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なかなかの発言

 オレは、どこかで柚菜子のクラスメイトの男子を見たことがあった。

 

 でも、思い出せない…

 

「なぁ、さっきの人オレ…見た事あるっぽいんだよね」

 と、柚菜子に言ってみた。

 

 すると柚菜子は、

「うん、数分前に見たからじゃん?」

 って意味不明なことを言った。

 

「いや、さっきじゃなくて…最近…いや、前に?どっかで見たような…」

「ふーん、駅とかじゃない?」

「そうなのかなぁ…」

 

 どこで見かけたかわからないけど、思い出せないのは、仕方ない。

 

 気を取り直して、寄り道を楽しく柚菜子と過ごした。

 スイーツを食べ、くだらないことで笑い合う。

 

 

 寄り道という遊びを知ってしまった柚菜子。

 

 これからも定期的に寄り道したいなって、オレを寄り道仲間に選んでくれたので、オレは喜んで寄り道仲間として、迎え入れた。

 

 まぁ、別に仲間って言いつつも…だれも他にいませんけどね。

 

 

 オレにしたら、これはもはや放課後デートでしかない!

 

 嬉しい仲間認定のあと、次の日…

 オレは嬉しくない発表を学校からされた。

 

 詳しくいえば、学校というか…先生から。

 

 なんと、近々体育祭と言われるお祭りが開催されるそうな。

 

 …

 

 なんだよ、体育の祭りってさぁ…

 

 

 そもそもオレ、運動できそうってよく周りから言われるけどさ、実際は運動が苦手だ。

 

 それにプラスして、嫌いでもある。

 

 苦手と嫌いのダブルパンチのお祭りって…ふざけすぎでしょうよ?

 

 なんの嫌がらせなんよ?ってなりましたが、まぁ…適当にやればいっか!どうせ成績にあんまり関係無さそうだしーって軽く考えておりました。

 

 

 …

 

 

 で、種目なんだけど…

 

 なんか二人三脚やることになったんだけど…

 

 ペアになる人が背の順で山田さんと一緒になりましてね、で…

 

「「よろしくー」」

 って、お互いなった数日後…

 

 

 山田さんから、放課後二人三脚の件で相談したいことがあるの。

 って神妙な顔で言われたんよ。

 

 

 なんだろう…?

 

 あんたとペア組みたくないとか言われる?

 

 …嫌すぎて泣かれたらどうしよう。

 

 放課後まで、不安祭りでした。

 

 

 で、ずっと色々考えて結局…どんな相談かもわからないまま、放課後になりましてね…

 

 

 ドキドキしながら、山田さんを待っていたら…

 

 山田さんは、オレの方にくるなり、

「運動得意だよね?」

 っていきなり質問されてね…

 

「運動不得意だよ?なんで?」

 って、正直に返すと山田さんが目を見開いて

「嘘でしょ⁉︎そんなに運動できそうなのに?冗談だよね⁉︎」

 って驚かれた。

 

 なので、正直に嘘じゃないよって答えると山田さんは、

「わたし…幼馴染に二人三脚一位とったらなんでもいうこときいてね?って言っちゃったんだ」

 と、泣き目で言われましてね…

 

 

 実は、…山田さんも、オレみたいに幼馴染がいるんだよね。

 

 チラッと聞いたり見たりしたんだよね…だいぶ前だったけどさ。

 

 

 てかさ、一位とかって…

 

 …

 

 

「なんで、そんな約束しちゃったの⁉︎」

「え…だって瀬谷くん足早そうだったから。だから…」

 と、かなしい目でオレをみてきた…

 

「…まぁ、でも一位取らなくても不利になることもないんでしょ?いうこと聞いてもらえないだけならね…そんな顔しなくても…」

「ある!不利なこと、あるの。わたしが一位とれなかったら…わたしが幼馴染のいうこと聞かなきゃなんだ…よね。どうしよう…絶叫系わたし苦手なんだけど…それが決行されたら…、、無理無理…無理なんだけどぅ…」

 と、青ざめる山田さん。

 

 

 …

 

 なんで…?

 

 なんか、オレって…巻き込まれ事故やん…。

 

 

「ところで、山田さんは勝ったら幼馴染にどんなことをいうつもりだったの?」

 

 オレの質問に少し恥ずかしそうに山田さんは、

「わたしと付き合ってっていうつもり…なんだ。」

 と、顔を赤く染めた。

 

 

 

 …

 

 あー、これは…なかなかの発言ですね。

 

 重い…

 

 運動オンチなオレには、山田さんとのペアが重すぎる…

 

 

「ここは、先生に言ってペアかえてもらおっか?」

「ダメです」

 

 …

 

 ⁉︎

 

 くいぎみにいきなり、ダメです?

 

 女性の声だけど…これは山田さんの声じゃないな。

 

 でも、この声に聞き覚えがある。

 

 この声は…担任の声っぽい?…後ろのほうから聞こえたような?

 

 ?

 

 えっ⁉︎ってなり、山田さんと教室の後ろのドアをみると…

 

 先生がいたーー‼︎

 

 話、聞かれてたっぽいね…

 

 …

 

 こんな理由じゃ…そりゃ変更不可だよね。

 

 じゃあ、どうしよう?って考えていたら先生が

「早く帰りなさいねー」

 ってオレたちに追い討ちをかけてきた。

 

「先生…オレたちの会話聞いてたならアドバイスくらい教えて欲しいです」

 と、アドバイス待ちしていると先生は、

「練習したらいいじゃない。それじゃ、気をつけて帰ってねー」

 と、強制下校させられました…。

 

 

 

 

「練習って言われてもね…」

「そうだよなぁ」

 と、普通に下駄箱に行き靴をはいて…いつのまにかオレたちは、駅まで一緒に下校していた。

 

 

 

 

 

 家に帰り、携帯をみると柚菜子からメッセージがきていた。

 

 

 というか、スタンプが一個送られてきていた。

 

 みどり色のハートのスタンプ…

 

 ?

 

 オレがみどり色すきだから、ただ暇つぶしに送ってくれたのかな⁇

 

 よく暇な時スタレンしてくるし。

 

 だからオレは、柚菜子が好きな白のハートのスタンプを送り返してあげた。

 

 そしたらいつもまた違うスタンプが送られてくるんだけど…

 

 違うスタンプは、送られてこなかった。

 

 なんだろう?って思ったけど、たぶん意味はないんだろうなと思ってそのまま、風呂に入った。

 

 

 続く。

 

 

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