寄り道延期?
柚菜子からの連絡を待つこと、丸一日…
やっぱり寄り道を延期したことを怒っているのだろう。
なのでオレは山田さんに一日だけ、二人三脚の練習をお休みしていいかと相談してみた。
すると、
「それは幼馴染さんを優先してあげて‼︎わたしのせいでごめんなさい。なんなら、わたしからも謝らせてもらいたいくらい‼︎」
と、言ってくれたので早速柚菜子に連絡してみた。
でも…
やっぱり連絡が返ってこない。
仕方ないから、直接柚菜子の家に行ってみることにした…んだけど、タイミング悪く…さっき頭痛がするからって、寝てしまったとのことだった。
頭が痛いのなら、仕方ないと諦めた。
なので、水分補給用に飲み物を柚菜子のおかあさんに託して、大人しく待つことに専念した。
数日後
すると、どうでしょう?
どうもありませんじゃありませんか…
ありませんじゃありません…ってなんかの早口言葉みたいだなぁ!おもしろーい‼︎と、無理無理テンションを上げてみました。
でも、上がりませんでしたね。
…
仕方ない。
テンションメーターダダ下がりなオレは、大好きな動物動画をみて、ウトウトしていたんだけど…
なぜでしょう?
うっかりウトウトしながら、どこかのボタンをタップタップしておりまして、なぜか動物動画から、柚菜子のお声がしてるっ⁉︎
慌てて携帯をみると、通話中になっているじゃありませんかっ⁉︎
「もしもしー?この前は、頭痛い時ジュースありがとうね」
と、普通に会話してくれている柚菜子。
「えっ、柚菜子‼︎柚菜子じゃん‼︎頭痛いの治った⁉︎」
「あー、うん」
「そっかー。てか、寄り道延期になってごめんな。でも、今度いつでもいいから柚菜子の都合のいい日、寄り道しよ?都合合わせるから」
と、慌ててお誘いしてみた。
「でも、忙しいんでしょ?体育祭の練習…」
「あ、大丈夫!山田さんがいつでも幼馴染優先でいいからって言ってくれてる。山田さんも幼馴染いるから、気持ちわかるって」
「へー、山田さんと二人で練習してたりして?そんなわけないか。みんなで練習してるんだよね?なんで山田さんだけから許可もらうの?普通みんなからじゃないの?」
って、少し不機嫌に話す柚菜子。
「あ、山田さんと二人きりでの練習だよ?」
「えっ…?」
「ん?……あー、もしかしてヤキモチやいてたか?だから連絡くれなかったとか?」
って、調子に乗ってきいてみた。
…
しばらく無言が続いた。
なので、オレは机の上のお茶をグビリとのんだ。
そしたらやっと柚菜子が、
「そんなわけ、なくない?てか、なんで二人きりの練習?」
と、不思議そうに聞いてきたので
「山田さんがっ、ゲホッ、一位になったら好きな人に告白するためだよ」
と、むせつつも教えてあげた。
お茶が変なところに入ってしまったようだ。
柚菜子は、また無言になったかと思うと
「こ、告白って…なるほどね……てかさ、すっ、すごいじゃん‼︎運動音痴のくせに一位って…ヤバっ、絶対頑張りなよ‼︎絶対にっ」
と、応援してくれた。
「あー、うん。そうだね、応援ありがとう。てか、ゲホッ、むせたかも」
と、もう一度お茶を流し込むと
「むせるよね、そりゃむせるよ。がんばれ…じゃあ健闘を祈る!応援行くね!じゃ」
と、そこで電話終了になった。
あ、寄り道いつ行くか約束するの忘れた。
なので急いで、寄り道いつにする?って送ると
(それより練習優先しなきゃだよ‼︎ファイト‼︎)
との返信が来てしまった。
やっぱり告白のこと、言わない方がよかったかも?
なんか、気をつかわせてしまったかもしれないな…。
しばらく寄り道は、延期っぽいな…。
柚菜子ロス…
あ‼︎
オレは、とてもいいことを思いつきました‼︎
なにってさ、もう練習しなくていいくらいオレが上達すればいいんじゃん!
そしたら、放課後デート再開やん‼︎
まぁ、ほんとはデートじゃなくて寄り道だけど…
でも、いい‼︎
それでも柚菜子がいればいい‼︎
てことは…猛特訓だよ!
放課後だけじゃなくて、朝練もしちゃう⁇
家から駅まで二人三脚したら、かなり上達する!
山田さんに連絡してみようかな?
明日から朝練するから、オレの家に迎えきてって。
…
いや、まてよ…
オレが山田さんちに行くべきなのでは?
てか…そもそも道路って…二人三脚許可されてんのか⁉︎
まず道路って、一人なら走ってもスキップでも、ノロノロ歩きでもなんでもいいんだよな?
…あ、でも道路って逆立ちで進むのって…ダメくない?
危ないよね?
…どうなんだろう⁇
ひとりでもダメっぽいことがあるんだから…やっぱり二人となると…
…
無理があるな…
朝練却下ですね。
…
続く。