スピードシスターズ代表にさせられた桜井さん
あー、なんでこーなるかなーー。あたしはだらーっと生きたいんだけどなーー
どうも、桜井です。
175cmのリコ、165cmのももリオコンビは第一で、あたしとみっちゃんは第二で女バスに入りましたー。
まあ、あれ見られたらしゃーないしなー。このだらだらシャベリはしよーだから勘弁してねー。
しかしまー、入る前から知ってたとはいえ忙しい高校だなー。入学式の日から、新歓でうちのめしてくるしー、それが終わったらゴールデンウィーク前に早くもクラスマッチだしー。
クラスT作ったりしてさー、本番ではそれ着るにしても、毎日マイティさんにはわずか30分ちょいでヘロヘロ~になるまで練習させられるしー。させられるーとは言ってるけどイヤイヤじゃないよー。
まー、練習の前には自分達で走ったりしてウォーミングアップしておかないと追い付けないからさー、それ入れて1時間くらいかなー。クラマ前の体育館は取り合いだからなー。
そんなわけでー、クラTをそれで使ったらヘロヘロになるからなー、中学のときのジャージを使うのー。一晩で乾くしー。クラTは本番だけなー。
でさー、まー練習しているだけで注目されるわけさー。マイティさんはそもそも目立つしー、ジョージもでかいしー、パス出しのスピードはハンパ無いしー、I-Bサポーターズなんて名前でー、当日はだらだらサッカー参加女子がボール回収してくれるしー。
つまり、譲り合ってコート半分ずつで練習なんだけどー、ウチらだけ日にもよるけど、15人前後、その中でバラバラのジャージで練習しているのはジョージも含めて7人、あとは玉拾いさー。他は男女とも3on3とか多いところでは 5on5なんかだけど、ウチラだけ部活みたいなー、またはそれを超えた練習だよー
・・・これで目立つな、と言うほうがどーかしてるー。あとみっちゃん!!まじで初心者かーー?と、たぶんリコももかんリオンも思ったんじゃないかなー?自分で言ってたとおりの大きさとぱわー!そんだけじゃなくて、ドリブルやピボッティングがまじウマいー!!
大きさが活かせる球技として体育でやったあとも遊びでやってたって言ってたけどー遊びでそこまでいくか?と、リコは言ってたし、あたしもそう思ったよー。
まだ慣れてないころは、三歩目どころか四歩目まででちゃうことがあったけど、それも二週間くらいの練習でほぼ無くなったしー。まー、あたしらもついトラベリングはやっちゃうしなー。ゼロは無理さー。
ボール回しもうまかったよー。スラダン読んだ?って聞いたら「図書委員でもマンガくらい読むよ!」とプンプンしてたけど、別に読んでいいよー?
ももかんは一時期絶望してたよー。気持はわかんなくもないよー?走るスピード、パスの距離や正確さでみっちゃんのほうが少しだけ上だったしねー。リバウンド合戦の練習でわりとすぐに戻ったけど。
センス、野生のカン?なんでもいいけど、リング下でピョンピョンやっていると7cm違いのあたしや10cm違いのリコとも結構張り合えるんだもんなー。まー、あたしは垂直飛び苦手だし、リコは少々重いww。ぜい肉はついてないけど、ウェートとかやってんじゃない?的な筋肉のつきかたしてるしなー。
リオンはそーゆーのはよわい。おっとりしてるというか、あ、こんど、おっとリオンって呼んでみよーかなー?怒りはしないだろーけど、断わられるかもなー。まあでも3ポインターとしてならイケてる。
マイティさんが圧倒的な謎突進力+リコのふつーにすごい突破力で前に押してけばリオン、みっちゃん、わたしの3人のうち一人は確実にノーマーク。つまり高確率で3Pが入る・・・あ、ももかんがイジけるわけだ。
でもなー、マイティさんとももかんが交代した5人体制でもクラマレベルならふつーに強いよー?実際、クラマでも自陣のリバウンド合戦をももかんが制して、ドリブルからリコにパス、そこからリコが上がってシュートから、ももかんがリバウンドで押し込みなんてのもふつーにできてたしねー。
ともかくノールックかワンルックでの即パスはクラマレベルだと無敵感あったよー。まー、あの練習でヘロヘロにされた状態をみんなで共有しているからさー。
投げる⇒声掛ける⇒掛けられたほうが加速してから一瞬投げたほうを見て取る。
さいきょーさ。
スピードシスターズは自分たちじゃなくて他のクラスから付けられた名前でさー。自分たちでは思い付かなくて素直すぎるI-B女バスなんて雑なチーム名で登録したのー。だけどいつのまにか変えられたのよー。
で、優勝したあとも一悶着ーーーー。もーーー。
ひじょーにシンプル。あんなのさー、絶対マイティさん怒るしーーーー。男バスのバカ部長がーーー!!
