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フライングガール!  作者: Jack...
22/55

野球部の赤池くん

メタな登場でおなじみの赤池 守です。


クラスマッチはだらだらサッカー一回戦負け。主人公たるマイティさんの女バスを見てました。


マジで凄かった。ほぼ三年新レギュラーを蹴散らした上に、言い掛かりを付けていた男バスに逆言い掛かりを付けて喧嘩の売り買いをして、屁理屈でムチャルールを押し付けてわずか数分でボコボコにしてしまった。


後で気づけばムチャなルールなんだけど、その時は自分も含め、観衆も男バスも気付いていなかった。

桜井さんはそのとき頭を抱えてあうあうしてたから、もしかしたら気付いていたのかもしれない。

はい、彼女は俺的には割とタイプです。話し方はゆる~~~っとしているけど、かわいいし、頭もいい。

背も俺から見れば、まぁ、バランスは取れてる?少しは俺も彼女欲しい、とか色気づいてもいいよね?


中学時代ずっと二番だったという話だが、マイティさんと同じ学校ではどうしょうもない。違うところだったらずっと一番だったかも、とは思います。なんせ、新歓クラス二番で学年二番。今年の一年生では唯一の200点台です。学年一番のマイティさんは495点(仮)で学校全体どころか過去含めてダントツの一位なので比較対象にするのは酷です。


まだ彼女の得点が未だに(仮)なのは、原因が二つある、と聞いてます。

・自由記述の設問に対する回答が斜め上すぎて、教師の間でも何点にするか決め切れない

・現役大学生である中央生OBが、そんなのありえない、見せてくれないかと押し寄せてきている。


押し寄せて、は大袈裟だろうが、特に今年難関大学に入学した先輩がゴールデンウィークに帰省してマジかよと言いながら母校に来る、というのは有り得るだろうとは思う。

で、「コイツはホンモノだな・・・」と言いながら帰っていく様子も思い浮かべることができる。


自由記述というのは、新歓の各教科の通称「サービス問題(笑)」で、(笑)、と付いているのは内容的に大学レベルのものだからだ。


今年の英語のサービス問題(笑)を要約すると、シェークスピアとその時代について200語程度で論述せよ、だったそうだ。自分も受けたのに「だったそう」なのは、問題文も英語で、もっと複雑な書き方だったので読めなかったし、時間的にパスするしかなかったからだ。


彼女は、その時代の英語で答えを書いたそうだ。

シェークスピアの時代の英語は今の英語とは人称代名詞や、be動詞などに違いがあるそうで、現代の英語を読み書きできる人でもすっと出てくるものではないそうだ。

そもそも英単語200個なんて、俺だったらそれ書くだけで20分とか使うぞ?遅い?スマン!


俺は書けないが、筆記体で一単語一秒ですらすら書けるとしても、200秒。3分20秒。文章を考える時間ゼロでそんだけかかる。

そんな問題を解いて、全体で二時間。解答欄を埋めるだけでもヒィヒィいわされるテストを一時間弱余らせて退出してトラックをランニングだと?


次元が違う。それしか言いようがない。


なので、「信じられない・・・」と俯いて帰っていくであろう先輩の姿も想像できる。


全国大会、U15での世界大会なんてものに出ると、野球でもそういう存在に出会うことはあるからな。

俺もそういう存在に出会い、野球よりガリ勉に転向したほうが将来的に夢を持てると思いここに来た。

高校時代は基礎訓練と体を大きくすることに専念し、大学で実績を残せば、幼いころからの夢、プロ野球選手になる、が、叶う可能性も1%程度はあるだろう。

野球推薦では行けない東京六大学もあるからな。まずはそこに合格するのが目標だ。野球オンリーでは潰しが効かない。


中央高の慣例では、第一も第二も仮入部は入学式の翌日から可能だが、決めるのはゴールデンウィーク開けだ。まあ、俺の場合、野球しかありえないので、仮入部といいつつしっかり練習には参加させてもらった。

U15の実績が効いてるのか、大歓迎してもらった。まぁ、普通は強豪高にいくよな・・・


正式に所属部活が決まったあとの定期活動日、第二所属でも週一で来る日のことだ。


初回は一年が全員来るので大変混む。よって二年、三年はあまり来ない。第二は週一といいつつ、実際はそれは目安で、実際には月一でも問題ないらしい。


あ、鳥居原先輩、とお呼びしてよろしいでしょうか。今日は混むのにいらしていたんですね。


「おー、赤池か。オレが言うことじゃないと思うが、デカいな。厚みもなかなかだな。先輩でもさんでもいいよ。あとで部長、櫛谷から説明があると思うけど今は自由に呼んでもらってかまわない。普通レベルの礼儀があればな」


承知いたしました。マイティさんとジョージも来ていますが、本当に野球するんすか?


「マイティはなぁ、バッティングとピッチングだけはスゴいんだよ」


そんなんまで超人やってなくてもいいでしょう・・・先輩もオレも同学年の中ではそれなりに強打者だと思うんですが。先輩がスゴいって言うんですか?


「あー、旧国道でわかるかな?デカいバッティングセンター、バッセンがあるだろ?」


多分、同じところを思っていると思います。


「年末とか盆とか季節行事で、彼女の家に呼ばれることがあるが、あまりやることなくてさ。行ったんだよ」


うちも不動産屋やってますから、なんとなくわかります。テレビがある部屋でおっさんたちが呑んでてゲームもできないっすよねぇ。


「そんな感じ。中一だったかな?オレが中三。こんなんなら家で勉強してればよかったと思いつつさ」


まぁ、ここ志望ならそうなりますよね。でもあそこは車じゃないと行きづらくないすか?


