マイティさんの伝説を聞く中条さん
中条マリカです。ソロバンくん、ゼロ様曰く珠算くんが大量の型紙を作っている最中、ちょっと気になるウワサをご本人に聞いてみました。
ゼロ様、一つ聞いていいですか?
「なんだ、マリカ?」
あの、何年か前にゼロ様が不良外人を駆逐したというウワサがありました。
当時中学生くらいのはずですが、ホントですか?
「不良外人??・・・うむ、ああ、ドアホのマリーの付き添いのことかな?」
マリーさんというのはわかりませんが、モデルさんでしたか?
「うむ。フランス人で175cmくらいだったかな? 普通に美人だったが、ともかくワガママで皆を困らせていた」
へえ、どんなワガママだったんですか?
「まあ、遅刻は当たり前、食べるものでも着るものでも、ともかく『ウザい』やつであったな」
着るもの?モデルだと着るのが仕事ですよね?
「で、あるな。肌触りが悪いのなんのと煩いヤツだった。撮影の時は数十分我慢するのが普通なのだがな。あとは気温な」
気温ですか?
「うむ。ファッション雑誌を見ているマリカならわかると思うが、春夏モノは冬に撮る。逆に、秋冬モノは夏に撮る。なので、屋外だとクソ寒いか、クソ暑いのだ」
あーーーー、確かに・・・10月発売の雑誌は8月くらいじゃないと・・・
「そう、室内ならよいが、屋外撮影は過酷だ。秋モノを35度超えの炎天下で撮るのは普通に厳しい」
うえ、まじっすか?
「マジだ。化粧が崩れない一瞬をカメラマンが撮るのだ」
ちなみに春モノは?
「同様だ。下手すれば零下の屋外で春物を着て撮る。見た目は春っぽいが、真冬だな」
寒くないんですか?
「寒い。気合で毛穴?鳥肌??あれを立てないように努力するのだ」
無茶苦茶ですね。あれを努力でどうにかできるものなんでしょうか?
「数秒なら。春先に水着撮影をしているモデルも気の毒だったな」
できるんだ。まあ、水着特集を6月号で出すなら4月かー、寒いですよね。
マリーさんは我慢ができなかったんでしょうか。
「一応モデルだから我慢はできてはいた。が、日本人でも辛すぎる日本の夏や、絵的には風が吹いていたほうがいいのだが、春先に薄着で風に吹かれるのはつらいらしく、ともかく文句が多かった」
まあ、ヨーロッパ人には日本の夏は辛いでしょうね。そこは少し同情しますが・・・
で、そのマリーさんが文句が多いだけでなく、アホの子だったんですか?
「うむ、フランスのモデルというプライドがあったらしいが、日本で活動しなくてはいけない時点でフランスでは微妙な存在であったのだろうな」
あー、なんとなくわかります。都落ちということですか
「まあ、本国ではいいところのお嬢様のようで、白人と黒人の二人、ボディーガードを随伴してきておったのだ」
2mくらいのムキムキボディの人達だったんですか?
「2mより少しだけ低かったかな?筋肉質をムキムキというならムキムキではあったな」
黒人の人のほうが怖そうですね。
「そこは難しい話があるのだ。 アフリカの、元フランスが宗主国である植民地から独立した国家の場合など、その国の元王家や大統領一族などの名家で普通に大学院卒のエリートだったりすることもある。 フランスでも名家扱いで、黒人のほうが教育レベルが高く、人としても出来が良い場合も多いのだ。 アホのマリーの場合もそうで、白人ボディガードのほうがバカであった」
そうなんですね。
「うむ、白人のほうはマリーの犬のように従順でチンピラっぽく、黒人のほうが二人を宥めて問題を起こさせないように努力している感じだったな」
意外というか、そういう事もあるんですね。
「まあ、人種とバカさ加減はあまり関係がないな。あまり白人黒人と連呼するのもアレだから、短気なほうをビル、穏便で出来たほうをチャーリーという仮名で呼ぶか」
ビルさんとチャーリーさんですね。本当の名前じゃないんですね。
「忘れた。Aだとアリスが思い付いて仕舞ったのでBとCから名付けた」
単にアルファベット順ですか。
で、何があったんですか?
「そうだな、まあ、通常、ボディガードは一人居れば充分だ」
都会のスタジオ撮影ならそうでしょう。外なら二人いたほうが安心かもしれません。
「で、あるな。外の撮影は手間も金もかかるから、年に何度あるかどうかだ」
んー、ああ、まとめて撮って掲載月はバラしてるんですか?
「そういうことだな。で、マリーが面倒なのは、我侭だけでなく嫉妬深いのだ」
どういうことですか?
「チャーリーのほうは、体こそゴツいが温和な性格で誰に対しても礼儀正しい。日本語は片言だが、ゆっくりと単語の間を離して英語を発音すれば、日本人にも理解できるというのは理解して、モデルの皆とも会話ができていた」
ああ、そこまで気を使ってくれれば私もなんとか理解できます。
で、なんとなくわかったんですが、そうするとアタシのボディガードのくせになんで他の女の子に優しくするのよ!とか怒るとかですか?
「概ねそうだ。そうすると、ビルもお前は誰から給料をもらっているんだ?とか囃しかける。まあ、このへんは早口のフランス語だから皆にはわからん」
閣下はわかるらしいですね。すごいと思います。
「まあ、彼は努力の人だからな。で、私にもわかってしまう、なので割り込んだりするわけだ」
それって・・・積極的に怒らせに行ってません?
