自分でも思ってもいなかったことをしちゃいました♡
カントクも高一男子ですから、こうされたら少しは回復しますか?
っていって、自分の胸にカントクの顔を・・・抱き寄せちゃいました。
「・・・水野さん・・・嬉しいにきまってますが、勘違いしますよ?僕」
まあ、勘違いしてもしかたのないシチュエーションです。今だけです。
特に恋愛感情はないです。どっちかというと母性本能的な?感じです。
でも、少しは元気が出るんじゃないでしょうか?
「・・・ああ、有名な『同情するなら金をくれ』、じゃないけど直接的なご褒美を頂いているわけですか。僕は・・・はい、勘違いはしないようにはしますが、記憶の底に残りそうなのは許してください」
はい、おしまいっ!!元気は出ましたか?カントク?
「出ますね。別のものも出そうですが・・・いやすみません、失言でした」
ぷっ・・・カントク、いくらなんでもそんなにすぐに出ないでしょ?
「いやいや・・・失言を重ねるのもアレなので、ともかくカットの確認を進めましょう!!」
はいはい。
でも、今まで私が女子的距離感で密着すると、少し間を開けようとしていたけど、まったく遠慮なく密着のままになっているの、自分で気付いていないのかなぁ・・・




