第二所属の部活動を説明する野球部部長の櫛谷くん。
一年の第二の皆さん、野球部へようこそ。部長の櫛谷です。
第二の部活動について、皆さんご存知だとは思いますが、お話しますね。
「部長、ずいぶん丁寧な口調っすね」
マモル、第二はお客様みたいなもんだからな。
んんっ 第二のみなさんの中には無料のバッティングセンター的なお考えをお持ちの人もいるかと思いますが、それは諦めてください。
硬式の球というのは大変に痛いです。バッセンで軟式の球を自分の体に当てたことがある人は、あれでもそれなりに痛いというのはおわかりだと思いますが、硬式はずぅ~っと痛いです。プロでも骨折するほどですからね。
硬式経験者であって、我々のほうで見て大丈夫、という人はバッティングケージ待ちの列に入れますが、そうでない方はランニングとキャッチボールです。
まぁ、どちらにしてもバッティング待ちの時間はキャッチボールや球拾いになりますけどね。あまり量は打てないです。バッセンと違って、自動で球を集める仕組みはないので、打ったからには取りにいかないとなりません。
一年で硬式経験者は手を上げてください。
マモル、お前も手を上げとけ
「承知しました!!」
ちらほらと、手が上がる。
すみませんが、週一くらいのペースで一年以上続いてない人は手を降ろしてもらえますか?
赤池だけか・・・ま、そんなもんだ。第二だしな。
「すまぬが、少々お尋ねしてよいか」
はい、マイティさんですね。鳥居原から聞いてます。
「硬式野球のクラブに所属したことは無いが、大学まで硬式野球部に所属していた兄様・・・父上の会社の社員から、ピッチングとトスバッティングとピッチャー守備のノックを受けているが、これは経験者に入ると見做していただけるもの、であるか?」
一、二回ならダメです。回数と頻度に寄ります。
「トスバッティングは、週一で2年ほど、ピッチングとノックは週一で半年を過ぎたくらい、であるな」
ピッチャーなら常に足りないので参加していいですよ。あと、一応野球部ですので、先輩には、デス、マス。でお願いします。
「承知であ・・・ります」
そこのマモル、赤池は同じクラスで顔見知りということでいいよな、マモル。
「はい!マイティさんは少なくともこちらから一方的には知ってます」
「赤池、まあ、知らんとは言わんし、話したこともある、あります」
マモル、安全に打てると思うか?
「チンガード付きのメットと、レガースを付けるなら行けると思います」
閣下はどうだ?
「だから閣下はやめろ。ピッチングはリリーフなら第一に混ざってすぐにでも。バッティングも問題ないだろ。マモル?の言った防具は付ける前提で」
「はい!閣下先輩!」
「だから閣下はもうヤメだと言ってるだろ」
まあいい、
はい、皆さん、実績作りだけの人は軽く一周走って、10球以上キャッチボールして上がって結構です。ともかくケガには気をつけて下さい。
・・・
で、第二の一年は赤池、マイティさんとジョージしか残らなかった。
まぁ、みんな第二のレポートが書ければいいか。
「部長、そんなもんすよ。あとはマイティさんに巻き込まれるのを恐れている可能性もあると思います」
巻き込まれるってなんだ?
「女バスの話は聞いてないっすか?」
一応を聞いてるが見てはいない。
「赤池、話し方が普段と違わないか?」
「あー、野球部的な発音というか、あざーすとか聞いたことない?」
「無くも無いがイラつく。普段と同じ話し方ではダメなのか?ダメですか?部長」
駄目じゃない。むしろそのほうが望ましい。マモルも野球部しゃべりは卒業しろ。
「承知しました!しかし、多少は残ると思います」
それはしかたない。ゆっくりでもいいから直せ。で、今日は二、三年も大量一年の混雑を避けてあまり来てないから、15人くらいか?せっかく見たことのないピッチャーもいることだし、シートでもやるか?
「それ絶対巻き込まれるやつっ…です。」
シートで巻き込まれたところで大したことあるまい。コントロールはいいんだろう?
「いいよ。櫛谷も驚いていいよ」
閣下のお墨付きか。じゃあ、やるか。マイティ?でいいか?投げられるか?
「うむ。もうマイティでよい…です。恐縮ですが、シートとは何でしょうか」
そこからか。まぁ、部にもクラブにも入ってなくて、バッセンとトスバッティングとピッチングとノックだけなら・・・あー、経験者と言っていたな。
マイティ、その、経験者の人はどこの大学だ?何年までやっていた?
「ノリ兄様・・・定岡憲広さんは、青山です。4年までで、少なくとも3年秋からベンチ入りはしていて、何度かスタメンで出たこともあるそうです」
じゃあ、普通にデキる人だな。少なくとも少年野球ではエースで4番タイプなんだろうが、大学ではどちらかだろう? ポジションとかは知っているか?
「3年まではピッチャーで、4年でスタメンで出れたのは外野かショートかファーストだったかと、そういえばショートリリーフもあったと述べておったかもしれぬ・・・」
なるほど、じゃあ、ピッチングを始めてからの練習の時に、ランナーを想定してクイックで投げろ、とか、ノックの時に、素早く取ってセカンドへ、とか言われなかったか?・・・でも、セカンド役がいないか?
「あー、あったな。ありました。アンリ姉様がファーストでなくセカンドに居たときもあります」
「杏里さんはソフト経験者だよ」
閣下、お前も参加してたのか?
「だから・・・ま、二回かな、参加したことはあるよ。ピッチングのときは定岡さんが受けてアンリさんがバッターボックスに立つ。ノックの時は彼が打ってアンリさんがファーストかセカンド。お手製でマウンドが盛ってあるけど、グラウンドはテニスのハードコートみたいな素材だね。だからゴロは速かったな」
じゃ、土なのはマウンドだけか?
「そう。しかも掘れない。物凄い硬い土。あ、そうそう、いくら彼女んちが会社だっていっても、マウンドとホームとファースととセカンドしかない。ちゃんとした野球のグランドじゃないよ。左打ちは不可だ」
まあ、それだけでもすごいはすごいが・・・本当に彼女の練習用なんだな。
で、その、先輩が指導してくれたとおり、ピッチャーはバッターを抑えたり、ランナーを走らせないように投げる必要がある。それを実戦的にやる練習がシートバッティングとかケースバッティングだ。
フリーバッティングというのは打者の練習で、バッティングに慣れるためのもの。
シートバッティングはほぼ実戦練習だ。
ピッチャーが投げて、バッターも打って、塁に出たり盗塁したりもする。
ケースバッティングは、シートバッティングと似てるが、例えばランナー1、3塁の練習だったら、チームとしてこういう戦術をやりたい、というようなことを何度も繰り返してやる。例えば、1、3塁でヒットを打てば、シートバッティングなら、一点入って1, 2塁だが、ケースバッティングならバッターを変えて同じことをやる感じだ。わかるかな?まぁ、第二でやる内容ではないんだが・・・そこに第二の例外がいるしな
「うるさいよ、櫛谷。そんなん言うなら選手登録断わるぞ?」
すまんかった。