男バスの三年、部長らしき人が女バスの部長らしきひとをドナりつけてたのよーー。女バスも負けちゃってるから言い返しにくいよねーー。
内容はクラマにほぼレギュラーで出といて一年にダブルスコアで負けるとはなんだーーー的なやつねーー。わかるのはわかるけどーー絶対揉めるーーと思ったとたんにズンズンと出てきた人がーー。もう、わかるよね?
「ほう、さぞや男バスというのはお強いようだな!」
「な、なんだお前は!!」
身長では190cmくらいの男バス部長はマイティさんのド迫力というか怒気溢れた態度にはやくもビビってる・・・www
「そこなるチームをクラマで破った、チームの一員だが?」
「あっ・・・閣下・・・鳥居原が言ってた例の女子か?!」
「鳥居原殿は、従兄弟であり、小さいころからよくしていただいておる。で、ずいぶんお強いようだが、ウチと遊んでみるか?ボールは女子に合せるくらい、お強い男子にはハンデとも言えぬだろう」
「おっ、おう・・・そんなのハンデにもならねーよ!おめーらも一年女子としちゃデカいが、オレたちはもっとデカいしな!!」
「では、クラマに合わせて、1Q7分のインターバル2分、2Qで締めるとして合計16分で如何?」
「それだけでいいのか!もう少しハンデがないと試合にならねぇんじゃねぇの?!」
うわー、それいっちゃだめなやつーー
「では二つお願いしようか?」
「おう、余りに無茶じゃなきゃかまわねーよ!」
そのあと聞きたくなーーーいーー
「こっちは6人で、一人は交代できるが、そちらはスタートの5人で固定だ。なのでどちらもファイブファールでも交代しない」
「そんなのは問題ねーよ。なー、みんな!」「「「おぅ」」」「「まぁな」」「そうだな」
「もう一つは男子から女子へのチャージング等のコンタクトは厳しく取るが、女子から男子へは基本、取らない」
「ん?んーー。まぁ、見た感じあんたはともかく他の子は当たったら倒れちゃいそうだし、あんた以外はいいんじゃないかな。どうかな」「「「おぅ」」」「「そうだな」」「どうかな・・・」
「我は除外かwww?」
「あんただけはブチかまされたらヤヴァい気がする。一応、噂くらいは聞いているからな・・・」
「で、あるか。では我からのチャージングは取れ。リコは行け!」「まかせろ!」
だから聞きたくなかったのにーー!リコは武闘派なんだよーー!マイティさんのチャージングはチャージングに見えない合気道風だからさーー!!
一応、エキシビジョンマッチ?の状況も言っておくね。審判は女バスの部長がつとめたのー。
ジャンプボールにはリオンが出たよー。当然男子に負けて相手ボールでスタート。ファーストシュートは入らずで、リバウンドはマイティさんが素早くとり、ブチカマしては来ないだろう踏んでたであろう男バス部長を綺麗に転がす。笛は鳴らないー。続いてブロッキングに来た部員二名もヘタレコケさせるー。鳴らない!。みっちゃんにパスしてすぐ⇒あたし⇒みっちゃんのパスで一人抜いて、リコにパスして比較的小さい・・・といってもリコよりちょい低くらいだけど・・・部員と一対一からジャンプしてのシュート・・・だけどケリ入れたよリコ!!やっぱりかリコ!!!空中だから威力は小さいだろうけど!!