「まあ、そうかもしれぬ。『給与を出しているのはマリーではなく、彼女の父親だろう?』あたりで突っ込むわけだ」
うわーー・・・炎上しそうですね。
「ビルはバカだからな。すぐカッとなる。チャーリーはあせる。私はモデルメイクしているときだから、それほど強そうには見えない。実際より華奢に見えるようにしているからな」
ああ、グラビア見てた私には想像できます。
「ビルはそうなると下品な言葉遣いになるので、こちらは如何にも『おお、嫌嫌』という態度を出して、手でシッシッと払うような仕草をするわけだ」
うう、襲いかかられそうな態度としか言いようがありません。
「流石に少しは我慢ができる。チャーリーも『熱くなるな!この人もお嬢様なんだからこんなもんだ。落ち着け!!』などと抑えてくれるしな」
でもゼロ様というかマイティさんならここでもう一段ギアを上げそうな気がします・・・
「その通り。まあ、下品な言葉遣いで、イタリア出身だろうという想像は付いたので、一気にイタリア語で侮辱的な言い方でコキ下ろしまくったわけだ」
あのー・・・マイティさんって何か国語できるんですか?
「それはFAQというやつだが、何か国語とよく言われるが、英語やスペイン語は何か国語と数えればいいのだ?シンガポールもインドも英語が通じるし、南米はほぼスペイン語でOKだ。ブラジルだけポルトガル語だが、スペイン語でもある程度は相互理解が可能だ」
といってポルトガル語もできるんでしょう?
まあ、何か国語という言い方は確かに明確でないですね。何言語できますか、といえばいいのかなぁ
「まあ、ポルトガル語もできる。何言語といわれても、もうわからない。大体100くらい、と答えるようにしている。フランスのリヨンという街周辺で話されているフランコプロヴァンサル語というのがあるが、これも話せる。母方の祖母の出身地だからな。こういうのを入れると、何言語かわからぬ」
もしかして、英語でもイギリスとアメリカの使い分けができるとか?
「実際に行ってないので正確かどうかはわからぬが、一応できる。UK Englishと、US English・・・アメリカはエスタブリッシュとニューヨークと西海岸の
3つかな・・・」
ニューヨークと西海岸は東西なのでなんとかくわかりますが、エスタブリッシュって何ですか?
「政治家とかアメリカの上流階級的な気取った話し方だ」
はあ、確かに何言語といわれてもなんとも答えようがないですね・・・もういいです・・・で、真っ赤になったビルをイタリア語で煽ってどうなりました?
「チャーリーを押し退けて向かってきたところで胸倉を捕ませてから金的蹴り、怯んだところで鳩尾にトゥキック。ヒールだから効くぞ? で、頭を両手で掴んで膝で顎を割ってやった。丁度その日の衣装の左膝には金属のニーガードっぽい何かが付いていたのでな」
ああ、先に手を出たのはビルだっていう形をお作りになられたんですね。流石です。でも容赦ないですね。
「大変面倒であった。基本的には言葉で煽りに煽って向こうから手を出させる。そのカウンター狙いでないと流石に勝てぬ。衣装が戦闘向きではないしな」
まあ、モデルさんですから・・・で、マリーさんとチャーリーさんはどうでした?
「マリーは普通に真っ青になっていた。流石にモデルに対して大男に直接手を出させたらマズいだろうにプラスして、数秒でその大男が流血して倒れていることへのショックの両方だろうな。 チャーリーは『正当防衛だとは認めるがちょっとやりすぎだろう!』といいながらビルを引っ張ってマリーの側に戻っていった」
まわりの日本人モデルのみなさんは?
「騒がせて申し訳ない、と、あやまっておいた。それでも『大丈夫ですか?』くらいは言われたがな」
でも、マリーさんはみなさんに嫌われていたんじゃないですか?
「目一杯嫌われていた。なので、特段、問題とはされなかった」
次の撮影のときとかどうでした?
「ビルは居なかったな。チャーリーには改めて謝罪された」
なんかおっしゃってました?
『先日は大変申し訳なかった。お嬢様はもうすぐフランスへ帰る。ビルは解雇処分となった。その、膝とかに怪我をされたのであれば我が主人の責任で金銭的保証はするので・・・とりあえずこれを受けとっていただきたい。これは主人の気持だ。金で、というのは、あまり良くないのかもしれないが、遠隔地からではこれくらいしか示せる誠意がない』
お金を渡されたんですね。受けとったんですか?
「まあ、向こうの気持というなら受けとるしかない。税金処理はどうする?と聞いたら『最初に気にするのがそれか?こちらで損金処理しておくから自由に使え』と言われた」
なるほど、いくらか聞いてもいいですか?
「まあ、300だ。日本円でな」
え、300円のわけないから300万円? たたたた大金じゃないですか!
「なんというか、お互いにそれくらいだと大金というほどでないということだろう」
私なら受けとるとき震えちゃいますよ!
「まあ、現金で300万というのは、もしかしたらあの時が初めてかもしれぬな」
で、どうしました?
「さあ、どうしたかな?」
バッグ買ったとか宝石とか?そういうのは無いんですか?
「覚えてないなあ、あ、現地にいたモデル女子達には何Payだったかな・・・忘れたが一万くらいづつ配ってスイーツでもどうぞ、とメッセしておいたな」
大雑把ですね・・・
「多分、現金で持ってても使い辛いから、マネージャーに口座に入れてもらったと思うぞ」
それで伝説はおしまいですか?
「いや、チャーリーに『君は十分に強いんだろうけど、相手がナイフや銃を持ってることもあるから、あんなこと二度としちゃだめだよ』と怒られたな」
チャーリーさん、本当に真面目なんですね。
「まあ、お嬢様の教育係を兼ねていたらしい」
で、マリーさんとはその後何かありました。
「特に無いな。最後に会ったときもフランス語で話し掛けたが怯えていたようだ」
そりゃ、そうですよ・・・