「あそこは叔父の会社でもあって、寮住まいの若手社員も多いし、彼女は姫扱いだから、一応、兄様、姉様という敬称で呼んじゃいるが、アゴで使っていたんだよ」


想像でき・・・ます。できてしまうのが恐しいかもっす。じゃあ、野球経験者の若手を運転手にして3人で行ったっすか?


「いや、4人、社員男女二名と従兄弟二名。男は野球で187cm、女はソフト経験者で176cm。オレが当時181cmくらい?でマイティが公称178cmだったけど183はあったな」


ばっちりじゃないっすか。しかしみんなデカイですね。当たれば飛ぶっしょ。


「いや社員二名はそれなりだったが、オレは薄かったし、彼女はまだ細かったしな。お前みたいにシニア行ってたわけじゃないし、そんなに真面目でもない中学の軟式だったしな」


でもバッセンは軟式でしょ。でどうだったんすか?


「彼女はさ、いきなり万札だしてカード買うのよww」


えっ・・・中一って言いましたよね。お年玉とかもらった直後にしても気前良すぎないっすか?


「あの子、金持ちだからww。小学校のころから月給もらってて、大して使うこともないから、多分千万単位で持ってんじゃないかな」


そこも超人なんすね・・・で、どうだったんすか?


「混んではいなかったんで、一ブースに張り付いて、男、女、オレの順で打ってるのを見てた、で打って、同じ感じでもう一か二周を回して、あとは社員は遠慮して二人で打ってた」


パカスカ打ってたと。


「いや、最初は空振りもしていた。段々当てるようになって、左でも右でも打てるようになって、最終的にはお前の言うとおり」


やっぱりですか。驚かなかったんすか。しかし最初からスイッチですか・・・


「当時も今も、『今更驚いてもな・・・』、という言葉が一番似合うな。右でも左でも箸も使えるし文字も書けるから、まぁ、できちゃったか、という感じだ。オレも高校で第二ながら左打者に転向したが、右は打てなくなったからな。バントかバスターなら右でもなんとかって感じかな」


第二で左転向なんてわけわかんねーっす。まぁ、先輩は公式戦も代打で出てますからいーんですが。


「で、もうわかると思うが、その日のうちに長距離ヒッターの誕生だ」


流石に驚かなくなってきました。


「驚け、最後の打席は・・・あのとき一ゲーム何球だったかな・・・まあいいや、25球だったとして24球当てた」


バッセンやブースにもよりますけど、たまにクソボール来ますから一球くらい当たらないのはしょうがないっすね


「違う。驚け」


え、何をですか?


「あそこ、デカいだろ。で、ホームランの的、高いよな?」


そうっすね。当てたことないっす。アレに当たるんなら、スタンドインかフェン直は確実でしょうね。え・・・マジっすか?


「そう、一球だけ外したけど、あとは全部あれのどれかに当てた。外したのはその上を飛んでったというオチ付きだ」


全弾スタンドインじゃないっすか・・・最強のオチですね。


「いや、帰りの車で彼女が言った言葉のほうが最強だったよ」


それ、聞いても大丈夫なやつっすか?


「聞くだけならね。こう言ったのさ。『あれは的当てゲームではないのか?なぜ皆は当てにいかぬのか?』だったかな?」


・・・その社員の経験者の人がかわいそうになってくるっす。


「運転していた男性のほうはひきつっていたよ。女性のほうが助手席からポンポンと肩を叩いてなぐさめていたかな」


ああ、女性もソフトの経験者で170後半ってことはそれなりにやっていたんでしょうしね・・・左右どちらでもそんなんなんすか?


「だったね。ちなみに二段目のオチがある」


マジすか・・・でも一段目が強いんで、単に全弾命中とかだと弱いっすよね?


「そうだね。彼女なりにハマって、といっても月一くらいらしいけど、行くようになったら、置いてあるバットは飛びすぎてつまらん、と言いだして、経験者に聞いて木のバットにして、『おお、これは飛ばん!』と喜んだのもつかの間、一年もしないうちに木製バットで、クソボール込みでの全弾命中を達成したそうだ。しかも滅多なことではバットを折らないってオマケ付きだ」


なんすか、その戦国無双なエピソード・・・代打だけならプロになれるんじゃないっすか?


「三段目のオチも必要かい?」


どうやってヒネりだすか聞いたいっす。


「彼女は中一の夏、ちょうどバッセンに行ったころから体を鍛えるのにハマって、背丈だけでなく、筋力も結構付いてきた。今の彼女を見ればわかるよな」


迫力満点っすから、わかるっす。


「中三の秋くらいに、だいぶ体ができたってことで、ピッチングもその経験者に教わった。元『四番でエース』タイプらしい」


まさか、100マイル、160km投げるとかですか?


「流石にそれは無い。経験者社員も強く投げないほうがよいし、セーブした全力でも一日30球とか制限したほうがいいとアドバイスしているようだ」


中学・高校ならそのほうがいいすね。


「なので、球速は130kmそこそこ」


いや、高一の春なら相当速いほうですよ?


「フォームは小さくて基本全球セットからクイックで投げる。綺麗にストライクゾーンの隅4ヶ所に投げられて130のスライダーとシュートとシンカーもある。で、左右投げ」


無敵っすね。球の出所が見づらいタイプなら相当上で通用すると思いますよ?


「じゃ、今日シートでピッチャーお願いしようか?」


オレも左ですが、左で投げられたら打てる気がしません・・・もちろん、打席には打つ気で立ちますよ!

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