第087話 あの手この手で
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「おぉ!久しぶりだな!」
「お久しぶりです、兼望さん。最近どうですか調子は」
「勘弁してくれよ。この顔見て調子良いように見えるか?」
「いいえ、全く。でも、安心してください。そんな兼望さんに朗報がありますから」
今日はいつもと違って1人で来た訳ではない。
もう1人強力な助っ人を用意してある。
俺の後ろから現れたのは御手洗だった。
この間、どうしても強くなりたいと言われたので今日は連れて来たのだ。
兼望のおっさんは人手不足だし、俺達は試合に参加できる。
これ以上に両者が得をする事はない。
「今日は試合が出来るって聞いて来ました。御手洗です。よろしくお願いします」
「御手洗くんか!よろしくよろしく!いやー、大杉くんの紹介なら安心だなー」
「俺、なんでもやるんでどんどん言ってください!」
こうしていつもの草野球が始まった。
俺はこの試合、凄まじく調子が良い。
6回までを完全に抑えた後に、スタミナ切れでベンチに下がったけど。
あの変化球セットの効果もしっかりと体感出来た。
一方で御手洗もそれなりには活躍出来ていた。
だけど、本人の感覚としてはまだまだらしく打席や守備から帰ってくる度に納得していない表情を浮かべる。
「どうした?御手洗」
「うーん。やっぱり、普段の練習と実際に試合を経験するのは違うな」
「それならもっと楽しそうな顔したら?」
「楽しめるかよ。動けば動く程、課題だらけだ」
守備も攻撃も悪い所は見当たらない。
良くも悪くも普通って感じだ。
エラーも無ければ、勿体無いゴロを打つ事もない。
「俺の武器はなんだろうってずっと考えてたんだ」
「御手洗の武器か。変化球に強い事じゃないかな?」
「確かに変化球での出塁率は高いけど、逆を言えばストレートに対しては少し弱い。それに足も早くなければ、打力もそこそこ」
「本人にとっては課題が山積みな訳だ」
そうなると次に取れる手段はあれか。
どれだけステータスやスキルを付けられるかは微妙だけど。
試合が終わった後にこっそりとお金を貰って、その軍資金を元手に次の場所へと向かう。
その間に御手洗は待っていてもらうことに。
「はい、お待たせー」
「手に持ってるの何?」
「これ?大丈夫、大丈夫。怪しいものではないから」
本当の事を言うとすごい怪しい物だ。
だけど、他人に害を与えたり、犯罪の為に使う道具ではないので恐らく問題はないだろう。
適当な公園を探して座れる場所を探した。
そして、俺は道具を惜しみなく使っていく。
まず使うのは、友好のルーペ。
味方のステータスを閲覧出来るようになる道具で、一度買えば何回でも使える。
自分の強化を優先していた為、購入するかは迷っていたが丁度良い機会だった。
値段も目玉が飛び出す程高い訳ではないから迷いなく買える。
さて、御手洗のステータスは、
筋力:43
器用:31
守備:26
走力:42
捕球:56
スキル:変化打ち B 、気合い(野手) D
ステータスで見れば、特出した物はない。
強いていうなら捕球が高いくらいか。
エラーをしないのは試合において重要だ。
ここからどうやって強くするか。
本人の希望があるならそれに沿って育成するのがベストだろう。
「何してんだよ。ずっとそれで俺の事を見て」
「これも大事なカウンセリングみたいなもんだよ」
「よく分からないけど、信じるか」
「それで今後俺も御手洗の練習には付き合うつもりだけど、何を伸ばしたいとかあるの?」
「伸ばしたいものかぁー。いざ言われるとパッとは・・・あっ、打力かな。いや、それだと後藤先輩や堀枝と被るか。そうだとすると他に特技を身につけて活かすしか。でも、それだと付け焼き刃になる気も」
真剣に悩み始める御手洗。
ここはしっかり悩んで決めて欲しいところだ。
いくつもの選択肢から選んだスタイルが今後に大きく影響を与える。
上がりにくいステータスを強化するとなるとそれこそ中途半端な仕上がりになるからな。
俺のおすすめは、器用と打率を上げるスキルを組み合わせて、対変化球最強を目指すのが無難ではあると思う。
だけど、敢えて本人には伝えない。
持っている物は与えるがそれをどう上手く使うかは御手洗次第だ。
「決めた!まずはミート力を鍛える。俺の強みはどちらかと言えば打撃だろ!それに変化球はそれなりに打てるからストレートを打てるようになれば最強だろ!」
どうやら結論は出たみたいだ。
大体は俺の考えと同じか。
少し違う所はストレートも打てるバランス型を目指す所だけ。
ストレートは誰でも投げることの出来る基礎中の基礎。
打てるに越したことはないので、悪い選択ではない。
「それじゃあ、その方針で練習するか。おっと、その前にこれ飲めよ」
「えっ、良いのか?サンキュー」
俺が手渡したのは1万の謎漢方を混ぜたお茶。
これでスキルは入手出来なくてもステータスは上がる可能性がある。
「うげぇー、なんか普通のお茶より苦くないか?」
「えぇー、そんな事ないだろ」
激痛では無く、強い苦味を感じるだけか。
1万円だとその副作用も小さくて済むのかも知れない。
これは思いがけない良い情報だ。
もう一度、友好のルーペを使うと驚きの変化があった。
スキル:NEW 反射神経 D
これは後藤先輩が入手したのと同じスキルだ。
まさか1万漢方でスキルを入手出来るとは思ってなかった。
ステータスが上がれば良いよねくらいの軽い感覚だったのに。
もしかすると、俺の新たな挑戦を神が応援してくれているのかも。
しかし、誰にでもこの手法を用いる訳にはいかない。
俺の素性を知れば不審がる人もいるはずだ。
限られた人数で気付かれないようにサポートをしなければ。
今日はある程度に練習を抑えて解散する。
来週もきっと兼望さんの試合には参加するだろう。
その時までにもう1段階成長させておきたい所だ。
「兎にも角にも、これが上手くいければ今年の甲子園だけじゃなく、1年後も2年後も最強のチームとして名を轟かせることになるぞ」
今年の1年は豊作だ。
竜田、橋渡、堀枝に御手洗、そして、俺と駒場。
現状だけで考えてもこれだけのメンバーが揃っている。
次に入ってくる後輩達の事も考えるとますます最強のチームが見えて来た。
「さて、俺はもう一踏ん張りするとしますか」
連絡先から夜飼さんの番号を探した。
ワンコールすると電話が繋がる。
『久しぶりだねー』
「そうですね。そっちもこっちも色々と忙しそうでしたから」
『今日は練習場使っていくかい?』
「よろしければ」
『当たり前じゃないか。君の成長も見たいしね。それじゃ迎えに行くから待ってて』
俺に変化球を伝授した師匠に成長を見せるのは緊張する。
彼女には感謝しても仕切れない恩がある。
だから、成長を見せることが少しばかりの恩返しになれば良いけど。
試合とは違う緊張感を胸に迎えに来てくれる夜飼さんを待った。
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