キレいに2点先取だけど、コート上で立っている男子がみっちゃんに抜かれた一人だけ!!、リング下でボールを持って呆然としてるーー
「なんで笛鳴らねーんだよ!」「アンタらが勝手にコケただけじゃん!コンタクトはあったけど、チョン、くらいだったから試合でも鳴らないよ!!」「ぉーぃ、最後にオレが食らったケリはどうよ」「偶然でしょ!!あんなの痛くないでしょ!」「いや、みぞおちにキッチり決められたぞ・・・痛い」「決められるほうが悪い!アンタがヘタなのよ!!」
これこれ、これよー。マイティさんは人使いがウマーい。あたしらだけじゃなくて女バスの部長もうまく使っているしー。さっきまでツメられてたんだから、公平なフリはしててもとーぜんこっちに甘いよねーww
「すまぬが、試合中であることを確認してもよいか?」
マイティさんの一言で、男子もよろよろと立ち上がるが、マイティさんの合気道転がし、リコのチャージング、特にヒザwww。あたしもそれほど得意じゃないけど、やっぱ当たり負けしないような練習もしてきたから「ごめんねぇーー」と言いつうデカめの男子を避けて弱めの男子に当たりに行く。ももかんも元気一杯、ふつうに足ひっかけに行ったりリバウンド合戦でヒップアタックしたりwww。リオンは予想通りだけど行かない。交代で出てきたみっちゃんは「いいのかなぁ・・・」と言いつつ見様見真似?でヒジやヒザwww、普通ならリオン以外全員アンスポで退場だなーー
あたしらが集中攻撃した約二名は7分持たなかった。立ち上がる気力も無いよーす。まー、あんだけボコボコにされたらなーー
「三年のお強い部長殿?2Qに入る覚悟はあるか?」
本人的には特に凄みを効かせているつもりはないんだろーけど、めっちゃスゴんでいるようにしか聞こえないよーー。これでエキシビションマッチは終了だろうねーーあの二人、もうムリだよねーー
「わかったよ!わかった!!屈辱負けを宣言する!!でないとコージとサブローがトラウマ級になりそうだ!!」「もうなってる・・・」「・・・」
コージとサブローは170前半の二人だろうね。どっちかはわかーんないけどー。
ま、リコには念入りに、あたしとみっちゃんはチクチクと、ももかんは陽気に痛めつけたからなーー。あーー、途中から気付いていたよーー。これが一つ目のハンデ、交代不可、の目的だってのはー。
あっちの部長はデカいから、あたしらからは行けない。行ってリコだけど、さすがに相手がデカいから行かなかった。
だから、大きい相手はダメージ低いけどマイティさんにまかせて、こっちはリオンは参加しないから4人か、で、二人を徹底的に痛めつける。5ファール罰退も無いし向こうは選手交代もできないから、どこかで実質五対三になる。たとえデカイ三人が残ったとしても、こっちは3ポインターも豊富だし、勝てるってコトなーー。
「なぁ、ヨーコ。もう少し笛吹いてもよかったんじゃない?確かにちょこっとしかさわられてないし、ダメージもそれほど・・・いやこれを4Qまでフルにやられたらキツいけど・・・それほどでもないにしろさぁ!」
「何回かは彼女のアレ?吹いたわよ?それよりリコちゃんだっけ?アレを吹けないってスゴいハンデよねwww。他の3人もそれなりに、ね?」「マジで痛かった」「何回やられたか覚えてないよ・・・」
「いや、さっきは悪かった。こんなとんでもないのとやってたんなら、負けてもおかしくねーわ」
「でも、あたしらのときはあんなトンデモハンデは無かったし、前の試合見てたからナメてかかったりも無かったわよ?」
「いや、確かに通称マイティさんだっけ?の不思議合気道風?チャージングもすげぇが、こいつら普通にバスケうめーじゃん。ウチは三年だからって優先される学校じゃないし、こいつら入ったら二年三年で押し出されるやつがいんじゃねーか?」
「だから、クラマで負けてんじゃん、あたしらだってクヤしかったのよ。今、ちょっとスッキリしたけど」
「やっぱわざと吹いてねぇじゃん・・・」
「うむ。ヨーコ先輩殿」
「なーに、マイティさん?」
「先程も申し上げたが、我は入らぬ。が、こ奴らを誘うのはご随意に」
「うちは公立だし、対強豪高だと当たり負けしちゃうことがあるのよねー。リコちゃんだけじゃなくてユカちゃんもミズキちゃんも、ももちゃんも頼もしいわー。あのヒップアタック、もう少しマイルドならほぼ吹かれないよー!!」
「ほら、ユカ、ももかんとかヤメてももちゃんにしろー」「やーだねーー、ももかん」「ムキー!!」
あーあーー、あんだけやればしょうがないけどあたしもカウントされているかー
あのーー、ヨーコ先輩?でいいですか?
「いいわよ?なに?」
あたしとー、少なくともみっちゃん、ミズキは入ったとしても第二ですーー。リコとももかんは第一だろうけど。リオンはどっちかなー
「そうね、桃花は第一だろうけど、あたしは迷ってる」
「あのさ、勘違いしてるかもしれないけど、第一じゃないと公式戦出られないとかないよ?いや、圧倒的に第一の部員が出るけどね?」
「おぅ、そうだそうだ。閣下・・・鳥居原は第二だが、何度か野球の公式戦出ているぞ!」
男バス部長、復活したなーー
「以前鳥居原殿に聞いた気もするな。我も第二は野球の予定だが、女子だから公式戦は関係ないな。しかし野球には連携プレーなどがあるのではなかったか?」
それなー。テレビでメジャーとかちょっと見るくらいだけど。
「守備じゃねぇよ。アイツ頭も運動神経もいいからすぐ覚えるだろうけど、打撃だよ。あいつもそれなりにデカいし、パワーも度胸もある。代打の切り札ってやつだよ。あと、ショートリリーフ。これなら連携とかあまり関係ねぇ」
ねーねーー、野球部って選手少ないのー?
「いや、運動部はどこも選手不足だよ。そもそも運動部に入りたくてこの学校に来るのがレアだから」
「そーねー、あたしも背が高いってだけで女バスにスカウトされて成り行きで部長だもん」
あたしは違うけどそこに一人運動部目当ての一年がいるねー。
「えっ、誰誰?」
ヨーコ先輩が笛吹けなくてストレスたまった子ですよーー
「あ、あーー、アハハハハハ!!!」「いや、アタシはバスケ部じゃなくて。マイティさんとバスケがしたかったの!!!」
本人がしないーーっていってるから無理だよねーー
「まぁ、今日できたし。ついでに男子相手にストレス解消できたし!」「こっちはたまったもんじゃねーよ」「そうそう・・・」
「これも先程の繰り返しだが、リコ、学業もな。第二は理学部にしろよ?」「わかったって。ギリというかラッキーとか偶然込みで受かっただけってのも思い知らされてるよ!」
「こんな強い子がプレイしないなんてもったいないけど、勧誘しても無駄そうだよね。でも、一回だけ。第二の兼部でいいから選手登録だけしてくれない?1Qでジャンプボールから5分くらいと、4Qの最後だけ出てくれるだけでいいよ?」
「その条件では我は試合日に一日拘束されてしまう。却下させて頂く」
「やっぱだめかぁ、じゃあ、残りのスピードシスターズは第一、第二どっちでもいいから丸ごといただくね。ユカちゃん?リーダーお願いね?」
えーーやだーー、リコのほうが強いよーー?
「リーダーは強いだけじゃだめ。さっきもマイティさん引いてるとき、あなたが司令塔だったでしょ?」
この五人をハンドリングするとなると・・・あたしかーー。でも、基本、第一の理学部を優先しますからねーー
「それは了解。第一優先はしょうがないもん。おっけー」
みたいな感じで、クラマ優勝一年女子対三年男子のエキシビションマッチは暴力的ながらグダグダな結末で、あたしらの勝利で終わった。
あ、「屈辱負け」というのは降参宣言くらいの意味ね。中央高用語みたいなものねー。
でー、あたしがー、スピードシスターズ代表代理代行的存在として認識されてしまったよーー(泣)
・・・あたしはだらーっと生きたいんだけどなーー